10 BABYMETAL BUDOKAN Ⅵ | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日2月20日は、2020年、イギリス・カーディフ公演@The Great Hallが行われ、2021年には10 BABYMETAL BUDOKAN -DOOMSDAY-Ⅵが行われた日DEATH。

<2021年2月20日10 BABYMETAL BUDOKAN -DOOMSDAY-Ⅵセットリスト>

01.BABYMETAL DEATH(インストver.)
02.イジメ、ダメ、ゼッタイ
03.ギミチョコ!!
04.ド・キ・ド・キ☆モーニング
05.おねだり大作戦
06.紅月-アカツキ-(新アレンジ)
07.Distorition
08.PAPAYA!!
09.メギツネ
10.KARATE
11.ヘドバンギャー!!
12.THE ONE
13.Road of Resistance
神バンド: ISAO(南西G)BOH(北西B)青山秀樹(北東D)大村孝佳(南東G)
アベンジャー:岡崎百々子
サポートダンサー:丸山未那子、佃井皆美(推定)、BABYBONE4名、合計6名

本日は、これまでより早く、開場15:30・開演17:00というタイムライン。
土曜日だったことと、本日中に撤収するスケジュールによるものと思われる。
日本武道館では、23日(火・祝)に神戸出身の4人組ロックバンド、フレデリックの「FREDERHYTHM ARENA 2021」が予定通り開催される。
バンドの公式サイトによれば、この決定は2月9日に発表されているから、1月19-20日に「緊急事態宣言」下でも、BABYMETALが10 BABYMETAL BUDOKANを敢行したことが、音楽業界で先行事例のひとつになっているのだと推測される。最大5000人、一つ置きの座席、声を出せないという制限はありつつも、その気になればライブは開催できるのだ。

Ⅴ・Ⅵのハイライトは、「BABYMETAL DEATH」(インストVer.)からの「イジメ、ダメ、ゼッタイ」というオープニング、「紙芝居」をはさんだ「おねだり大作戦」~「紅月-アカツキ-」(+Unfinishedアレンジ)の流れが、古参メイトの感涙、号泣を誘ったことだろう。
終演後のツイッターやブログのコメントを追っていくと、2012年~2018年の思い出がつづられ、「感動した!!」というものが圧倒的に多かった。
昨日は実態がわからなかったが、インストVer.とはいえ「BABYMETAL DEATH」は、7月21日    Legendコルセット祭り昼の部@目黒鹿鳴館でショートVer.が初披露されて以来、BABYMETALの不動のオープニング曲であり、2017年12月3日のLegend-S-洗礼の儀@広島GAを最後に、封印されていた。
それは「SU-METAL DEATH」「YUIMETAL DEATH」「MOAMETAL DEATH」という自己紹介ができなくなったことと、YUI在籍時代を思い出させる心理的な抵抗もあったからではないかと思う。
それは「イジメ、ダメ、ゼッタイ」にも言える。
この曲も、2017年12月3日のLegend-S-洗礼の儀@広島GA でのYUI欠場によるMOAの一人疾走以来、長らく封印されてきた。
もともとこの曲は、デビュー直後の2011年8月7日のお台場合衆国@フジテレビ本社前で初披露され、その後もたびたび披露されていたが、映像化はされず、2013年1月9日のメジャーデビューまで温められていた。
当時SU-METALは「この曲が一番好き」と発言しており、メジャーデビュー後、2015年までBABYMETALのライブの不動のフィニッシュ曲だった。
それを封印したのだから、メンバーにとっても、ファンにとっても、意識下に抑圧しておかねばならない気分があった。
2020年1月26日、Legend METAL GALAXY@幕張メッセ二日目で、アベンジャー全員とMOAが疾走することで「イジメ、ダメ、ゼッタイ」は封印を解かれた。あのとき、会場の後方にいたぼくは、アンコールの中、KOBAMETALがミキサーブースに登って、これから起こるファンの反応を見つめていたことを覚えている。
こうして「イジメ、ダメ、ゼッタイ」は封印を解かれ、武漢ウイルス禍に翻弄された2020年の締めくくり、12月31日のNHK紅白歌合戦初出場では、BABYMETALの代表曲として生披露された。
そして、2021年2月19-20日、10 BABYMETAL BUDOKANⅤ・Ⅵでは、オープニングで「BABYMETAL DEATH」をインストVer.として蘇らせ、2曲目「イジメ、ダメ、ゼッタイ」につなげることで、鮮やかに「あの頃」を再現してみせたのだ。


よく考えてみれば、BABYMETALの10年を振り返る10 BABYMETAL BUDOKANで、封印された曲があってはならない。封印とは歴史の隠蔽に他ならないからだ。
「おねだり大作戦」~「紅月-アカツキ-」の流れも、「あの頃」のものだ。
「おねだり大作戦」は、2012年10月6日Legend "I"@Shibuya O-EASTで初披露され、少女の欲望とアイドルのブラックな側面をオーバーラップさせ、それをLimp Bizkit風のラップメタルに乗せた名曲である。
とびきりKawaiiYUIとMOAが、骨パーカーを着てタオルを振り回す姿は、まさにBLACK BABYMETALだった。
だがこの曲も、2016年9月20日東京ドームBlack Nightを最後に封印されていた。
一方、2012年10月6日Legend "I"で、「おねだり大作戦」のあと、巨大勢力アイドルにたぶらかされて暗黒面に落ちたYUIとMOAを救い出すという「紙芝居」からのSU-METALソロ「紅月-アカツキ-」は、東京ドーム後も2017年7月19日5大キツネ祭り-赤キツネ祭り-@赤坂Blitz、2017年9月27日巨大キツネ祭り@さいたまスーパーアリーナ、同10月15日巨大キツネ祭り@大阪城ホール、2017年12月2-3日Legend-S-洗礼の儀@広島GAと演奏され続け、さらにはDarksideに突入した2018年5月8日ミズーリ州カンザスシティ公演@Uptown Theater~同年10月31日World Tour 2018 JapanTour@神戸ワールド記念ホールまで、演奏され続けた。
そして、その際、SU-METALの内面の葛藤を表現するダンサーは、マッスル姉さんこと、丸山未那子(ELEVENPLAY所属)、佃井皆美(ジャパンアクションエンタープライズ所属)の二人だった。
大柄な二人が、「気」を放ちながら、回し蹴り、突き、手刀で戦う本格的な殺陣は、DarksideのBABYMETALに新たな魅力を加え、欧米人を驚愕させた。
こういう歴史の封印を解いたのが、今回の10 BABYMETAL BUDOKANⅤ・Ⅵだった。
「おねだり大作戦」は、MOAと4人のダンサー(BABYBONE)によるもので、この4人が誰かはわかっていない。さくら学院の現役メンバーなのか、それとも@onefiveだったりして。
そして「紅月-アカツキ-」には、公表こそされていないが、大柄な二人のダンサーが加わっていた。
あるコメントによれば、「マッスル姉さんの回し蹴りは6回」だったそうだ。それで十分だろう。


「BABYMETAL DEATH」~「イジメ、ダメ、ゼッタイ」、「おねだり大作戦」~「紅月-アカツキ-」は、YUIMETAL在籍時代への感傷を吹き飛ばし、2018年のDarksideも歴史の1ページとして昇華させたセトリだったと言える。
だからこそ、古参ファン、BABYMETALの歴史を知る者ほど、感動し、号泣してしまったのだ。
フィニッシュ曲の「Road of Resistance」の曲中、SU-METALは、「この一瞬一瞬が私たちにとって宝物です。みなさん、今日は来てくれてありがとう!」と叫んだ。
歴史は一瞬一瞬の積み重ねである。2021年2月19-20日、「緊急事態宣言」下での10BABYMETAL BUDOKANもまた、新たな歴史の1ページなのであり、参加者もまた、その歴史の登場人物になったのだ。
最後の「We are?」「BABYMETAL!」のC&Rでは、BOH神がベースを下に置き、「お琴」のように弾いていたところ、百々子が弦をベシベシ叩き、そこにMOAもSU-もニコニコ顔で加わったというほっこりシーンが見られた。これもまた、歴史の1ページDEATHね。