2022.07.29
# INTERVIEW # 音楽

「生き続ける場所を作りたい」結成12年を経てBABYMETALが「新境地」を目指す理由

昨年10月にライブ活動の封印を発表したBABYMETALは、METALVERSE(メタルバース)を舞台にした新ストーリー、「THE OTHER ONE」の開始を発表した。アクセス権を購入したユーザーが、インターネット上で復元されるBABYMETALの新たな楽曲やビジュアルなどを楽しめるという同プロジェクト。記事前編に続き、プロデューサーのKOBAMETAL氏が企画に秘めた思いや、今後のBABYMETALの活動について語った。

KOBAMETAL氏
 

究極の“アナログ人間”が生み出すデジタル世界

「THE OTHER ONE – DIGITAL GALLERY」は、”METALVERSE(メタルバース)”のアルゴリズムによって生成される、新たな楽曲やビジュアルの復元過程が、現在進行形で体験することができるプロジェクトだ。デジタルギャラリーへのアクセスコードを購入することで、ユーザーはWeb上で展開されるBABYMETALのストーリーが体験できるようになっている。

 

――「METALVERSE」とは、どのような取り組みなのでしょうか?

「METALVERSE」と聞くと、「NFTなどの新しい概念や、デジタル技術を駆使した活動」を想像しがちですが、必ずしも「メタバース」の同義語というわけではありません。まだ、明らかにされていない部分もありますが、今後もBABYMETALが柔軟にやりたいことをやるためのひとつの「概念」だと思っていただけたらと思います。

「THE OTHER ONE」

――KOBAMETALさんが、「メタルバース」に取り組まれた理由をお聞かせください。

ワタクシ自身が、小さい頃から「ファミコン禁止」の家庭で育った“究極のアナログ人間”だったことも背景にはありました。そんなあえてのワタクシだからこそ、“アナログな趣向な方”にも楽しんでいただけるデジタル世界が作れるのではないか」という思いが、「メタルバース」の構築への挑戦を後押ししました。

発売から10年ほどしか経っていないiPhoneや、YouTubeやSpotifyといったWebサービスが、短期間で生活に根付いた背景には、多くの人が「使いやすさ」を感じたことが大きかったのではないかと、ワタクシは感じていて。もしかすると、今後は一見難しそうに見える「デジタルワールド」の概念が出てくるかもしれませんが、「幅広い世代の皆さんに楽しんでいただけるデジタル世界」を作ることを大切にしながら、ストーリーを展開していきたいと思っています。

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