祝!10周年!/リアリティの条件(終) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日11月28日は、2010年、第1回さくら学院祭@横浜赤レンガ倉庫が行われ、BABYMETALが重音部としてデビューした日DEATH。

LEGEND METAL GALAXYから、切りのいい2020年10月10日がBABYMETAL10周年記念とされてきたが、BABYMETALがさくら学院重音部として、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」を初披露したのは、2010年11月28日であった。
したがって、本来、11月28日こそ、BABYMETALの結成日である。
そして、幕張メッセで予告された10月10日には結局大規模ライブを行うことはできなかったが、10周年の今日、メイトは、12月12日(土)のオンラインライブ「STAY METAL STAY ROCK-MAY-KAN」、12月23日のベストアルバム『10 BABYMETAL YEARS』のリリース、そして大晦日のNHK紅白歌合戦への登場を心待ちにしているという状況である。
何はともあれ、めでたい。
世の中は、マスメディアが演出するパンデミックの幻影に、またも不穏な雰囲気になっているが、感染対策の徹底で、インフルエンザの患者数は激減し、日本は、以前にも増して「清潔」になっている。
11月27日現在、厚労省発表では、現在、武漢ウイルスで「入院治療等を要する者」は19,227人、うち重症者は435人。つまり99.7%の「陽性者」は無症状ないし軽症である。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15128.html
一方、インフルエンザの「入院患者数」は、2020-21年シーズン第47週で、わずか27人。

https://www.mhlw.go.jp/content/000698504.pdf
昨年2019-20年シーズンの第47週(2019年11月22日付)では914人だったから、実に97%も減っている。

https://www.mhlw.go.jp/content/000572889.pdf

これほど簡単に、誰でもアクセスできる公開データがあるのに、「新型コロナの感染拡大で、日本は危機的状況である」とか、「Go Toキャンペーンをやめろ」とか、緊急事態宣言が必要だと言う奴は、阿呆か、危機感を煽ることで利権を得ている人物であるとしか思えない。
つまり、マスメディアは不安を煽っているが、国民の健康面に関しては、日本はまことに天晴な状況なのである。
だから、今日、ぼくらメイトはBABYMETAL10周年を心から祝ってよい。
おめでとう、BABYMETAL!ありがとうBABYMETAL!

BABYMETALが、海外で日本音楽史上最高の活躍をしていることや、苦境を乗り越えたSU-METALとMOAMETAL、アベンジャーの3人、東西の神バンド、そしてチームを支えるスタッフたちが、日々過酷な努力をして、観客を感動させ続けていることに、感情的な意味でのリアリティを感じているのは、正直言ってぼくらメイトだけである。
大多数の日本人は、BABYMETALを知らない。


それはいったいなぜなのか。
結論から言えば、ウソをリアリティに転嫁するプロであるマスメディアに乗らないからだ。
本連載(4)で述べたように、テレビを筆頭とするマスメディアは、公正中立を装いながら、演出意図のためには平気で「切り取り」や「ヤラセ」や世論誘導・情報操作をやってきた。
筒井康隆が、「おれに関する噂」(1978年)でシニカルに描いたように、ある事件が報道に値するニュースかどうかの決定権は、マスメディア側にある。マスメディアが視聴率を稼げると思えば、市井の一般人の日常生活を夜討ち朝駆けで取材し、ニュースに仕立て上げ、世間の話題の中心にすることもできるのだ。
あるいは、特定のディレクターが局内で決定権のあるポジションにいれば、その主義主張に沿った「ドキュメンタリー」を公共放送の枠内で制作し放送することもできる。
新聞なら、偏った主義主張でも法的な縛りはないが、テレビには「放送法」という規制があり、その第4条には、政治的な中立性を保ち、事実を曲げてはならないという明確な条文がある。

―引用―
放送法第4条-1(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条  放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
―引用終わり―

だが、日本では、新聞社がテレビ局に資本参加する「クロスオーナーシップ」があり、実際にニュースショーでは、その新聞社の意向に沿った演出と、系列新聞社の論説委員が「解説」するという事態がまかり通っている。こんなのは欧米先進国ではあり得ない。
問題は、日本国民が長い間、新聞もテレビも、「ウソは言わない」と信じ切っていたことだ。
ぼくの子どもの頃には「新聞に載った」とか、「テレビで流れた」ことは、真実偽りのない証拠であった。


幸い、インターネットの発達によって、現在、ネット民には、マスメディアを「マスゴミ」と言うほど、テレビの報道がひどいシロモノであることは知れ渡ったが、それはぼくらが思うほど多数派ではない。
ハッキリ言えば、ネット民からする「情弱」の人の方が、ネットに常時接続している人より多いし、ネットに習熟している若い世代もまた、社会や会社で、「情弱」の先輩や上司が「マスゴミ」に影響された意見を言えば従わざるを得ない。というか「それがオトナの考えなのだ」と思い込んでしまうことも多い。
リアリティの競合ないし分裂という事態は、こういう視聴メディアのパーソナル化を基盤として、依然マスメディア優勢のまま、現在進行しているのである。
アメリカでバイデン候補が優勢なのも、職場でBABYMETALを知らない人が多いのも、実は同じ事態を表している。
だから、BABYMETALのリアリティを日本国民の多くが共有するようになるには、「ウソの牙城」であるテレビに、どんどん出演すればいいのだ。どんな「情弱」でも初期のモーニング娘。や初期のAKB48や乃木坂46は知っているように、BABYMETALもバラエティ番組に出れば、国民の多くが彼女たちを知ることになるだろう。
だがしかし。
テレビに出ることが、果たして長期的に見た場合、BABYMETALにとって本当にプラスになるのか。
坂本九以来53年ぶりにビルボード200のトップ40にランクインし、東京ドームに11万人を集めた2016年ですら、BABYMETALはNHK紅白歌合戦に出場しなかった。しなかったのか、呼ばれなかったのか、どんな力学が働いたのかは、ぼくは「中の人」ではないから知らない。
だがそれ以降、「紅白なんか出なくてもいい」というのは、メイトの共通認識になっていた。
収録前後の拘束日数が長いこととか、大物女性演歌歌手の後ろでボンボンを振って「応援」しなければならないとか、偏向報道しているとか、さまざまな理由があったが、いずれにしても「紅白に出ない方が大物ロックバンドらしい」というプライドと一抹の寂しさの中に、この数年間、メイトは置かれてきた。
ところがここへきて、無観客収録という紅白史上初の事態の中で、BABYMETAL出場が発表された。
メイトはこれをどう受け取ればいいのか。
ぼくの考えでは、国内でのBABYMETALは、アミューズ所属の先輩アーティストであるサザン・オールスターズのスタンスでいいと思う。
呼ばれれば喜んで出るし、ライブスケジュールと重なれば、出ない。
数年に一度、思い出したようにNHK紅白歌合戦に出て、お茶の間の「情弱」の方々にも、激しくKawaii楽曲を披露し「何じゃこりゃ?」という刺激を与える。そうして何十年も過ぎれば、BABYMETALは国民のだれもが知っている存在になるだろう。
間違っても、一時期バラエティ番組やCMに出まくって、「消費」されてほしくはない。
日本国民の多くが、かつて毎日のようにテレビに出ていたAKB48やモーニング娘。を知ってはいるが、実は、国民のイメージの中にある当時のメンバーはもう誰もいない。
NHK紅白歌合戦に出場することを、代々木公園での路上ライブ以来の目標としていたももクロは、2015年の男祭りを巡って、大宰府市の「市民団体」に抗議されたことを公表されない理由として、紅白に「落選」し、逆に「紅白卒業宣言」をした。
このような激しい浮沈は、できれば避けたい。


テレビ局のディレクターは、とりあえず番組が盛り上がればいいので、“旬”のタレントを使うだけであり、長期的に育てる意向など、さらさらない。その意味で、人生を賭けた音楽活動をやるアーティストがテレビに過度に露出するのは危険である。
BABYMETALはあくまでもライブバンドであり、観客・ファンに生でパフォーマンスを見せるライブスケジュールがすべてに優先し、テレビ出演は最低限でよいというスタンスを保持した方がいい。
そうなると、自分で「リアル」を確認しようとせず、ウソでもマスメディアの流す情報にリアリティを感じてしまう日本国民が、限定的にしかテレビ出演しないBABYMETALの「凄さ」のリアリティを共有するのは、かなり先のことになる。
だが、それこそ、「今」のことしか考えないマスメディアに対する、最も有効な「戦い方」であるとぼくは考える。数年に一度リリースするアルバムはベスト3に入り、ライブ動員数は日本有数なのに、テレビには「つかず離れず」の距離感を保つ。こういうスペシャルな存在になることが、BABYMETALの長期戦略になるのではないか。
要するに、NHK紅白歌合戦の初出場者インタビューで、SU-とMOAが語ったように、BABYMETALはライブ活動がメインであり、マスメディア向けには「メタルの力をお茶の間に届ける」「ライブを見に来てくださる方が増えるように」「歴史ある番組に出演させてもらえるのを光栄に思う」と言っておけば間違いないのだ。
今日をスタートとして、BABYMETALは「次の10年」への歩みを始める。
どんな試練が待ち受けていようと、BABYMETALは前進を続ける。
ぼくら、BABYMETALにリアリティを感じる味方と共に。
(この項、終わり)