10年のキセキ(99) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日8月8日は、2016年、白ミサ@大阪・なんばHatchが行われ、2017年には、5大キツネ祭り in JAPAN 銀キツネ祭り@名古屋 / Zepp Nagoyaが行われた日DEATH。

2019年全米横断ツアーは、9月4日フロリダ州オーランドを皮切りに、9月6日ジョージア州アトランタ@Coca Cola Roxy(収容3,600人)、9月8日ワシントンDC@The Anthem(収容6,000人)と進み、9月11日マサチューセッツ州ボストンHouse of Blues(収容2,500人)で、アベンジャーが岡崎百々子にチェンジし、9月13日ペンシルベニア州フィラデルフィアThe Fillmore(収容2,500人)のあと、9月15日ニューヨーク州ニューヨークTerminal 5@(収容3,000人)で再び鞘師里保にチェンジした。


これで、全米横断ツアーに帯同するアベンジャーは鞘師里保と岡崎百々子なのだということがわかった。
鞘師里保は、2015年12月31日に中野サンプラザで行われたハロー!プロジェクトのコンサートをもってモーニング娘。を卒業し、英語とダンスを学ぶため渡米した。ニューヨークのダンス・スクール「Broadway Dance Center NYC」でのレッスン映像が公開されており、本場ブロードウェイで、プロダンサー/表現者として生きていく道を選んだと思われる。だが、ハロー!プロジェクトとの契約は2018年11月まで残っており、ハロプロ卒業は2018年12月となる。ところが2019年3月30日に行われたHello! Project 20th Anniversary!! Hello! Project ひなフェス 2019@幕張メッセに卒業生ゲストとして出演し、9期生がトップになっている現役メンバーと共演し、ファンを感激させた。だから、2019年6月28日にBABYMETALのアベンジャーとして現れたことは、驚愕以外の何物でもなかったが、考えてみれば、すでにアメリカで活躍するフリーランスのプロダンサーであり、縁の深い中元すず香のいるBABYMETALと出演契約するのは決して不自然なことではない。


岡崎百々子は、2017年3月にさくら学院を卒業する直前のインタビューで、海外留学すると発表し、アミューズとのアーティスト契約も終了していた。留学先は「夢の国」だとされたが、英語とダンスを学ぶとのことだったので、両方に当てはまるアメリカだと推定された。年齢的にはまだ高校生だが、やはりアメリカでダンスを学んでいるフリーのダンサーである。アミューズの所属タレントではないが、あらためてアミューズ所属のBABYMETALと出演契約を結ぶのは可能である。
一方、アベンジャーとしてのデビューは、岡崎百々子より一足早かった藤平華乃は現役の中学生であり、さくら学院生徒会長としてさくら学院祭を控える時期だったため、長期にわたるサポートツアーは不可能だった。
ちなみに、藤平華乃は、2019年10月19日に行われた「さくら学院祭☆2019」で、10月15日にメンバーのビジュアルを伏せたティザー映像が公開された「Pinky Promise」を歌い踊る@Onefiveのメンバーであることが公開された。
@Onefiveは、SOYOこと吉田爽葉香、KANOこと藤平華乃、MOMOこと森萌々穂、GUMIこと有友緒心の2019年度さくら学院中等部3年メンバー4人ならなるユニットである。
藤平華乃は、2019年12月29日の『ミュージックステーションウルトラスーパーライブ』でBABYMETALのアベンジャーとして「PAPAYA!!」を演じ、2020年1月25-26日のLegend-METAL GALAXYにも出演したので、@Onefive専任と確定したわけではなく、さくら学院卒業後、アジアツアー、汎ヨーロッパツアー第二ラウンドに出演予定だったかもしれない。
武漢ウイルス禍によって、2019年度さくら学院は卒業式さえも行われないままで、BABYMETALのツアーも行えない状態になっているが、@Onefiveは、2020年6月24日に初のフィジカルCDシングル「まだ見ぬ世界」を発売し、7月19日にはユニット初となるオンライントーク&ライブイベントを有料配信し、新曲「まだ見ぬ世界」のライブビデオをYouTubeで公開した。
このように、アベンジャーの三人にはそれぞれ異なった背景があったが、2019年9月の時点では、留学経験のある鞘師里保と岡崎百々子が全米横断ツアーに帯同するのは理にかなっていた。
海外のBABYMETALファンにとって、このような経緯までは理解できないため、鞘師里保と岡崎百々子は、YUIMETALに代わって「新加入」したメンバーだとみなされ、ツアーが進むにつれて、それぞれファンがついていった。


鞘師里保がAKB48と並ぶ日本のトップアイドルグループモーニング娘。の中心メンバーだったことはすぐにリサーチされ、YouTube上に公開されているモー娘。時代のオフステージ映像もファンの知るところとなった。
鞘師里保出演ライブ後のツイッターには、キレッキレのダンスや表情まで含めた表現力が、驚きをもって受け取られた。中には「日本のKawaiiアイドルっていうのは、みんなこんなに踊れるのかい?」というコメントもあった。
一方、岡崎百々子は、SU-METALと同じくらいの身長で、振りがダイナミックなので、「豪快」に見えるが、さくら学院時代の映像がリサーチされ、歌が上手いことも知られた。色白で目が大きくグラマラスなので、「百々子の笑顔は、ゆいがいなくなったことでの傷を癒してくれる」「彼女は凄く美しい」「カンフー映画の女優のひとりのように見える」といったコメントが寄せられた。


海外で長期的に活動できるという条件はあるが、KOBAMETALとMIKIKO師がハンドリングできるアイドルの中から選び抜いた三人がアベンジャーズになったのだから、ある意味当然だが、全米横断ツアーに参加した鞘師里保と岡崎百々子によって、BABYMETALの持つCuteさとエクストリームさの共存というコンセプトがより高められたという評価が多かった。
二人のタイプの異なるアベンジャーとペアを組むことによって、MOAMETALのダンスも違って見えた。
前にも紹介したがMOAはアベンジャーに合わせるのではなくBABYMETALらしさを維持しながら、「さじ加減」を心がけていたという。
かつての相方のYUIMETALは小顔のわりに手足が長く、動きがなめらかだったので、優雅に見え、MOAMETALは体全体を使う荒々しさが魅力だった。
横アリ初日は、鞘師里保が比較的おとなしく踊っていたので、MOAMETALが従来通り豪快に見えたのだが、グラストンベリーでは鞘師里保がダイナミックで荒々しいダンスを繰り広げたので、ほっそりしたMOAMETALのダンスは華奢で優雅に見えた。全米横断ツアーでは基本的に鞘師里保がダイナミックで、MOAが優雅なコントラストを見せたが、「Shanti Shanti Shanti」や「Elevator Girl」での鞘師里保は、指の先までしなやかな「オトナの色気」を発するので、MOAMETALは優雅というより少女っぽい清楚な印象になる。
常に豪快なダンスを展開する岡崎百々子との組み合わせでは、MOAは逆に大人っぽい風格が漂い、しなやかな「色気」も発する。ただし、「大人を挑発する無垢な少女のKawaii暴力性の表現」である「ギミチョコ!!」では、MOAは年少の岡崎百々子よりもお茶目な子どもっぽさを前面に出し、幅の広さを見せつけた。
現地時間9月6日付の『ワシントン・ポスト』の音楽欄は、BABYMETALの特集記事だった。
タイトルは「AN UNEXPECTED SOUND」。
冒頭は「BABYMETAL is dark, heavy, and…undeniably cute?」(Jaytc意訳:BABYMETALは黒くて、重くて、そして…拒絶できないほどキュートではないか?)
このあと、BABYMETALがKawaiiコスチュームに身を包んだ3人の女性で構成されていることや、Older musiciansがバックバンドをやっていること、2014年のレディガガの前座を務めたこと、ギミチョコがYouTubeでものすごい数の視聴件数を集めたこと、2017年にはレッチリの前座でワシントンにお目見えしたといった簡単な歴史が解説され、最後に週末の収容人員6,000人のワシントンThe Anthemでのライブ情報がアナウンスされていた。各州・都市ごとに独自の地方文化があるアメリカでは、その都市にやってくるアーティストがマスコミで報じられる。『ワシントン・ポスト』は権威ある高級紙であり、日本でもたびたび記事が引用されるので、地方紙とはいいがたいが、全国一律に通信社の記事が掲載される日本の地方紙とは違って、独自の価値観による署名入り記事が掲載される。少なくとも2019年9月初旬のワシントンでライブを行う、もっとも重要なアーティストがBABYMETALだったということだろう。
ボストン、フィラデルフィア、ニューヨークと転戦したBABYMETALは9月18日に中西部へと歩みを進め、2018年にYUIMETAL欠場が判明したカンサスシティへと迫っていった。
(つづく)