BABYMETALの哲学(終) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日11月17日は、2019年、MGWT in Japan@SSA二日目が行われた日DEATH。

2020年3月初旬、ロシアから帰国したBABYMETALが直面したのは、「中国湖北省武漢市で発生した新型ウイルスの感染拡大を防ぐための活動自粛」だった。

汎ヨーロッパツアーに旅立つ直前の1月25-26日、BABYMETALは幕張メッセでのべ4万人におよぶライブ、LEGEND METAL GALAXYを行った。
当時、日本国内でも数名の「感染確認者」が出ていたし、2日前の1月23日に、中国共産党政権が武漢市を物理的に封鎖したことは大きく報じられていた。
だが、LEGEND METAL GALAXYが中止になることはなかった。ぼくは念のため両日とも黒いマスクを持参したが、会場でマスクをしている人は1割にも満たなかった。
ヨーロッパではさらに関心が低く、UKラウンドが始まる直前、ロンドンでマスクをしてバスに乗った女性が、「あなた中国人でしょ。子どもにうつったらどうするの。今すぐ降りなさい」と難詰される事件が起こっていた。マスクをした東洋人=「病院から逃げ出した新型ウイルス患者の中国人」という偏見がはびこるほど、イギリス人は武漢ウイルスそのものについても、公衆衛生上のマスクの効用についても無知だったわけだ。ヨーロッパの他の国でも同様の状況だったため、「感染者」が少数だった頃は何ら対策を講じず、3月上旬にイタリア、スペインなどがPCR検査をスクリーニング的に用いて「感染者」が大量発生し、武漢市と同じくロックダウンという政策をとった。それはイギリス、ドイツ、フランス、北欧などヨーロッパの主要国に瞬く間に広がっていった。だが、BABYMETALの汎ヨーロッパツアーは、その直前だったため、北欧~西欧~ロシアツアーが中止になることはなかった。武漢ウイルス発生当初、中国保健当局が「人から人へは感染しない」とアナウンスしていたこと、人から人への感染が判明した後では、中国政府が武漢市封鎖と団体旅行者の渡航禁止で感染拡大防止策をとっていることを根拠に、WHOのテドロス事務局長が、中国からの渡航制限をとるべきでないと声明したことにより、台湾やアメリカなどを除いて、ほとんどの国が「水際対策」で済むと考えていた。


だが、のちに判明したところでは、情報統制下にあったはずの武漢市民のうち、共産党関係者やその知り合いなどの口コミによって、500万人ともいわれる人々が、1月23日の夜明け前に武漢市を脱出していた。他人の迷惑など意に介さず、機を見るに敏であることは、中国人にとっては美徳である。
武漢市を脱出した人々は“春節”の帰省を含めて中国全土に拡散し、一部は海外へ渡航した。その中には、いわゆる無症状の「感染者」もいたはずである。
また、封鎖された武漢市では、「アテネの疫病」のような惨状が起こった。保健当局が適切な行動指針を出さなかったため、市民は高度医療機関に殺到した。そのため、たちまち医師不足、医療リソース不足に陥る「医療崩壊」が起こった。当局は、医師にすらSNSで状況を配信することを厳しく禁じたが、逆に市民は決死の覚悟で、病院の廊下や路上に死者が転がる「武漢地獄」の映像を全世界に配信した。
奇妙なのは、この病気が、インフルエンザのように発症して初めて「患者」になるのではなく、PCR検査で陽性反応が出るか出ないかで、「感染」が決まり、「感染者」を隔離する必要があるとされたことだった。
PCRとはポリメラーゼ・チェイン・リアクションの略で、鼻や喉に付着したウイルスのRNAを、試薬と温度調節によって増殖させ、それが新型コロナウイルスのRNAと一致するかどうかを見る検査方法である。
発症には至らない、ほんのわずかなウイルス量でもCT値と呼ばれる増殖率を高く取れば、「陽性」と判定される。CT値は、各国の保健当局や検査機関が恣意的に決めることができる。
また、PCR検査の精度は陽性を判定する「感度」と、陰性を判定する「特異度」によって決まり、100%の精度にはならないことも問題だった。本当は陰性なのに陽性と判定される「偽陽性」や、本当は陽性なのに陰性と判定される「偽陰性」が必ず存在する。さらに、鼻やのどから検体を採取する手順や、PCR検査機での判定方法にも、検査者の技量が要求された。
要するに、「発症していなくてもPCR検査で陽性を判定する」武漢ウイルスの初期診断方法は、発症してから原因を特定するインフルエンザなどとは全く違うものだった。
武漢ウイルスがのどや鼻に付着していても、80%の方は発症しないか、軽度の症状で完治することは、中国の臨床例からもわかっていた。本来、コロナウイルスと呼ばれる種類のウイルスは各国に土着しており、風邪の原因菌である。通常は自宅で療養し、人間の体に備わった免疫機能で完治する。
また、当初は「高齢者や肥満、喫煙者は重症化しやすい」とされていたが、実は、高齢・肥満・喫煙といったファクターではなく、「免疫抑制剤の服用などによって免疫機能が低下している」というファクターの方が重症化の相関性が高く、武漢ウイルスによる死者の年齢別パーセンテージは、「自然死」と同じカーブであることもわかった。
もちろん、武漢ウイルスは新型であり、その振る舞いには解明されていない部分があった。
だが、空気感染するインフルエンザに比べて、飛沫感染・接触感染のみの武漢ウイルスの感染力は低く、当初5-8%とされた致死率も、武漢市の例がむしろ異常なのであり、のちにWHOは2-3%と下方修正した。
PCR検査で陽性判定が出ても、直ちに発症しないなら隔離する必要もない。社会的に「共存」可能なウイルスであることは自明だった。
ところが、「武漢地獄」の映像や「未知の新型ウイルス」であることから、西側のマスメディアは、武漢ウイルスは「死病」だと騒ぎ立てた。
そして、毎日「感染者」の数を累積して報道し、多分に政権批判の文脈で、PCR検査体制の量的拡大や、医療崩壊の恐ろしさを訴えた。
とりわけ事態が大きく動いたのは、2月末に中国習近平政権が「収束」を宣言したとほぼ同時にWHOが「パンデミック」を宣言し、3月上旬にイタリアやスペインを皮切りに、ヨーロッパやアメリカで「感染拡大」が起こってからだった。


日本では、当初、専門家会議の方針に従ってPCR検査を抑制的に用いていたから、陽性判定者=「感染者」の数は少なく、死者の数も少なかった。
しかし、欧米では、WHOですら推奨していない「スクリーニング的PCR検査」を行い、毎日数千人~数万人の「新規感染者」をカウントしていた。
また、WHOが「武漢ウイルスによる死者」の定義を定めなかったため、「陽性判定者が死んだら武漢ウイルス死」「今年の肺炎による死者はすべて武漢ウイルス死」という死亡判定基準が現在もなおまかり通っている。イギリスでは、陽性判定者とされ、完治した後交通事故で亡くなった人も「武漢ウイルス死」とされていた例もあった。また、前述したようにPCR検査ではCT値を高くすれば、空中に浮遊する武漢ウイルスの死骸が1匹、検体に付着していても、「陽性」と判定することができる。例えばインフルエンザから肺炎を併発している患者が、武漢ウイルス専門病院に担ぎ込まれ、そこでの検体採取の際、武漢ウイルスが付着しても「武漢ウイルスによる肺炎」となり、重症化して死に至れば「武漢ウイルス死」になるのである。公的医療保険制度が完備していないアメリカでは、自宅で高齢者が亡くなるケースも多いが、肺炎の場合は検査もせずに「武漢肺炎」、肺炎以外の死因でも、死後のPCR検査で武漢ウイルスのRNAが付着していれば「武漢ウイルスによる死」としている。
その結果、アメリカでは20万人以上が亡くなったが、これは例年の肺炎もしくは呼吸器系疾患の死者数とほぼ同じなのである。その証拠に2020年に武漢ウイルス「以外」の肺炎もしくは呼吸器疾患の死者数は公表されていない。
武漢ウイルスという新型コロナウイルスは実在し、インフルエンザや風邪と同じく、高齢者または免疫機能が低下した人には、肺炎を併発する危険な病気である。
だが、それはインフルエンザや風邪以上でも以下でもない。
にも拘わらず、各国では中国と同じく都市を封鎖するロックダウンが行われ、経済活動や国民生活がストップした。日本では3月中旬に全国一斉の休校が行われ、4月には「緊急事態宣言」によって、国民は自粛を余儀なくされた。
いったいなぜ、風邪ウイルスの変異に過ぎない武漢ウイルスに、これほどの大騒ぎをしなければならなかったのか。
ぼくの考えでは、それには3つの原因がある。
一つは2020年1月~2月の「武漢市の地獄」の映像があまりにも強烈で、中国共産党政権への不信・不安によって「死病」イメージが増幅されたためである。マスメディアは連日、「専門家」や「識者」を登場させ、「危険が迫っている」と報道し続けて視聴率を稼いだ。
もうひとつは、PCR検査をはじめとして、医薬品、医療機器メーカーなど、武漢ウイルス禍を「特需」とした医療マフィアの利権になってしまったこと。PCR検査は、武漢ウイルス禍を抑制する決め手ではなく、むしろ「感染者」を拡大し、無症状や軽症でも「隔離」することにより医療崩壊を起こす元凶である。にもかかわらず、PCR検査数は増大し、今や全世界で8000万件以上行われている。単価を日本円で2万円とすると1兆6000億円の一大産業である。リモートワークを推進するIT業界も怪しい。
そして3番目は、武漢ウイルス「感染拡大」の責任を、日本の安倍政権、アメリカのトランプ政権などに押しつける政治闘争の道具になったことだ。
幸い日本では武漢ウイルス禍を抑え込んだため安倍政権は揺るがなかったが、アメリカではトランプ政権下の好景気や失業率の改善はすべて吹き飛んでしまった。
この3つは、よく考えれば、武漢ウイルスそのものの本質とは全く関係ない。
風邪やインフルエンザと同程度の社会的リスクなら、流行期には手洗い・うがい・消毒を徹底し、人前ではマスクをすればいいだけだ。ロックダウンやスポーツ・ライブ・イベントの禁止、渡航禁止など必要ない。2019年までの通りでいいのだ。
2020年、BABYMETALとぼくら一般庶民は、マスメディアや医療マフィアや政権打倒を目論む政治家たちによって、その無用なことを強いられたのである。
これが、ぼくの武漢ウイルス禍の総括である。
現在、また「第三波」とか言って、マスメディアは「感染拡大」を連日報道しているが、ハッキリ言おう。
あれは、単なる風邪をカウントしているに過ぎない。2020年に風邪にかかった人をカウントすれば、全世界で5千数百万人になるのは当然だし、肺炎で亡くなった人をカウントすれば130万人を超えるのは当たり前である。
だが、PCR検査への疑問や、死亡基準のあいまいさに対する疑義は、マスメディアではタブーのようだ。
わが国の菅政権が、マスメディアの言う「第三波」にも拘らず、Go To政策を見直すつもりはさらさらないようで、非常に頼もしいが、もっと要望するなら、武漢ウイルス禍で注目すべきインディケータは武漢ウイルスを主要因とする重症者数だけであり、陽性判定を「感染者」と言い換えるマスメディアの悪癖を是正するよう国内および国際世論をリードすべきだと思う。

さて、武漢ウイルス禍中、BABYMETALがやったことは、以下のとおり。
4月10日-11日…STAYMETAL『東京ドームRED NIGHT&BLACKNIGHT』(YouTubeプレミア公開)
4月12日…『LEGEND METALGALAXY初日』(WOWOW)
5月1日…YouTube STAYHOME『Live at Wembley』(YouTubeプレミア公開)
5月17日…LEGEND METALGALAXY2日目』(WOWOW)
5月21日…『Live at the Forum』BD/DVD    オリコン6作連続1位
7月29日…コリィテイラーのMV「CMFT Must Be Stopped」に出演。
7月31日、8月3日…『Legend-M-』ライブビューイング(全国52映画館)
8月4日…Spotifyのフォロワー数60万人、YouTube公式登録数170万人を超える。    
8月21日…ゲーム『World of Warcraft』に「MOA Arkadia」と「SU Zettai」のキャラクター登場。
9月9日…『第1回ベビネットDADADA』(YouTube)
9月10日…『Legend METAL GALAXY Japan Premire』(全国52映画館)
10月10日…10周年記念ベストアルバム『10 BABYMETAL YEARS』リリース発表および関連オンラインイベント開催発表。YouTubeで、3人の著名ベビメタファンによる『ホネトーク』の歴史振り返り映像が連続アップされる。


10月24日…NHK-Worldの番組『Songs of Tokyo Festival 2020』に出演。
10月30日…『第2回ベビネットDADADA    』(YouTube)
10月30日…MTV VMAJ 2020で『METAL GALAXY』が「Best Album of the Year」を受賞。
10月30日…BABYMETALがコラボ参加したBring Me The Horizonの楽曲「King Slayer」がリリース。
11月16日…NHK紅白歌合戦2020に初出演決定。2021年日本武道館10公演発表。
確かに、予告されていた10月10日のMETAL RESISTNACE Episode Xは、確たるアナウンスもないまま反故にされたし、SU-METALとMOAMETAL本人が、他のアーティストのようにSNSでファンの前に現れることはなかったが、こうして見てみると、大物アーティストとして、ちゃんと存在感を示していたことがわかる。
2020年3月以降、Knot Fest Japan 2020、タイ、マレーシア、インドネシア、台湾、フィリピンPulp Summer Festivalを含む東南アジアツアーや、未知のポーランド、スペインでの単独ライブ、ドイツ、フランス、スイス、イギリスで出演予定だったメタルフェスは、すべて中止もしくは延期になった。
そのファイナルとして、METAL RESISTNACE Episode Xで、10年間の集大成であり、新たな出発でもある大規模ライブを行うはずだったのもキャンセルされた。
そのことに、2019年に新たなBABYMETAL像を提示して進撃を再開したばかりのSU-METALとMOAMETALは、燃えるような憤りを感じていたに違いないのだ。
『別冊No.830』で、2人はこう言っている。
(BABYMETAL及びSU-METAL、MOAMETALという存在が大きくなっていくことに重圧を感じないかという質問に対して)
SU-「私自身プレッシャーはそれほど感じないし、そんなに緊張するタイプでもないんですけど、でも大人になっていくにつれて怖いことは増えていくし、大丈夫かなって不安になることはありますね。(後略)」
MOA「まず私は、BABYMETALがそんなには知られてないと思ってますから(笑)。なので、そういうしんどさはないかな。(中略)一番初期の段階で掲げていた“世界征服”っていうものはまだ実現できていないと思うので、それができない限り、たぶんプレッシャーは感じないんじゃないですかね。世界征服ができて初めて感じるものなんだと思います(笑)」(同書、P.169)
(コロナウイルスとMETAL RESISTANCE第10章について)
SU-「今後どうなるかまだわからないんですけど、BABYMETALにできることは何なのかを見せ続けていきたいなと思ってるし、今こうして課せられているハードルも、今後のためにとても大切なものなんじゃないかなって思っているんですね。なので、ここを乗り越えて、皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。」
MOA「なかなか思うように活動ができない状況にあったりして残念だな、悲しいなって感じることもあるんですけど、でもやっぱり今は健康が第一というか、みんなが元気でいることが一番だと思うので。あとは、これまで応援してくれた人たちをはじめ、この期間中に音楽に支えられた人も多いはずなので、そこでBABYMETALに出逢ってくれた人とかも含めて、みんなで一緒にまた会えた時には感謝をしっかり伝えて、楽しい環境を創れたらいいなって思ってます。」
不条理、理不尽な「作られたパンデミック」の渦中にあって、ぼくらはBABYMETALのことを片時も忘れなかった。ファンが直接コミュニケートできるSNS上の生配信ではなく、もう何度も見たデロリアン映像であっても、BABYMETALがWOWOWやYouTubeのプレミア配信で流れる瞬間に立ち会えるのは嬉しかった。『LEGEND-M-』や、『LEGEND METAL GALAXY』が映画館で上映されたときは、仕事を早めに切り上げて観に行った。
そんな”会えないBABYMETAL“への想いが、このインタビューで報われた。SU-もMOAも、ぼくらファンや観客のことを想い続けてくれていたのだ。
そして、待たされ続けたあげく、MTV Japanでは『METAL GALAXY』がベストアルバムに選出され、ライブ出演も決まった。
さらに、10年間待望し続けたNHK紅白歌合戦への初出演も発表された。
アイドルらしいといえばそれまでだが、彼女たちは、コロナ禍で“会えない”ぼくらメイトのことを想い続け、その結果、BABYMETAL史上、またもやファンの期待以上の“斜め上”の輝かしい一幕を見せてくれた。
「会いに行けないアイドル」だからこそ、会えない時間には、より絆が強まる―。
それがBABYMETALというアイドル/アーティストの特質である。
今後のBABYMETALは、MTV VMAJ 2020 -THE LIVE-放送に出演し、まだ詳細は発表されていないが、12月23日に予定されている有料オンラインライブや、12月23日の『10 BABYMETAL YEARS』リリース、12月31日のNHK紅白歌合戦2020、来年1月10日に行われるKnot Fest Japan、日本武道館10公演といったように、いよいよぼくらファンの前に生身の姿を現す。

それが、武漢ウイルス「第三波」で再びかき乱されないことを心より祈る。
(この項終わり)