10年のキセキ(129) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日9月26日は、2015年、HTB北海道TV「イチオシ! モーニング」に出演し、2017年には巨大キツネ祭り @さいたまスーパーアリーナ初日が行われた日DEATH。



昨日も追記でお伝えしましたが、「海外の噂」だったNHK-Worldの「Songs of Tokyo Festival 2020」が実際に行われ、BABYMETALの出演が決まったことが、公式ツイッターで発表されました。
現在はNHKのSongs of Tokyoのサイトにも掲載されています。
ラインナップされている出演アーティストは以下のとおり。
蒼井翔太、BABYMETAL、BanG Dream!(Poppin'Party、Roselia、RAISE A SUILEN)、Foorin(team E)、日向坂46、布袋寅泰、HYDE、THE IDOLM@STEの8組。
放送時間は、
Part1⇒10/24 前8:10~8:58、14:10~、19:10~、26:10~
Part2⇒10/25 前8:10~8:58、14:10~、19:10~、26:10~
Part3⇒10/31 前8:10~8:58、14:10~、19:10~、26:10~
Part4⇒11/ 1 前8:10~8:58、14:10~、19:10~、26:10~
のいずれかで、決まり次第発表されるとのこと。
アニメ声優、ゲーム(バンド系、アイドル系)、米津玄師プロデュースの小中学生ユニット、アイドル、ジャパニーズロック代表というラインナップで、BABYMETALは、アイドル枠とメタル枠の両方を兼務という位置づけですね。
アイドル枠としては日向坂46との初共演ですし、ももいろクローバーZの「サラバ、愛しき悲しみたちよ」のギターを担当した布袋寅泰、L’Arc en CielのボーカリストHYDEとも同じステージを踏むことになります。
おそらく無観客のスタジオ収録だとは思いますが、わざわざPart1~4に分けられており、バンドリは3ユニット出るようなので、1曲披露して終わりではなく、本当の「フェス」のように、各アーティストの持ち時間はある程度確保されるという希望的観測をしていいと思います。
10月10日に予定されていたMetal Resistance Episode Xがどうなるかはともかく、久々のBABYMETALの活動再開に、心躍らないメイトはいないですよね。

2020年3月1日(日本時間3月2日)。
METAL GALAXY WORLD TOUR 2020ファイナルとなるモスクワ公演が行われた。
Adrenaline Stadiumは収容人員8,500人と、今ツアー最大の大会場。SOLD OUTはつかなかったが、開演前の会場を見渡すと広いピットは後方までぎゅうぎゅう詰めで、二階席には空席があるが、ほぼ満席の状態だった。
セットリストは以下のとおり。
1.FUTURE METAL
2.DA DA DANCE
3.ギミチョコ!!
4.Shanti Shanti Shanti
5.BxMxC
6.神バンドソロ~Kagerou
7.Oh! MAJINAI
8.メギツネ
9.PA PA YA!!
10.Distortion
11.KARATE
12.ヘドバンギャー!!
13.Road of Resistance
アベンジャー:岡崎百々子
神バンド:Chris Kelly(G)、Clinton Tustin(B)、Anthony Barone(D)、C.J. Masciantonio(G)

この日モスクワの気温は-3℃~5℃。極寒のAdrenaline Stadiumの前に、長時間待たされ続けた観客は、大スクリーンでモノクロの「FUTURE METAL」が始まると8,500人の地鳴りのような大歓声が湧きあがった。
2,000人クラスの会場とは明らかに異なる、巨大なエネルギーが放出されている。
「…This ain’t Heavy Metal. Welcome to the World of BABYMETAL」というアナウンスから、メタル銀河を飛翔する正八面体の宇宙船は、長い旅路の果て、ファイナルディスティネーション=モスクワに到着したのだ。転送機の中にSU-METALとMOAMETALが現れると、その都度大歓声が上がる。
レーザー光でBABYMETALのロゴが焼き付けられると、「DADADANCE」のイントロが繰り返され、青いバックライトに三人のシルエットが映る。場内から「ウォー!!!」という声が上がり、ピットでは早くもモッシュが始まった。そして、スクリーンが真っ赤に染まり、明るいライトに照らされて踊る三人が全貌を顕した。


「♪BABY、BABY、べいびーめろっ」「♪フォー!」のリズムに、会場は「エイ!エイ!…」の合いの手で応える。サンクトペテルブルグに続いて、いきなりとんでもない盛り上がりである。メタルであろうがユーロビートであろうが一切関係ない。純粋にBABYMETALの音楽を楽しんでいる。それがロシア流なのだろう。
3曲目は「ギミチョコ!!」。サンクトペテルブルグと変わり、汎ヨーロッパツアー初日のスウェーデン・ストックホルム公演と同じ“Aセット”である。
「…Give me Chocolate!」のグロウルから曲に入った瞬間、ピットでモッシュ、クラウドサーフが始まる。前列付近では、MOAのScreamにシンクロして「ズッキュン!」「ドッキュン!」と正確に合いの手を入れているが、合いの手に加わらない観客も地の底から湧きあがるような歓声を上げ続けている。
間奏部、SU-が「Hey!もすくわー!」と叫び、MOAと百々子はステージの両端に散って手拍子を促す。観客はその笑顔に手拍子を打ちつつ、「ウォー!」「イェー!」と口々に叫ぶ。C.J.Masciantonioのソロの最後のアーミングが、広い場内に響き渡る。ものすごい熱狂である。
「♪パーパパパパパ」と三人がポーズを決めて暗転すると、拍手、歓声がやまない。
4曲目は、サンクトペテルブルグではやらなかった「Shanti Shanti Shanti」である。ロシアとインドはあんまり接点がないイメージだが、どんな反応を示すのだろう。
「♪びよーん…びびびーん…」とシタールの音色が響き、タブラがリズムを出していく。


赤、黄色、色とりどりの万華鏡のような映像の前で、SU-がインド情緒たっぷりに「♪Shanti Shanti…生けるものたちのプラナ…」と歌い出す。両サイドではMOAと百々子が指先までしなやかに動かすインド舞踏風ダンスを繰り広げている。
「♪舞い上がれよカルマ」からサビに入ると、「♪ガッ、ガッ、ガッ、ガガ、ガッ、ガッ、ガッ、ガガ…」というドラムスとヘヴィメタルギターのリフが織りなす二拍子のリズムに、観客はピット後方まで「エイ!エイ!…」と叫びながら手をあげてジャンプしていた。間奏部の三拍子パートに入り三人がクルクルと踊る。ここでも「エイ!エイ!…」ジャンプは続く。この曲は二拍子でも三拍子でもヘドバン可能なのだ。インド風メタルもOK。ロシア人観客に、オールドスクールとかニューメタルとかは関係ないようだ。
5曲目は「BxMxC」。ラップはアメリカ文化のひとつだが、ロシア人観客は「B!M!C!」と叫びながら、SU-の日本語ラップを楽しんでいた。もちろん日本語の意味はわからないだろうが、ダークな曲調とMOA、百々子の激しいダンスから伝わってくるエモーションを共有しているようだ。SU-のアカペラパートでは、もちろん声援が飛び、曲終わりで三人が広いステージを動き回って客席を激しく煽り、最後は腕組みポーズで決めると拍手、歓声が湧きあがった。
照明が落ち、キーンというハウリング音に続いて、6曲目「Kagerou」のブリッジとなる銀河神バンドのアドリブソロが始まる。
このモスクワ公演が、2020年9月26日現在、BABYMETALの最後のライブである。
2019年9月から、Galactic Empireのメンバーを中心とした銀河神バンドがBABYMETALのバックバンドを務めるようになった。銀河神バンドは2019年全米横断ツアー20公演、2020年幕張2公演、汎ヨーロッパツアー17公演を担当した。従来のLeda、大村孝佳、BOH、青山秀樹による神バンドがバックバンドを務めたのは、2019年の国内外17公演と2020年の幕張2公演だけだから、横アリ以降のアベンジャーズ体制のBABYMETALのメインバックバンドは銀河神バンドだった。ただ、これがいつまで続くのか、アベンジャーズ体制自体がいつまで続くのかはOnly the Fox God Knowsである。
初代Dark VaderことChris Kellyはブルージィでオーソドックスなソロ、Kyle RenことC.J.Masciantonioは、ときにスケールアウトしたシュレッドギターを聴かせてくれた。本来はギタリストなのにベースを担当したRed GuardことClinton Tustinは、このツアー後、Chrisの後任として二代目Dark Vaderを襲名した。一番体力的にしんどかったのはAnthony Baroneだっただろう。各メンバーには、長期間にわたる帯同に感謝したい。
ソロが終わると大歓声が沸き、三人が肩をゆすってステージに再登場した。ミドルテンポのこの曲も、ロシアではノリノリの曲となる。「♪Crazy くれーじーいー…」のところは合唱し、「…どうかしてる(ドン)」のあとは「エイ!エイ!」と合いの手を入れていた。


スクリーンに、ヨアキム・ブローデンの姿が大写しになり、「♪ナイナナナイナイナイナイナイ…」のイントロが流れると、モスクワっ子たちはどっと沸き、手拍子を始める。7曲目「Oh! MAJINAI」である。
スクリーンのヨアキムに合わせて「ナンデモナーイ、キニシナーイ、モッタイナーイ!」と叫んでいる人もいる。
三人がステージ上で手をつないでコサックダンスを始めると、ものすごい歓声、拍手が沸く。コサックダンスはもちろんロシアが本場。ピット中央ではサークルができ、ロシア人たちもモッシュではなく、笑いながらコサックダンスを踊っている。8,500人がポルカメタルで一体化した。
モスクワでも、ロシアの観客はBABYMTALを100%受け入れ、汎ヨーロッパツアー最大かつ最高の盛り上がりを見せていた。
(つづく)