★今日のベビメタ
本日6月9日は、1987年、Leda神が誕生し、2016年、『Kerrang!』Awardsの「Best Live Band」を受賞し、2018年には、Download Festival UK 2018＠ドニントンパークZippo Encore Stageに出演した日DEATH。

■武漢ウイルス関連データ
●累計    
・世界　感染確認者6,958,260人＞死者401,519人
・日本　感染確認者17,174人＞死者916人・退院15,148人・要入院1,106人＞重症99人
●10万人当たり
・世界　感染確認者90.19＞死者5.20人
・日本　感染確認者13.58人＞死者0.72人
出典：厚労省「新型コロナウイルスの現在の状況について」（6月8日12：00現在）

2016年12月5日、BABYMETALは、Red Hot Chili Peppers UK Tourの「Special Guest」としてロンドンThe O2 Arenaのステージに立った。
4月2日にBABYMETAL World Tour 2016 Kicks off at Wembley Arenaが行われてから8カ月しか経っていないが、もう何年も経ったような気がする。
ロンドン地下鉄ジュビリー線は、ロンドンの北西から南東へ走る路線で、Wembley Arenaは北西終点近くのWembley Park駅にあり、そこから市内のBaker Street、Bond Street、Green Park、Westminster、Waterloo、London Bridgeを経由して南東のテムズ川沿いのNorth Greenwich駅にあるのがThe O2 Arenaである。
Green Parkでヴィクトリア線に乗り換えて南の終点にあるのがAcademy BrixtonのあるBrixton駅である。
全部地下鉄で行けるロンドンの位置関係は、日本人にはとても馴染みやすい。

The O2 Arenaの収容人員は20,000人で、Wembley Arenaより1回り大きい。
1983年のデビュー以来、レッチリは45枚のシングル盤、11枚のオリジナル・アルバム、3枚のコンピレーション・アルバム、3枚のライブ・アルバムのトータルセールスは全世界で8,000万枚を売り上げ、グラミー賞に12回ノミネートされ、うち３度受賞し、2012年にはロックの殿堂入りを果たした。
ジャンルとしてはオルタナティブロックないしミクスチャーロックに分類されるが、洋楽好きでレッチリを知らぬ者はいないだろう。
2016年12月のUKツアーの会場は13,000人～21,000人のアリーナクラスだった。BABYMETALの海外での単独ライブ会場は特別な場合を除いて1,000人～2,000人だから、10倍の集客力である。
ジャンルはともかく、メンバーの変遷や紆余曲折を経ながら、30年以上にわたって作品を作り続け、世界的な人気を保ち続けているレッチリのツアーに帯同することは、彼らの日常生活やモチベーションを保つ秘訣を知る格好のチャンスだった。
当時まだ10代だったSU-、YUI、MOAの三人が、いつまでこのままBABYMETALとしての活動を続けるのかはわからない。
重音部として活動を始めた2010-2011年、Metal Resistanceの旗を掲げた2012年、メジャーデビューした2013年、世界進出した2014年から第二章に入り、YUIとMOAがさくら学院を卒業した2015年の第三章を経て、2016年の第四章は、東京ドームに11万人を集めて終わった。
一つの目標を達成した後だからこそ、その先へと進んでいくには、三人がアーティストとして年輪を重ねていくとはどういうことか、表現者の人生とはどういうものかを考える必要があった。
その意味で、レッチリ、METALLICA、Guns N’ Roses、KOЯNといった大物バンドが、オープニングアクトとしてBABYMETALに矢継ぎ早のオファーをしてきたのは、願ってもないことだったといえよう。
ここからはぼくの推測だが、東京ドームを終えた時点で、Metal Resistance第五章のファイナルとして計画されていたのは2017年12月に20歳を迎えるSU-METAL聖誕祭だけだったのではないか。
東京ドーム２日間公演は、のべ11万人を動員した大イベントだったが、会場使用料や巨大な舞台装置や特殊効果、特注のコルセット、スタッフの人件費などの費用を考えると、グッズや映像作品の売り上げ、放映権料、ライブビューイングの売り上げを含めても、収益率は高くなかった可能性が高い。
SU-METALの20歳の聖誕祭＝広島凱旋公演は世界中からファンが集まる大イベントにしたい。その費用をどう捻出するか。
大物バンドのツアー帯同は、先方からのオファーによるものだから、旅費や滞在費が最小限で済み、１ステージごとのギャランティが保証されている。2017年に海外フェスにおけるBABYMETALのギャランティがリークされたが、それによると１ステージ日本円で約3,000万円とのことだった。
アリーナクラスの会場でライブツアーができる大物バンドなら、集客効果を考えれば無名の新人バンドではないBABYMETALをSpecial Guestとしてブッキングしても元が取れる。
2016年12月～2017年6月まで、BABYMETALがSpecial Guestを務めたのは、レッチリUKツアー8公演、METALLICAソウル公演、Guns N‘ Roses国内３公演、レッチリUS東海岸ツアー10公演、KOЯN西海岸ツアー6公演の合計28公演。KOЯNの場合は、ストーンサワー、イエラウルフらとの合同ツアーという側面が強く、ハリウッドでのヘッドライナー公演も行ったが、独自に企画するワールドツアーより持ち出しが少なく、メインストリームの大物バンドファンに知名度を上げることもできる。

その上、前述したように、若いSU-、YUI、MOAにとっては「アーティスト修業」となる。
こうして東京ドーム以降の「収益見込み」が立ったところで、国内の小箱ライブハウスを巡る５大キツネ祭り～巨大キツネ祭り＠SSA＆大阪城ホールが企画され、12月の広島グリーンアリーナでの凱旋ライブとなるSU-METAL聖誕祭へとつながった。
2016年12月～2017年前半の「前座修業」はそこに至る「つなぎ」だった。2017年初の単独ライブがKOЯNツアーの発表後に決まり、国内ライブのスケジュールが小箱の五大キツネ祭りに始まり、レッチリUSツアー中にサミダレ式に発表されたのはそのためではないか。
もちろんこれは跡追いであり、かつぼくの憶測に過ぎない。
実際には、レッチリUKツアーでのBABYMETALのステージは楽しさに満ち、大人気となった。
初日ロンドンO2 Arenaのセットリストは、以下のとおり。
1.    BABYMETAL DEATH
2.    あわだまフィーバー
(神バンドソロ)
3.    Catch Me If You Can
4.    メギツネ
5.    ギミチョコ！
6.    KARATE
7.    イジメ、ダメ、ゼッタイ
神バンド：藤岡幹大（G）、BOH（B）、青山秀樹（D）、Leda（G）
12月６日のロンドンO2 Arena２日目、12月8日のグラスゴーThe SSE HYDRO、12月10日のバーミンガムGenting Arena初日までは、「KARATE」が５曲目、「ギミチョコ！」が６曲目になり、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」がカットされて６曲構成となった。
12月11日のバーミンガムGenting Arena２日目は、２曲目が「ド・キ・ド・キ☆モーニング」になり、12月14日-15日のマンチェスターArenaでは、2曲目が「META！メタ太郎」になった。
「ギミチョコ！」の煽りはまた進化していた。「Let’s Get Party Started！」に始まり、イギリス人には発音しにくい「チェケラ」を省いて「Sing! Chocolate, Chocolate, Cho,cho,cho」に代わっていた。
世界的バンドであるレッチリと、Sonisphere、Reading & Leeds、Wembley Arenaでブームを巻き起こし、『Kerrang!』のBest Live Bandに選ばれたBABYMETALのライブを一挙に楽しめるとあって、イギリス人音楽ファンに大人気のツアーとなり、スタート直後にロンドンO２Arenaでの追加公演が決定。

12月18日の最終日には、BABYMETALのステージにレッチリのチャド・スミス（D）が白塗りの姿で登場して「ギミチョコ！」を熱演。さらに終演後には楽屋からバースデイケーキを持って再登場。SU-METALはサプライズに顔を真っ赤にして喜び、会場は「Happy Birthday SU-METAL」の大合唱となった。
そのお返しに、今度はレッチリのステージにBABYMETALが「乱入」し、「Painkiller」と「Breaking the Law」を演奏した。
わずか2週間の帯同だったが、このツアーはレッチリにもBABYMETALにも観客にもこの上なく楽しいツァーだったようだ。明けて2017年1月6日、レッチリは4月のアメリカ東海岸～フロリダツアーにBABYMETALを再び帯同することを発表した。
（つづく）