汎ヨーロッパツアー13都市目マンチェスター公演 | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日2月23日は、2020年、イギリス・ロンドン公演@Eventim Apolloが行われる日DEATH。なお、時差とOAのため、BABYMETALの登場は日本時間2月24日6:15頃と推定されます。

『METAL GALAXY』を引っ提げた新生BABYMETALは、スコットランドの古都グラスゴー、ウェールズのカーディフを経て、いよいよイングランドに足を踏み入れた。
「北の首都」と呼ばれるマンチェスターは産業革命の中心地であり、ここで作られた綿製品が蒸気機関鉄道によって港町リヴァプールに運ばれ、そこから世界中に出荷されることでイギリスは世界帝国となった。現在でも、周辺都市を含めたグレーター・マンチェスターは、ロンドン圏に次ぐ人口を有し、第二の経済圏を形成している。
2016年、レッチリ前座のときは、マンチェスターArena(21,000人)で、2日間公演だったが、今回はCreeperをOVに起用した堂々たるヘッドライナー公演で、会場は3,500人収容のO2 Apolloである。カーディフの倍以上の大きさだが、チケットはSOLD OUTした。開演前の様子を見ると、2階席も満員、ピットエリアの密度も高かった。
セットリストは以下のとおり。

1.FUTURE METAL
2.DA DA DANCE
3.ギミチョコ!!
4.Shanti Shanti Shanti
5.BxMxC
6.神バンドソロ~Kagerou
7.Oh! MAJINAI
8.メギツネ
9.PA PA YA!!
10.Distortion
11.KARATE
12.ヘドバンギャー!!
13.Road of Resistance

メンバー:SU-METAL、MOAMETAL、アベンジャー:岡崎百々子
神バンド:下手ギターChris Kelly、ベースClint Tustin、ドラムスAnthony Barone、上手ギターCJ Masciantonio
近未来メタルアイドルユニット登場!という感じが定着した「FUTURE METAL」から、青い照明の点滅、三人のシルエットが浮かび上がると、会場に大歓声がこだまする。
極寒と雨の中、待ち続けた観客の熱い気持ちが伝わってくる。
スクリーンが燃え上がり、「DA DA DANCE」が始まるユーロビート+メタルのリズムに手拍子で応えながら「フォー!」に合わせてScreamする観客多数。
大丈夫。メタルの本場でも、ややポップに振ったと思われがちな新生BABYMETALを楽しむ雰囲気は定着してきた。
3曲目お馴染みの「ギミチョコ!!」で、ピットにすさまじいモッシュが発生。
間奏部SU-が「Hey!まんちぇすたー!」と叫ぶと、満席の観客は言われなくても「Yeah!!!」と絶叫する。やはり第二の故郷である。
UKで観客の反応が注目された4曲目の「Shanti Shanti Shanti」も、ピットの中のファンカムを見れば、観客が手拍子を打ちながら「♪ライララ、ライララ…」とScreamし、「インドメタル」を楽しんでいることがわかる。曲中、三拍子になるシークエンスでは大歓声が上がり、ピットではモッシュが継続していた。
ダークな曲調の「BxMxC」は、グラスゴー以来、UKの観客には好評である。特にSU-がステージ前面に出るアカペララップパートになると、会場から大歓声が起こり、ライブの見せ場になっていることがわかる。
銀河神バンドのソロ演奏。下手のDark Vaderはいつも通りだが、上手のCJのソロは、最初にダブルベンドを入れ、シュレッド風ではあるもののややエモーショナルなフレーズを聴かせた。三人が肩をゆすって入ってきて、「Kagerou」が始まる。
比較的スローテンポの楽曲で、日本でも観客は「鑑賞」のスタイルになるのだが、ここのピットの観客は、「♪ユラユラユーラ…」のサビで楽しそうに笑いながらモッシュしている。スクリーンには魂を込めて歌うSU-や表現として妖艶に踊るMOAの表情がアップになっている。
スクリーンのサイズが、他の会場に比べて圧倒的に大きい。
小さな会場ではステージが近く、圧縮された熱気は感じるが、スクリーンが小さく、後方の客は見えづらい。大きな会場では生身の三人は小さいが、スクリーンがそれを補い、トータルな表現としての楽曲が俯瞰できる。この会場は、3500人という収容人数の割にスクリーンが巨大で、ちょうどよい雰囲気だったのではないか。
「Oh!MAJINAI」。「♪ナイナナナイナイナイナイナイナイ…」のイントロが始まり、スクリーンにヨアキム・ブローデンが大写しになると、大歓声が沸き、観客は手拍子を打ちながらニコニコ顔になる。もちろんピットエリアでは笑顔の観客たちがヘドバンしながらモッシュしている。三人もニコニコ顔で手をつないでクルクル踊る。ポルカ+メタルは、ヨーロッパで大勝利を収めた。ふと、この曲も「いなくなった人」を笑顔で送る曲なのではないかという思いが胸をよぎる。
「メギツネ」。ピットでは、イントロを待ちきれないように、「♪ソレ!ソレ!ソレ!ソレソレソレソレ!」と踊りだす。密度の濃い、ものすごいモッシュ。
間奏部、キツネ面をつけたSU-をはさんでMOAが首をぴょこんと右に曲げると、MOMOKOも同じように首を曲げ、笑い転げながら煽りに入っていく。楽しんでいる。
このシーンを見れば、ライブの盛り上がりの指標である。
SU-の煽りは定番。「Hey!まんちぇすたー!(大歓声)How are your feeling tonight?We are so happy to be here!Are you ready to jump? Are you ready---?」「1,2,123, Jump!」
そこからはお馴染みの男女入り乱れてのモッシュ大会。
続く「PAPAYA!!」。イントロの「パッパパパヤー!」と同時に、SU-が「まんちぇすたー!」と叫び、「んJumpんJumpんJump…」と煽り続ける。MOA、MOMOKOも上手、下手で激しく踊る。北欧・ドイツ語圏と同じように、ピットの観客がジャンプしながら踊っている。
ここへきて『METAL GALAXY』のコンセプト、新生BABYMETALのスタイルはようやく欧米人の腑に落ちたのではないか。
「KARATE」では、三人が倒れて起き上がるまでの間、ピットの観客が何も言わないのにフロアに座り込んだ。そして三人が肩を組んでよろよろと前進し、SU-が「Everybody, Jump!」と叫ぶと一斉にジャンプした。BABYMETALと心を合わせているのだ。
この数年間、BABYMETALは、リアル「KARATE」だった。そのことを誰よりもわかっているのが、第二の故郷イギリスの観客なのである。
フィニッシュは、ここイギリスで生まれた「Road of Resistance」。三人がBABYMETAL旗を担いで登場すると観客は歓呼の声を持って迎える。ピット中央に大きなWODが形成され、「1234!」で曲が始まると、すさまじいモッシュが起こる。「♪ウォーウォーウォーウォー」の大合唱は大きな会場の天井を揺るがし、「We are?」「BABYMETAL!」のC&Rは、観客の心にいつまでもこだましていただろう。
終演後のツイートではShaunさんの「Waited years to see this live. Unreal energy. Gnuinely got emotional(涙)」が印象的だった。会場には有名なイギリス人メイトさんのジェス&エマさんの姿もあったといい、新生BABYMETALが「待ってました!」という感じで受け入れられているのがわかる。
マンチェスター大勝利。
明日(日本時間2月24日)はいよいよ首都ロンドン公演である。