汎ヨーロッパツアー9都市目ブリュッセル公演 | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
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★今日のベビメタ
本日2月17日は、2014年、ニッポン放送「西川貴教のちょこっとナイトニッポン」(~21日)に出演し、2016年には、CHICAGO OPEN AIRに出演することが発表され、2020年には、オランダ・ティルブルフ公演(19:00開演)が行われる日DEATH。なお、8時間の時差とOAのためBABYMETAL登場は、日本時間2月18日04:00頃と推定されます。

2月16日20:00~(日本時間2月17日4:00~)、METAL GALAXY WORLD TOUR九都市目、ベルギー・ブリュッセル公演が行われた。
セットリストは以下のとおり。

1.FUTURE METAL
2.DA DA DANCE
3.ギミチョコ!!
4.Shanti Shanti Shanti
5.BxMxC
6.神バンドソロ~Kagerou
7.Oh! MAJINAI
8.メギツネ
9.PA PA YA!!
10.Distortion
11.KARATE
12.ヘドバンギャー!!
13.Road of Resistance

メンバー:SU-METAL、MOAMETAL、アベンジャー:岡崎百々子
神バンド:下手ギターChris Kelly、ベースClint Tustin、ドラムスAnthony Barone、上手ギターCJ Masciantonio

会場のABは、Ancienne Belgiqueというのが正式名称で、そのメインホールは収容人員2,000名の古いオペラ会場。両脇に3階までの桟敷席があり、ピット自体は広くない。開演前、その3階までびっしりと観客で埋まった。
例によって「FUTURE METAL」が始まると奇声があがるが、スクリーンの前に銀河神バンドのメンバーが登場すると会場からどっと歓声が沸き、さらに暗転したあとBABYMETALがスタンバイすると一層歓声が大きくなる。
イントロ。青い照明の点滅にポージングを決める三人がシルエットになって見えると大歓声が沸く。スクリーンが爆発するように真っ赤になり、「♪BABY、BABY、べいびめろっ」「♪フォー!」で、会場は一気にヒートアップ。
曲中、ラップでセンターの位置へきて、ツインテールを振りながら大きなアクションで踊るMOAがKawaii。今日もアベンジャーを務めるMOMOKOも笑顔でダイナミックに踊っている。後半、SU-がハイトーンで「♪ダッダーンス、ダッダダーンス、舞い踊れ…」と歌い上げると、早くもクラウドサーフが発生した。
3曲目は「ギミチョコ!!」。「Give me Chocolate…」のグロウルからイントロが始まったと同時にまたもやモッシュとクラウドサーフ。ベルギーの観客は恐ろしく激しい。
間奏部SU-が「Hey!ぶるっせーる!」と叫ぶと大歓声が沸く。左右に散って拍手を促していたMOAとMOMOKOが中央に戻り、三人で頭指差しヘンテコダンスを始める息のそろったタイミング感は、やはりBABYMETALの魅力である。
4曲目「Shanti Shanti Shanti」。シタールとタブラの音色。SU-の歌唱、MOA、MOMOKOの舞踊もインド風であり、ステレオタイプなヘヴィメタルとは無縁だったが、BABYMETALはそれを融合し、ヘドバンのリズムと見事にシンクロさせた。しかも究極のKawaiさ付き。
しかし、それが気に入らないのか、あるいは興奮しすぎているのか、飲み物のカップをステージに投げ入れる観客がいて、それがSU-の身体に当たったとのこと。

※後日確認されたGIFで、SUはステージにバウンドしたペットボトルを右手でつかみ、後方に投げ捨てていることがわかった。しかも歌いながら。まさに無双。(2月18日追記)

実はベルリンでも同じことがあり、遠征組の方たちが憤っていた。もし、意図的にやっているのであれば会場から摘まみ出すべきである。
考えてみれば、ベルギーは初お目見えであり、BABYMETALは文字通りメタルバンドとカテゴライズされているのだろう。そこが悩ましいところで、BABYMETALが提唱しているモッシュッシュという概念は浸透していないから、必然的にライブ会場は荒々しくなってしまう。2015年ごろの日本でも明らかに暴れに来ている人たちがいたけどね。
5曲目は「BxMxC」。スクリーンに大写しになる日本語。SU-の日本語の韻を踏んだラップの「意味」は、ほとんどのベルギー人には理解不能だろう。だが激しく踊るMOAと「B、M、C!」と繰り返すエクストリームな音は、通訳A.I.アプリが伝える「意味」以上の感情だ。そんなものなどなくても、人間には理解し合える感情がある。BABYMETALはそれを証明しているのである。
神バンドソロが始まる。狭い箱型会場だがオペラハウスだけあって音はクリアだ。例によって、下手Chris Kelly(Dark Vader)のソロはブルージィな速弾き。後半少しアウトなフレージングになるが、全体的にはオーソドックスにまとめている。上手CJ Masciantonioは、クラシカルなシュレッドギターで、ダブルベンドを挟み、後半のタッピングはキーを外れしてバッハ音階になるが、この構成は昨年の全米横断ツアー以来変わってはいない。ベース、ドラムスのソロが終わり、三人が肩をゆすって入ってくる。6曲目「Kagerou」である。
MOAはしなやかに身体の線を見せ、大柄なMOMOKOも負けじとセクシーに踊る。終演後のベルギー人のツイッターで、「おれは本当にMOMOKOが好きなんだ」と告白するファンも現れている。
7曲目「Oh! MAJINAI」。「♪ナイナナ、ナイナイ、ナイナイナイ…」とイントロがかかると、会場から「ウオー!」という歓声が上がる。この曲はこのツァーの目玉になった。三人は目線を交わしながらクルクルと踊る。MOAとMOMOKOは歯を見せてニコニコ顔だ。ピットは小刻みにジャンプし、手拍子を打ち、嬌声をあげて踊る観客で熱狂の巷と化した。ポルカ+メタルは、ヨーロッパ人の魂を根底から揺さぶるのだろう。
8曲目「メギツネ」。ユーロビート、インド風、ラップ、ブルースロック、ポルカときて、ようやく日本風の楽曲となった。こうしてみると、BABYMETALが本当に「メタルで世界をひとつにする」大事業を推進していることがわかる。もちろんそれはキツネ様の意志だ。多くの観客がそれに気づかなくても、「♪ソレソレソレソレ!」と踊ればいい。
間奏部、SU-は「ぼんそわーる!ぶるっせーる!」と叫び、その後は英語?で観客に語りかけた。会場は大歓声をあげて応える。
お祭りタイムはまだ続く。9曲目「PA PA YA!!」。イントロとともに「パッパパパヤー!」の合いの手が入る。タオル振りがようやく浸透してきたか。ピットの中でもみくちゃにされながら撮影されたファンカムでは、観客が「パッパッパ…」と大声で合いの手を入れながら踊り狂っている。凄い。
10曲目「Distortion」もモッシュの嵐。ミドルテンポの11曲目「KARATE」になって、ようやく少し収まる。だが、パフォーマンスの熱量が下がることはなく、MOAのリストバンドが外れるほどだった。

間奏部、三人が倒れ、起き上がり、SU-による「Everybody Jump!」の掛け声でまたもやジャンプ大会が始まる。女性ファンがもみくちゃにされて悲鳴をあげながらも「ウォーウォーウォー!」と叫んでいた。
12曲目「ヘドバンギャー!!」をはさんで、フィニッシュは「Road of Resistance」。いうまでもなくSU-がピットを分けるしぐさをすると、ピット中央に大きなWODができ、MOAの「1234!」の掛け声で、ものすごい勢いのモッシュがスタートした。
だが、SU-、MOAの経験値は豊富だ。ピットで激しいぶつかり合いが起ころうが、クラウドサーフしてきた人がステージ下に落とされようが、カップが投げ込まれようが、それを上回る熱量でパフォーマンスを続け、大喝さいを浴びてしまう。
「♪WohWohWohWoh!」のシンガロングパートでは、MOAだけでなく、MOMOKOも大きな笑顔で観客を煽っていた。
ブリュッセル大勝利。
明日はオランダ、ティルブルフ公演である。