汎ヨーロッパツアー12都市目カーディフ公演 | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日2月21日は、2015年、ワールドツアー中、ミュンヘンのRockavariaとゲルゼンキルヘンのRock im Revier、ウイーンのRock in Viennaに参加することが発表された日DEATH。

昨年のラグビーワールドカップで、日本人にも知られるようになったように、イギリスは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの「カントリー」が、同一王室を戴く連合王国=United Kingdomである。
ウェールズはブリテン島の南西部に位置し、四国よりわずかに広い面積を占める地域で、16世紀にはイングランドの支配下に入り、UKの王太子はプリンス・オブ・ウェールズと呼ばれる。石炭が産出したため産業革命に貢献するとともに、化石が多く発掘されたため、当地の山脈名が「カンブリア紀」という地質年代の元になっている。ただし、フェイクとして知られる「カーディフの巨人」が発掘されたのは、アメリカ・ニューヨーク州のカーディフで、当地とは関係ない。
地理的にはロンドンに近いが、ワールドカップで北九州市民がウェールズ国歌「我が父祖の土地」(ウェールズ語: Hen Wlad Fy Nhadau)をウェールズ語で歌って感動を呼んだように、独自の言語・文化を残している。ウェールズ国民議会設置の住民投票が行われたのは1997年、第1回の総選挙が行なわれたのは1999年。偶然だけどご縁ですな。(^^♪
とはいえ、BABYMETALがウェールズで公演を行うのは初めて。
会場のThe Great Hallは、繁華街にあるライブハウスやボールルームではなく、カーディフ大学のStudent Unionが経営する学生会館ホールである。収容人員は1,500名で、ウェールズでは他に手ごろな会場がなかったのだろう。チケットはもちろんSOLD OUTしたが、入場定員が守られ、ピットには比較的余裕があったようだ。
セットリストは以下のとおり。

1.FUTURE METAL
2.DA DA DANCE
3.ギミチョコ!!
4.Shanti Shanti Shanti
5.BxMxC
6.神バンドソロ~Kagerou
7.Oh! MAJINAI
8.メギツネ
9.PA PA YA!!
10.Distortion
11.KARATE
12.ヘドバンギャー!!
13.Road of Resistance

メンバー:SU-METAL、MOAMETAL、アベンジャー:岡崎百々子
神バンド:下手ギターChris Kelly、ベースClint Tustin、ドラムスAnthony Barone、上手ギターCJ Masciantonio

SF的な「FUTURE METAL」からスタートする「DADADANCE」のユーロビート+メタルの曲調に、カーディフの観客はどう反応するか。これが今日のポイントだった。
グラスゴーとは全然違った。前後に短く横に広い学生会館ホールだったこともあり、SU-のマイクはエコーが少なく、生々しいライブ感が強い。
曲が始まると明らかに三人のダンスの激しさがアップしている。気合に満ちていることが伝わってくる。
4つ打ちのダンサブルなリズム+日本語+ダンスという構成だが、リフはヘヴィメタルである。倍音いっぱいのディストーションサウンドも昨日よりエネルギッシュに響く。
2014年の「BABYMETAL DEATH」や「メギツネ」ほどのインパクトはないのかもしれないが、MOAのラップパートのエクストリームさや三人のダンスの激しさは、会場を熱狂させるのに十分である。ステージに近い観客は、「フォー!」のところでジャンプし、終始踊り続けている。イイ感じ。
続く「ギミチョコ!!」も、ステージが近いこともあって昨日より演奏がハードコア寄りに聴こえる。イギリスの観客はさすがに敏感に反応する。熱のこもった演奏。パフォーマンスを受けて、ピット中央でモッシュが発生。SU-の「かーでぃふ!」という煽りに手拍子をしながら大歓声で応える。お馴染みの楽曲にBABYMETALのライブを楽しむ雰囲気が形成された。
「BMC」。昨日のグラスゴーでも反応が凄かったが、ここカーディフでもエクストリームな曲調+日本語ラップ+MOA、MOMOKOの激しいダンスへの声援が凄い。観客は「B!M!C!」「Be!」と合いの手を入れる者あり、ヒップホップ風に右手を揺らしながら見る者あり。SU-のアカペララップにも鋭く反応する。考えてみれば、「DADADANCE」と「BxMxC」は全く違う曲想なのだが、それがBABYMETALというアーティストの中で融合されている。その凄さにきっとイギリス人は気づいているはずだ。
「Oh!MAJINAI」ポルカ+ヘヴィメタルの曲調は、北欧、ドイツ語圏では大受けしたが、UKでも2公演目にして観客の人気が定着したようだ。ピットの観客は拍手し、笑い、身体を動かしていた。ニコニコ顔の三人は手をつなぎ、クルクル踊る。楽しい楽しい。UKラウンド集大成のロンドン公演に向けて、徐々に『METAL GALAXY』の何たるかが認知されていっているようだ。
「メギツネ」。間奏部、ステージ中央でMOAが何か話しかけ、三人がニコニコしながら散会していく。そのあとSU-が「Hey! かーでぃふ! How your feeling tonight! We’re so happy to be here! Are you ready to Jump? Are you ready?」といつものように煽る。狭い学生会館ホールには女性ファンの歓声が響き続ける中「1,2,1,2,3 Jump!」というSU-の掛け声で、一斉にジャンプ大会が繰り広げられた。
その興奮が「PA PA YA!!」につながるかも注目ポイントだった。これも昨日とは全く違った。F.HEROのラップパートで、笑顔を振りまきながらポニーテールを振り乱して踊るSU-のファンカム映像があった。観客は「パッパパパヤー!」と合いの手を入れながら盛り上がっている。昨日のグラスゴーに比べて、明らかに観客の反応が違う。それを見るSU-の表情も昨日より明るいように感じた。
「ヘドバンギャー!!」。昨日同様、この曲が今回セットリストに入ったことは非常によかった。MOAが終始「ヘドバン、ヘドバン」とScreamし続け、それに合わせて観客がヘッドバンギングすることで、陶酔が広がっていく。2014年当時、この曲はイギリス人の誇り高いプライドの「たが」を外すのに有効だった。

2016年以降は海外では演奏されなくなっていたが、昨年復活し、再びBABYMETALの「原点」として機能している。
フィニッシュ曲「Road of Resistance」では、ピット中央ですさまじいモッシュが発生した。会場後方の観客も全員が頭を振り、身体を動かしている。「ウォーウォーウォー」のシンガロングパートでは全員大合唱。これぞBABYMETALである。
『METAL GALAXY』収録の新曲でも、カーディフの観客は激しく盛り上がっていた。とすればグラスゴーの反応は、感情を表に出さないスコットランド気質だったということか。
終演後、「Fantasti」「Unreal」「日曜日にロンドンでまたみるぞ」「BABYMETALを見るチャンスを逃すな」といったツイートがアップされていた。
次は中一日置いて2月22日(日本時間2月23日)、再度北上し、UKの「北の首都」マンチェスターでの公演となる。

※前回、私事にコメントをいただきましたまーさん、マツタクさん、ふじめたるfujimealさん、VEGA-METALさん、tabinekometalさん、またご心配いただきましたみなさま、この場を借りて御礼申し上げます。