ライブレポート10 BABYMETAL BUDOKAN-Ⅰ(続) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日1月20日は、2012年、雑誌『SWITCH』で、元MEGADETHのギタリスト、マーティ・フリードマンとの対談が掲載され、『Kawaii girl Japan』に初登場、そして2021年、二度目の「緊急事態宣言」下、10 BABYMETAL BUDOKAN-Ⅱ@日本武道館が行われる日DEATH。


 

Ⅰの続き。
7曲目、「♪キーツーネー、キーツーネー、私はメーギツネー…」というSU-のアカペラから、低音弦を用いたC#mのリフが繰り返される中、3人がそれぞれのポジションから中央ステージに登ってくる。この曲の正面は東。和楽器の「♪カラリンコン…」という響きに合わせて、MOAとMOMOKOが狛ギツネポーズをとる。そしてキツネサインをぐるりと観客に突き刺すと、ぴょんと飛んだ。
そこからはいつもの、「ソレ!ソレ!ソレ!ソレソレソレソレ!」で、声を出せない観客も一斉にジャンプする。アウェイな海外のステージでも、この曲は常に観客を熱狂に巻き込んできた。それが今日も炸裂していた。
間奏部。SU-の煽りは、「ぶどうかーん!」の後、「How are your feeling? On the count of Three,let’s jump up with us! Are you ready? A—re Y—ou Read---y?」からの「One,Two,123,Jump!」というもので、その瞬間、日本武道館が5000人の観客のジャンプで揺れた。
場内の照明が青く変わり、機械のうなりのようなSEが鳴り響く。8曲目「KARTE」である。
きれいに腕を斜めにそろえた3人が、「♪…ストン」というイントロのドラムが入り、正拳突きのポーズに入る瞬間は、完全にタイミングが一致し、鳥肌が立った。しばらく前から3人のアベンジャーではなく、岡崎百々子がBABYMETALの固定メンバーとなっている。いくつかのインタビューで、MOAはそれぞれ個性が異なるダンサーに合わせつつ、BABYMETALらしさを譲らないと述べている。ここへきて岡崎百々子とのコンビネーションはほぼ完成しているといっていいだろう。
間奏部。3人が倒れ込むシーンでは、岡崎百々子が床を叩いていた。それは、BABYMETALの一員としての自分のスキルに自信が持てず、悔しがった経験を再現しているのかもしれない。ライブさえあれば、その努力は報われている。ぼくらメイトがちゃんと見ているからだ。
最後の「握りこぶしをキツネサインに変えて高く掲げ、そっと胸にしまう」シーンは、現在の象徴でもあり、BABYMETAL魂そのものの表現であった。
悲し気なシンフォニーのインターリュードが流れる。
中央ステージがせり上がり、レーザー投影により、3人が「雲の上」にいるようなシーンとなる。
9曲目「Starlight」である。
1月19日は、1981年、小神様こと藤岡幹大氏の誕生日だった。だから、セトリにこの曲か「No Rain No Rainbow」が入るのは当然だった。
曲が始まると、1F席と2F席の間に、彗星のようなレーザー光が走った。
Djent的なパワーメタルとはいえ、合いの手が入る曲ではなく、本当はみんなで「ラララーラーラーラーラ…」と歌いたいのだが、今回、観客は声を出すことができない。ここはみんなでキツネサインを高く掲げるだけでいいと思う。
感動的な曲終わりのあと、八角スクリーンには、SU-のブーツや、かつての目黒鹿鳴館や日本武道館の映像が白黒で映し出された。そこには後姿のYUIも映っていた。パイプオルガンと女声コーラスによる宗教的なイントロはフルバージョン。雷鳴がとどろくと、ハープシコードの伴奏で「♪伝説の黒髪を華麗に乱し…」とSU-が歌い出す。10曲目「ヘドバンギャー!!」である。
観客は、リズムに合わせてヘドバンを繰り返す。だが、「♪上手」「♪下手」には、がまんできずに「こいやー!」「からの!」と声を上げた。
そして、「♪いーちごのよーるを」のところでは、「トイ!」と叫び、万歳ジャンプをした。声が出せなくても、初期BABYMETALの曲は盛り上がることができるのだ。
間奏部の「ヘドバン地獄」は短めだった。ここはCO2の放出が見たかったが、客席との距離があるのでしかたない。
どよめきが収まらない客席に、「BABYMETAL、チャッチャッ、チャチャチャ」というSEが入る。客が声を出せないので、SEで流しているのだ。だが、これは音質が悪く、かつどうも人数が少ないので、わざとらしく聴こえる。
そうこうしているうちに、法螺貝や雄たけびの戦国SEが流れ、3人がBABYMETALフラッグをもって登場した。
11曲目「Road of Resistance」である。
MOAのKawaiくも鋭い「1234!」の掛け声で曲が始まる。この曲も全周ステージのため、「正面」位置を目まぐるしく変える振り付けになっていた。
観客は「Death!」「Death!」と叫びたいのだがそれができないため、タイミングを合わせて握りこぶしを突き上げるしかない。だが、「♪ウォウォーウォーウォウォー、心の奥に」のところではちゃんとキツネサインをパクパクさせて3人とシンクロした。
間奏部のシンガロングでは、観客が握りこぶしを突き上げ、我慢できない人が「ウォーウォーウォーウォー」と歌う中、3人がステージ外周部をぐるりと巡った。
そしてSU-は「今日は来てくれてありがとう!!!」と叫んだ。そのときのSU-は、とろけるような笑みを浮かべていた。
「♪いのちが続く限り、決して背を向けたりはしない…そうぼくらの未来On the way」の後は、「ぶどうかーん!」。
特効が爆発しいったんライブは終了したかに思えた。
だが、暗転の中、また「「BABYMETAL、チャッチャッ、チャチャチャ」というSEが流れ、観客は手拍子で応えた。約5分間この状態が続き、Wembley Arena公演と同じ、壮大なプレリュードが流れ、音源通りの「THE ONE」が始まった。
3人は金色のガウンを着て、中央ステージ最上段に降臨していた。
そして上部のスクリーンには、横アリ、広島などのこの曲の名場面が映し出された。10年間を振り返る10 BABYMETAL BUDOKANのテーマがよくわかった。
本当なら「ララララー…」と歌いたいし、SU-も「Singi it!」と叫びたいのだろうが、声が出せないので仕方ない。握りこぶし、BBYMETALタオル、THE ONEタオルなどを思い思いに振り、精一杯3人に心を伝えた。
そしてファイナルは、NHK紅白歌合戦でも披露した「イジメ、ダメ、ゼッタイ」だった。
イントロのSU-の語りは、「数々の困難にあってもBABYMETALは決してあきらめなかった。STAY METAL。METAL RESISTANCE最終章の戦いに終止符を打つ。かけがえのない仲間と共に。」といった内容で、この曲に込めた想いを感じた。
「♪ルルルー、ルルルー」とSU-が歌い出すと、西側にMOMOKO、東側にMOAがクラウチングスタートの構えをとっているのが見えた。そして、ズクズクズク…とギターのリフが始まり、「♪あー」と叫ぶと、MOAとMOMOKOは外周部を走って、中央ステージに合流。
あまりにも短かった紅白とは違って、1番のあとの偽闘、2番のあとの3人が指を合わせるシーン、そこからの偽闘と、ツインギターのせめぎ合いが堪能でき、絶望と希望の戦いで、最後に希望が打ち克つこの曲の壮大なテーマが見事に再現された。
曲終わり、「We are?」「BABYMETAL」のC&Rでは、さすがに観客も声を出し、ステージ外周部を巡りながら笑顔を見せる3人に声援を送った。
19:55。

レギュレーションどおり8時前にはライブが終了した。
Ⅱのライブレポートは、本日深夜にアップ予定。