アメリカの現状についての一考察 | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
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★今日のベビメタ
本日7月3日は、2013年、中元すず香のさくら学院メンバー最後のDVDとなる『The Road to Graduation Final 〜さくら学院 2012年度 卒業』がリリースされ、2014年には、ドイツ・ケルン公演@ライブ・ミュージック・ホールで、MOAMETALが「ヘドバンギャー!!!」2番を歌った日DEATH。

先日、テレビと新聞だけがメディアだと思っている古い知人が、「トランプはウイルス対策でも暴動鎮圧でも滅茶苦茶だね。あれじゃ勝てないよ。その点、小池百合子は都知事選の真っ最中なのに毎日テレビに出て都民に警告を発しているのがエライ」と得意げに言ったので愕然とした。今どき、ここまでメディアのウソに侵されている人も珍しい。
確かに、昨年BABYMETALが全米横断ツアーを行ったアメリカは、今年、武漢ウイルスで世界一の「感染者」「死者」を出し、反人種差別デモ/暴動が全米に広がり、大変な事態になっている。
だがそれはトランプのせいではない。ぼくは、この二つは連動しており、11月の大統領選に向けて、民主党とメディアが仕掛けたものだと考える。
今日はこれについて書く。興味のない方は例によって飛ばしてください。

アメリカの大統領選挙は、共和党(Republican Party)と民主党(Democratic Party)が争い、州ごとに、人口に応じて数の決まった「選挙人」を総取りし、その合計でどちらかの候補者が選ばれるしくみになっている。
各党のイメージカラーから、共和党が獲得した州をRed State、民主党が獲得した州をBlue Stateという。


また、アメリカは連邦制なので、国全体に適用される法律を決めるのは連邦議会、金融・経済・外交・軍事は大統領=連邦政府が行うが、50州は独自に州法を定めることができ、州兵や州警察による治安維持を含め、内政は州単位で行われるので、州知事の権限が大きい。州知事選挙も共和党と民主党の2大政党が競い合うことになる。

このため、政党支持だけで区分すれば、大統領選も知事も共和党の州(赤・赤)、大統領選は共和党が勝ったが知事は民主党というねじれ州(赤・青)、大統領選は民主党が勝ったが知事は共和党という逆ねじれ州(青・赤)、大統領選も知事も民主党という州(青・青)の4つがあることになる。
この4つの区分で、人口10万人当たりの武漢ウイルス「感染者数」と「死者数」を平均してみると、非常に興味深いデータが得られた。なお、各州人口は2020年1月現在、武漢ウイルスデータは2020年6月15日現在、いずれもWikipediaによる。

●2016年大統領選でトランプ勝利―知事も共和党の州(赤・赤)
アラバマ、アラスカ、アリゾナ、アーカンソー、フロリダ、ジョージア、アイダホ、インディアナ、アイオワ、ミシシッピ、ミズーリ、ネブラスカ、ノースダコダ、オハイオ、オクラホマ、サウスカロライナ、サウスダコダ、テネシー、テキサス、ユタ、ウェストバージニア、ワイオミング 22州人口計134,592,175人
感染者539,296人、死者19,047人、10万人当り感染者400.7人、10万人当り死者14.2人

●2016年大統領選でトランプが勝利したが、現知事は民主党の州(赤・青)
カンザス、ケンタッキー、ルイジアナ、ミシガン、モンタナ、ノースカロライナ、ロードアイランド、ウィスコンシン 8州人口計40,455,295人
感染者222,135人、死者12,431人、10万人当り感染者549.1人、10万人当り死者30.7人

●2016年大統領選でヒラリーが勝利したが、現知事は共和党の州(青・赤)
メリーランド、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、バーモント 4州人口計14,921,883人
感染者174,080人、死者10,946人、10万人当り感染者1166.6人、10万人当り死者73.4人

●2016年大統領選でヒラリーが勝利し、現知事も民主党の州(青・青)
カリフォルニア、コロラド、コネチカット、デラウェア、ハワイ、イリノイ、メイン、ミネソタ、ネバダ、ニュージャージー、ニューメキシコ、ニューヨーク、オレゴン、ペンシルバニア、バージニア、ワシントン、ワシントンDC 16州+ワシントンDC人口計138,270,170人
感染者1,147,973人、死者73,060人、10万人当り感染者830.2人、10万人当り死者52.8人

2016年の大統領選挙で民主党のヒラリーが勝利したブルーステートは、共和党のトランプが勝利したレッドステートに比べて、感染者数、死者数とも3倍~5倍になっている。
10万人当りの死者が100人を超えているのは、
ニューヨーク州(人口19,453,561人、10万人当り感染者1973.6人、〃死者157.3人)
ニュージャージー州(人口8,882,190人、10万人当り感染者1878.8人、〃死者142.1人)
コネチカット州(人口3,565,287人、10万人当り感染者1264.6人、〃死者117.8人)
マサチューセッツ州(人口6,892,503人、10万人当り感染者1532.1人、〃死者110.6人)
の4つで、すべて東部のブルーステートである。
前述したように、アメリカでは行政の主体は州なので、保健行政についても州による違いがある。
武漢ウイルスに対するPCR検査体制、死亡診断基準も、州によってまちまちだった。これら4つの州では、PCR検査体制の整わない3月初旬から「肺炎による死者は武漢ウイルスによるものとみなす」という死亡診断基準を用いていた。これが死者が多い原因だと思われるが、レッドステートとブルーステートでここまで顕著な差があると、ブルーステートでは、民主党支持の保健行政担当者が、当事者として感染拡大を必死で防止するより、悲惨な事態の責任をすべてトランプ大統領に押しつけているように思えてくる
7月1日、シアトルの市街地「キャピトル・ヒル」を占拠していた暴徒が、ようやく武装警察の出動によって排除された。


ここが占拠されたのは6月8日で、民主党のジェニー・ダーカン市長は、トランプ大統領からの「治安を回復せよ」という警告にもかかわらず、市警察を撤退させ「これは占拠ではなくご近所のパーティみたいなもの」と言っていた。だが、「自治区」内で、少年2人が銃撃の末、殺されるという事態が起こり、ようやく市長が警察の出動を要請したのである。
そもそも反人種差別デモが始まったのは、5月25日のミネソタ州ミネアポリスでの黒人拘束死事件からであるが、ここもブルーステートである。
抗議デモはすぐにBLM運動やANTIFAの介入によって暴動に発展し、燎原の火のように全米に広がったが、暴徒によって「自治区」が作られたワシントン州シアトルやオレゴン州ポートランドは、いずれもブルーステートである。
また、コロンブスの銅像が引き倒されたミネソタ州セントポール、南部連合のアルバート・パイク将軍の銅像が引き倒されたワシントンDCやカリフォルニア州サンフランシスコもブルーステートである。


レッドステートであるノースカロライナ州ローリーでも南部連合の将軍像が引き倒されたが、ここの知事は民主党である。
日本の朝日新聞は、「強硬トランプ氏に反発」「首都で平和的抗議に催涙弾」「トランプ氏は挑発的行動」といった見出しを掲げ、抗議デモが暴動に発展した理由として、トランプ大統領が黒人差別や経済格差を強め、武漢ウイルスでも誤った対応をしたので国内の経済が破綻し、黒人など低所得者層の不満が爆発したためと説明する。
だがこれは、事実とは異なる。
メディアは、トランプ大統領に「白人至上主義」「人種差別主義者」というレッテルを貼るが、少なくとも大統領就任以来、トランプが人種差別政策を推進したことはない。
選挙公約でもあったメキシコ国境の壁に関しても、「不法」移民を防ぐためであって、合法的な移民をブロックしたものではない。
アメリカで継続的に仕事をしたり、国籍を取得したりするには大変な努力が必要である。ぼくの妹もそうだが、さまざまな国から希望を抱いてやってくる移民は、法律に則って課題を乗り超え、長い時間をかけて永住権や市民権を得る。
いかがわしいブローカーに金を払って不法に国境を超え、いつ摘発されるかわからないため、低賃金の非合法労働に従事する人々を支援するのは人権擁護とはいえない。
これは日本にいるビザ切れ不法滞在外国人にも言えることで、ぼくは外国人留学生や在留フィリピン人のために煩雑な入管書類を翻訳するお手伝いをしているが、資格外活動や違法な資格取得は認めない。
武漢ウイルス流行前まで、トランプ政権は大胆な減税政策で空前の好況を実現し、黒人の失業率は2019年10月統計で、就任前から2.7%も改善し、史上最低の5.4%になった。
税制改革でお金のない起業家(オポチュニティゾーン)への投資をしやすくしたため、起業する黒人層も増えた。民主党政権時代には実現しなかった、低所得者でも希望すれば、公立学校での無償教育を高額な私立学校へ振り替えられるスクールチョイス(バウチャー)制度も推進している。
貧困層の生活保護を手あつくし、働かなくても生きられるようにすれば、一見、困窮した黒人や有色人種に優しい政策に見える。だが、本当に支援が必要な状況にある人は別だが、福祉に頼る生き方をラクだと思ってしまえば、その人は努力しなくなる。結果、格差は固定され、拡大する。
法的な制限=アパルトヘイトを復活することはさすがにできない現在、本音では黒人や有色人種が社会の上層に登ってくるのを防ぎたい人種差別主義者にとっては、こういう政策こそ好都合ではないか。
「Make America Great Again」を掲げて当選したトランプがやっていることは、それとは正反対だ。
人種や現在の地位によらず、努力した者が成功するというオールドファッションな「アメリカンドリーム」神話を守るのが、彼の政治信念なのだと思う。
しかも、こうしたトランプの政治思想は、返す刀で、冷戦終結後に進んだグローバリゼーションで拡大した経済格差により固定化してしまった社会階層を、再び流動化しようとする側面を持っている。
トランプ自身が有数の富裕層だから見えにくいが、その政策を検討してみると、実は今年の民主党大統領予備選にも名乗りを上げたバーニー・サンダースとの共通点が浮かび上がる。
サンダースは、政治キャリアを1960年代後半にバーモント州の地方政党である労働ユニオン党からスタートし、長年、共和党にも民主党にも属さない、唯一の連邦上院議員・下院議員で、「社会主義者」であることを公言してはばからなかった。
2016年に、民主党内の支持者に担ぎあげられて、大統領候補としてヒラリー・クリントンと予備選を戦った際には、富裕層と労働者層の格差解消を訴え、グローバリズムに反対し、「TPPはウォールストリートや大企業に支えられている」と述べて、バラク・オバマ政権を痛烈に批判した。
大統領選挙後、民主党を離党したサンダースは、当選したトランプについて「現実志向だ」と評した。
実際、トランプは大統領就任後、前述の政策に加えて、サンダースが求めていたTPP不参加、中東・アフガニスタンからの撤兵、税制見直しによる製造業の国内呼び戻し、公共投資の強化などを次々と行った。
つまり、少なくとも反エリート、反グローバリズム、軍縮、国内製造業の復興など、「古き良きアメリカ」を取り戻そうとする政策において、トランプとサンダースに大差はない。もちろん、LGBTの権利拡大や気候変動に対する考え、ユニバーサルケア=国民皆保険制度の是非、社会保障費の拡大などについては、大きな隔たりがある。
2016年大統領選における「社会主義者」バーニー・サンダースの躍進は、冷戦時代を知らないアメリカの若者の中に、1960年代後半~70年代のようなコミュニズムの理想化を復活させてしまった。
トランプは明確に共産主義を批判している。
2018年11月7日、「共産主義犠牲者の国民的記念日」の声明で、トランプ大統領は「独裁的共産主義政権によって殺害され、弾圧された1億人以上の人々をしのび、世界中の平和、繁栄、自由のために戦う人々を強く支持する」と述べた。
これもまた、「古き良きアメリカ」の価値観である。
しかし、近年、民主党議員や支持者の中には、資本主義そのものを否定して主要産業を国有化し、自然エネルギーしか認めないグリーン・ニューディールやネオ・コミュニズムの提唱者が現れている。
現在、全米各地で起こっているBLM運動/ANTIFA暴動のリーダーには、国家の暴力装置=警察の解体を主張するアナーキストもいるし、さらには、アメリカ建国の父祖たちや、南軍の将軍、イエス・キリストの像までも引き倒し、アメリカの歴史そのものを否定するグループも現れた。
ソ連崩壊直後には、共産主義の消滅により「歴史の終わり」(フランシス・フクヤマ)とまで言われたのに、なぜこんな事態になったのか。
まず、冷戦終結からおよそ30年が経過し、国民の過半数が、40代以下の共産主義=ソ連が敵だった時代を知らない世代になったということがあげられるだろう。
「世界一の経済大国」に住んでいるはずなのに、アメリカ社会は貧富の差が激しく、低所得者の生活は苦しい。
ソ連に代わってアメリカの「敵」となった共産主義中国からアメリカに来る人々はみんな金持ちだ。競争の自由ではなく、「公平な分配」をスローガンにした共産主義=ソ連を打倒したのは間違いだったのではないか―。
本末転倒だが、スターリン時代のソ連の粛清や文革期の中国、ポルポトのカンボジアで何が行われたのかを知らない若者たちが育っても不思議ではない。
トランプ政権が、世界の覇権を目指す中国を「アメリカの脅威」とみなし、ウイグルや香港での人権蹂躙に対して声を上げ、ファーウェイをはじめとする中国企業の国内浸透を止めたことには、民主党も賛同した。この辺は腐ってもアメリカだと思う。
だが、中国と強く結びつき、権益を持つのはフランクリン・ルーズベルト以来の民主党の伝統である。
オバマ時代、バイデン副大統領の息子の会社は中国から多額の出資を受けていたし、クリントン財団にも中国企業が資金を入れている。
だから、表立ってトランプの対中強硬姿勢を非難できなくても、民主党は、トランプを引きずり下ろすために「ロシアゲート」などさまざまな工作をしかけた。
トランプはそんなでっち上げには揺らがなかったが、武漢ウイルスの蔓延は、民主党にとって、好況に沸く経済をストップし、政権を窮地に陥れるチャンスだった。
だから、民主党支持者の多い州では、PCR検査をスクリーニング的に実施して「感染者」を増やし、「超過死亡」の概念を武漢ウイルス「だけ」に適用し、「今年の肺炎死者は武漢ウイルスによるものとみなす」という死亡診断基準を、最初は東部のブルーステートだけで採用し、4月中旬からは全米に広めた。
5月に入って武漢ウイルス禍がやや収束の兆しを見せ、トランプが対中非難を強め、経済活動を再開して雇用が前月比で306.5万人増(6月も236.9万人増)に転じたタイミングで、ミネソタ州ミネアポリスの黒人拘束死事件が起こった。


ここもブルーステートであり、抗議デモはすぐに暴動となり、燎原の火のように全米に広がった。同じくブルーステートのワシントン州シアトルやオレゴン州ポートランドでは、暴徒が市街地を占拠し「自治区」を作ったが、民主党の知事や市長は、警察や州兵を動員しなかった。
要するに、武漢ウイルス「感染者」「死者」を世界一にし、反人種差別抗議デモの暴動化を積極的に防ごうともしなかったのは、非常事態を継続させ、経済活動をストップし、トランプ政権を窮地に陥れたい民主党の「未必の故意」だったとすれば、すべてつじつまが合う。
しかし、民主党のストラテジストにも予期せぬことが起こった。
暴動は、民主党寄りだったメディアの本社も襲撃し、首都ワシントンDCで、建国の英雄像を引き倒すところまでエスカレートした。
近年、アメリカの教育機関の一部では、「1619年プロジェクト」と呼ばれる教育プログラムが行われていた。
これは、「アメリカは、白人がネイティブアメリカンを虐殺して建国され、黒人奴隷を使役することで発展したのだから、そもそも極悪非道の国である。建国の父たちの子孫である白人はその罪を代々負っており、ネイティブアメリカンと黒人の子孫に対して、永遠に謝罪し、損害賠償し続けなければならない」という教育である。これを学んだ白人女子学生の中には、その場で涙を流して謝罪する人もいるという。
だが、このロジック、どこかで聞いたことありませんか。
これこそ、南京「大虐殺」、「従軍慰安婦」、軍艦島「強制徴用工」などの作り話で、「永遠に謝罪と賠償」を求め続ける中国・韓国による対日プロパガンダのアメリカ版である。
現体制の非道をプロパガンダして、民衆の不満を暴動、内乱へと発展させて革命権力を握るのは、レーニン以来、共産党の常套手段である。その場合、暴力や放火に罪悪感を持たせぬよう、民衆に「長年虐げられてきた仕打ちに対する復讐である」「造反有理」という意識づけを図り、象徴となる体制側の英雄像を引き倒すことをイベント化するのも、文化大革命を始め、大衆扇動の基本戦術である。
つまり、今アメリカで起こっていることは、トランプの悪政に対して自然発生したのではなく、民主党とメディアによって作られ、そこに極左組織や工作員が入り込んだ結果であることが理解できるだろう。
もとよりぼくは日本人であり、アメリカ大統領はアメリカ人が決めるものだ。
だが、冒頭で紹介した古い知人が操られたように、最近のメディアは、世界共通でウソを振りまく。
政権批判できる自由があるからこそフェイクニュースがあふれるのだが、その結果、中国が覇権を握ったら、全世界が、体制批判の旗を持っていただけで逮捕される香港のようになってしまう。
そんな悪夢を防ぐのは、ぼくら情報の受け手の責任だ。