大統領の憂鬱 | 私、BABYMETALの味方です。

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★今日のベビメタ
本日3月28日は、2020年、マレーシア・クアラルンプール公演@KL Liveが行われる予定だった日DEATH。

■武漢ウイルス関連データ
●累計
・感染国 206か国・地域(香港、台湾、マカオ、欧米諸国の海外領を含む。)
 うち1000人以上35か国、うち100人以上94か国
・世界 感染確認者509,164人/死者23,335人
・日本 感染確認者1,524人(206か国中26位)/死者52人(206か国中19位)
●10万人当たり
・世界 感染確認者6.60人/死者0.302人
・日本 感染確認者1.20人(94か国中74位)/死者0.041人(94か国中55位)
●現在治療中(感染確認者-回復者-死者)
・世界370,385人 日本1,100人(206か国中30位)
出典: WHO「Situation Report」、厚労省「新型コロナウイルス感染症の現在の状況について」、NHK「NEWS WEB」

3月27日、アメリカの感染確認者数が8万3500人を超え、イタリア、中国を抜いて世界一となった。
3月中旬以降のアメリカの新規感染確認者数は、1日1万人を超える日があり、文字通り爆発的に拡大している印象である。


ところが、トランプ大統領は声明で「4月中旬までに経済活動を再開させなければならない」と述べた。
もちろん、その前後はあるのだが、世界中のマスコミはこの部分だけを切り取って叩いている。
しかし、ぼくは、トランプ大統領の声明は勇気があり、政治家として正しいと思っている。
繰り返すが、感染者確認者数や、死者/感染確認者数=「致死率」には何の意味もない。
国にとって最も大切なポイントは、この感染症による重症者が、インフルエンザや風邪に罹って肺炎を併発する高齢者の分と合わせて、その国の医療キャパシティを超えないこと、その結果としての「人口当たり死亡率」なのである。
それが社会活動に影響のない範囲に保たれているなら、国民はむやみに怖がることはない。
この感染症で危機に陥っているといえるのは、次のような国である。

1.サンマリノ    感染確認者218人(人口比0.661%)、死者21人(人口比0.064%)
2.イタリア    感染確認者80,539人(同0.133%)、死者8,165人(同0.014%)
3.スペイン    感染確認者56,188人(同0.121%)、死者4,089人(同0.009%)
4.アンドラ    感染確認者231人(同0.292%)、死者3人(同0.004%)
5.イラン        感染確認者29,406人(同0.036%)、死者2,234人(同0.003%)
6.フランス    感染確認者28,786人(同0.044%)、死者1,695人(同0.003%)
7.オランダ    感染確認者7,431人(同0.043%)、死者434人(同0.003%)

ワースト1のサンマリノは、人口3万3000人の小国で、感染者は218人だが人口比でいえば0.661%である。1%で100人に1人ということだから、151人に1人、分かりやすく言えば、小さな小学校の30人×5クラスに必ず1人は罹っている子がいるということになる。これはインフルエンザの流行り始めくらいの感覚だ。死者は21人で人口比は0.064%だから、人口1,560人が住む400世帯くらいの小さな住宅街で必ず1人死んでいるということになる。これはちょっと怖い。
イタリアになると、感染者が0.133%、死者が0.014%だから752人に1人感染し、7143人に1人死んでいる計算になる。人口10万人の地方都市で13.5人死んでいることになるから、他人事じゃないよね。
スペインもだいたいそれに近いが、死者は1万1000人に1人になる。
アンドラは人口7万9000人の小国なので、342人の小さな村に1人感染者がいるけど、死者は2万5000人に1人で、まだまだ身近にはならない。
イラン、フランス、オランダは、感染者こそ多いが、死亡率となると3万3000人に1人となるので、大げさに騒がれるほど怖くはないことがわかる。
日本はどうか。

日本        感染者1,524人(人口比0.001%)、死者52人(人口比0.00004%)

感染者は10万人に1人、死者は250万人に1人という確率である。
東京では、ここ数日40人を超える新規感染者が出ており、人口が1000万人を切っていることを考えればこの比率の4倍に達している。だが、累計死者数5人は、計算値より1人多いだけである。
自分が10万人中の1人、250万人中の1人になると考えるのは、怖がり過ぎではないか。
では、中国の感染者数を超え、トランプ大統領が平然としていることをマスコミが叩いているアメリカはどうか。

アメリカ    感染確認者83,500人(人口比0.026%)、死者1,200人(人口比0.00037%)

感染者は3846人に1人、死者は27万人に1人という計算になる。
感染者の人口比は、サンマリノの151人に1人、アンドラの342人に1人、イタリアの752人に1人よりは少ないが、都市部であればちょっとしたブロックに必ず感染者が出ている状況だから、結構リアルだ。
だが、死者数を見れば、サンマリノは1,560人に1人、イタリアは7,143人に1人、スペイン1万1111人に1人、イラン・フランス・オランダ3万3000人に1人という数字に比べて、27万人に1人であれば、これを「国を揺るがす脅威」とは言えないことがわかる。
以前書いたように、アメリカでは季節性インフルエンザの患者数が今季2000万人を超え、死者数は1万2000人に達している。
武漢ウイルスの死者数がどこまで増えるかわからないが、仮に中国並みの3,000人台、イタリア並みの4,000人台になったとしても、人工呼吸器を含む医療体制は、他の国より整っているだろう。
単純にいえば、インフルエンザで経済活動を止めなかったのだから、止めなくていい。
経済力と軍事力で世界に君臨するアメリカのリーダーであるトランプ大統領は、そう考えているだろう。


ただ、問題は、これも日本同様、マスメディアなのだ。
アメリカは大統領選挙のプロセスに入っており、民主党はあることないことトランプの「失点」をあげることに躍起になっている。
冷静に考えれば、27万人に1人が亡くなる感染症が流行ったとて、社会的な影響はほとんどないといっていい。インフルエンザ、交通事故、お風呂での溺死などなど、もっと死亡率の高いリスクがアメリカ社会にはごろごろしている。
ところが、中国共産党が発生を隠蔽し、武漢市を封鎖したほどの「恐ろしいウイルス」だという大宣伝をマスメディアがやっているから、人々は恐怖の感情にとらわれている。
アメリカの感染確認者が急増しているのは、やはり「簡易キット」を使ってバンバン検査をやっているからだろう。
しかし、本当に恐ろしいのは、それによって「要隔離の患者」が急増して、医療キャパシティを超えることなのだ。今のところ、アメリカの死亡率は全く問題ないレベルだ。
だが、この調子で感染確認者が増えてしまうと、人工呼吸器はともかく、医師や医療スタッフが間に合わなくなってしまう。
だから、「死亡率がこれだけ低いので、社会的には脅威ではない」とハッキリ言いたいのがトランプ大統領の立場なのだ。
しかし、そういえばマスメディアが叩き、大統領選に影響が出てしまう。
世界中にウイルスをまき散らした中国の責任を追求したいが、そうすればますます武漢ウイルスが「脅威」に見えてしまう。逆に、「こんなウイルス大したことない」といえば、中国に免罪符を与えてしまう。
さらに言えば、薬剤や医療ツールの多くを中国から輸入しているアメリカは、本当に対中戦争になり、輸入が止まったら、大変なことになってしまう。人質をとられているようなものだ。
それがトランプ大統領の憂鬱の原因だ。
だが、トランプよ。あなたの発言は正しい。
一人でも多くの患者を救いたい専門家は、武漢ウイルスの脅威を伝えるだろうが、国家におけるリスクの判断=死亡率の意味を国民に説明できるのは、政治家しかいない。
リスクを恐れるな。それが「強いアメリカ」ではなかったのか。