MGWT in Japan @SSA二日目(1) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日11月18日は、過去BABYMETAL関連で大きなイベントのなかった日DEATH。

入場は初日より1時間早い15:30から始まった。
超Mosh’shピットは、初日は下手ブロックAからの入場だったが、二日目は上手ブロックBからの入場だった。同じことはMosh’shピットでも行われ、ブロックによる入場の順番が2日間で変わったようだ。
BGMは2日間で変わったが、場内アナウンス3回、メタリカの「バッテリー」がかかると開演の兆しという感じ。
Bring Me The Horizonは、初日18:10、二日目は17:05からのスタートだった。
BABYMETALとは、グラストンベリー、サマソニに続く共演で、お馴染みのメイトさんも多かっただろう。
セットリストは以下のとおり。

<初日>
1.Ludens
2.MANTRA
3.Wonderful Life
4.Shadow Moses
5.Happy Song
6.Can You Feel My Heart
7.Medicine
8.Drown
9.Throne

<二日目>
1.Ludens
2.MANTRA
3.House of Wolves
4.Wonderful Life
5.Shadow Moses
6.Happy Song
7.Can You Feel My Heart
8.Medicine
9.Drown
10.Throne


サマソニでやった「Mother Tongue」「Sugar Honey Ice & Tea」「Follow You」に代わって、「Ludens」と「Can You Feel My Heart」が入り、初日が9曲、二日目は3曲目に「House of Wolves」が入って10曲となった。
オリバー・サイクスは何度も「Tokio!」と叫び、モッシュ、ジャンプを要求する一方、「Drown」では、初日は下手2階席、二日目は上手2階席まで分け入って歌い、観客を大熱狂させた。
一斉に叫ぶ「MANTRA」や、無数の黒い人間が口の中に入っていく「Medicine」は悪夢のようだし、“座ってください”という指示からのジャンプが行われる「Throne」はサークルピットが止まらず、へとへとになった。
6人のメンバーのほか、曲目によって2人から4人の女性ダンサーが踊るのだが、映像と同じく、曲の背景、表現のひとつとして採用しているようだ。
下手、上手に分かれたダンサーがCo2を噴射したり、2人のダンサーが後方の台上から登場してBMTHのロゴ入り旗を振ったりするところは、BABYMETALの影響が感じられる。
「BABYMETALに捧げる」とオリバーがMCする「Happy Song」では4人のダンサーが下手から上手へ小→大の順番に並んでいるのも面白かった。
BMTHは終演後、ギタリストがピックを、ドラマーたちがスティックを客席に投げ入れ、カッコよく去っていった。
インターバルは約30分。
18:15。客電が落ち、大歓声が沸く。
いよいよBABYMETALの登場である。
舞台後方の大スクリーンにモノクロの幾何学模様が描かれ、テクノ風のBGMで「Metal Galaxy World Tour in Japan 」の文字が映し出される。ナレーション付きの「紙芝居」はない。
そして1曲「「FUTURE METAL」が始まる。
The Forum同様、SU-のオートチューンボイス「We are on the ODYSSEY to the METAL GALAXY. Please fasten your neck brace to HEAD BANG. Are you still playing guitar? This ain't HEAVY METAL. Welcome to the world of BABYMETAL.」から、映像は正八面体の宇宙船が虹色の惑星から「メタル惑星群」へと飛翔していく画面に変わり、宇宙船内部のブースにSU-とMOAが降臨する。大拍手、大歓声。
客電が落ちると、2曲目「DA DA DANCE」のイントロが流れ、船のへさきのようにせり上がったステージ上に三人のシルエットが浮かび上がる。フォーメーションは照明が落ちるたびに変わり、3度目に三人が手を挙げたところで曲が始まる。


本日のアベンジャーもMOMOKOMETAL。2日間連続となった。
2日目になって、観客の合いの手はさらに完璧になっている。
常時「オイ!オイ!…」と叫びながら、良きタイミングで「フォー!」と叫んでジャンプする。
まずは「♪ベイビーベビー、ベイビメロッ!」というScreamのあと。
その後、1番は「♪とどろけ愛のレクイエム!」のあと、2番は「♪とどろけ愛のセレナーデ!」のあと、3番はちょっと難しくて「DADADancing Queen」のあと、2拍置いてから。そしてサビは「♪いざ踊れ」のあとに「フォー!」が入り、そのたびにジャンプ。
アップになるMOAの顔はニコニコ。ぼくらも思わず笑みがこぼれる。みんな気合が入ってるなー。
1番が終わり、MOAがセンターに立って「ダッダンス、Do the Dance…オーバーナイトでセンセーション」というローチューンのラップになる。頭を抱えるような振り付けは「なんで私こんなのやってるんだろう?」という“バブル神の憑依”みたいなことなのだろうか。
二日目は上手のBブロックだったので、お馴染みのStrandbergの白いヘッドレスギターでソロを弾くLeda神がよく見えた。松本孝弘のフレーズを歌い上げるように弾いていた。
大興奮のうちに曲が終わると、スクリーンに「GIVE ME」の文字。
3曲目「ギミチョコ!!」である。
頭指差しダンスで、MOAはまたもニコニコ。SU-のコケティッシュな表情、MOMOKOも笑顔があふれる。
各ブロックでは、早くも高速サークルモッシュが発生するが、「ズッキュン!」「ドッキュン!」には正確に合いの手を入れる。
やはりここは“ホーム”である。
間奏部。SU-が「さいたまー!」と叫ぶと、観客は大歓声と拍手で応える。MOA、MOMOKOは上手、下手でニコニコ顔のまま観客を煽る。
大村神のソロは、Vader神とは違い、後半部にワーミーペダルを強調し、「キィーンキィーンキュィーン」と音を伸ばす。これぞ正調ギミチョコソロである。
あっという間に曲が終わってしまう。
息つく間もなく、ジャズピアノのコードが流れるが、それを上書きするようにメタルリフが響き、オートチューンの「Hey Lady Are you going up or DaDaDaDaDaDown?」というSU-の声。照明がつき、メタルのイントロで三人が激しく踊る。
4曲目「Elevator Girl」である。
舞台上の移動ステージがどんどんせり上がっていき、ピット床面から見上げると5メートルほどの高さとなる。
「♪上へ参ります、下へ参ります…」というSU-の声は、二日目だけあってよく伸びている。
「♪締まるドアにお“気を付けく“ださい」の「レ」の音と、「♪火あぶり針地“獄のフロ”アです」の「レ#」の音のピッチも超正確である。
「♪Going up Going Down Going up Going to Hell Yeah!」というMOAのScreamもよく通る。
間奏部のLeda神と大村神によるDjent風の速弾きリフも、見事にハモってよく聴こえる。
曲終盤、観客は「ド・キ・ド・キ☆モーニング」と同じく「♪上へ参ります、下へ参ります」に「オイ!オイ!オイ!オイ!」と合いの手を3回繰り返す。
シンプルな曲だが、メンバー、神バンド、観客の息がピッタリ合っていた。
ピタッと決まったポージングで曲が終わり、拍手と歓声が収まると、暗転した会場にシタールの音が流れる。
5曲目「Shanti Shanti Shanti」である。
インド風のポーズをとった三人が浮かび上がり、スクリーンに黄色い万華鏡の模様が映ると、とたんに客席にカレーの匂いが充満する。
「♪Shanti Shanti」というMOAの澄んだコーラスに、「♪生けるものたちのプラナ」というSU-のコブシが効いたボーカルがレスポンスする。「♪舞い上がれよカルマ」から、力強いメタルのリズムが始まり、客席はうっとりと三人を見上げながらヘドバンタイムに入る。
この曲でのMOA、MOMOKOの体の動きは、インド舞踊がすっかり板に付き、しなやかでセクシーである。
特に「♪夢に夢見て踊る」のところのMOAの足さばき、「Ali Ali Ali Ali」のところのMOMOKOの首クネクネが見事だ。
間奏部の3拍子パートになると、観客は拍手で応える。
6月の横アリでは、インド風メタルにやや違和感があったが、今や、この曲は独特のノリをもったBABYMETALならではの楽曲となった。来年のタイ、インドネシア、マレーシア、フィリピンといったアジアツアーが楽しみである。
曲が終わり、暗転するとプログレ風のプレリュードが流れる。ちょっと民謡風だった2018年のものとも違う。初日は一瞬次の曲が何かわからなかった。
やがて、緑色のレーザーが放たれ、「♪ララララララララ…」というコーラスが聴こえてくる。6曲目「Starlight」である。
感動的だったのは、曲目がわかったとたん、客席から天に向かってキツネサインが挙げられたことだった。
この曲は、故・藤岡幹大神に捧げられた曲であり、チームを去ったYUIMETALへの惜別の思いも込められている。だから、最初の振り付けで、MOAとMOMOKOは祈りのポーズをとる。
それをわかっている日本のメイトさんたちは、静かな気持ちでキツネサインを掲げるのだ。
SU-の歌が始まると、Bブロックではまたもサークルピットが発生した。
ギターソロパートに入るとLeda神のアンプの音が変わる。ケンパーのプロファイリングだが、ディーゼル系のゴリゴリした音で、変拍子の複雑なソロを奏でる。実にカッコよかった。
SU-は「♪Fly higher in the sky」と「♪Fly higher in the night」、「♪Starlight shining in the night」を歌い分け、「運命の浄化」という曲のモチーフを静かに訴える。このあたりの深みが、どんなに熱狂的なライブでもキープされているところが、BABYMETALらしさであるとぼくは思う。
(つづく)