何じゃこりゃ!?の逆襲(3) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日11月9日は2013年、Anime Festival Asia Singapore 2013@シンガポール・サンテック国際会議場に出演した日DEATH。

2020年5月16日にフィリピン・マニラで行われるアイアン・メイデンがヘッドライナーのフェス「Judgement Day」に、BABYMETALの出演が決まった模様。
会場はマニラ湾沿いにあるSM MALL OF ASIAで、収容人員は15000人。
蛇足ですが、ぼくがフィリピンに頻繁に行っていた頃に出来た巨大モールで、よく買い物をしていたところDEATH。


 

ぼく自身もそうだが、一般的にBABYMETAL史において2013年は、さくら学院を離れ、「本格的メタルバンド」への歩みを始めた年と位置づけられている。
確かに、1月9日に「イジメ、ダメ、ゼッタイ」でメジャーデビューし、2月1日のLegend “Z”で、解散危機=「死からの再生」を果たしたBABYMETALは、伝説的メタルバンドへのオマージュを捧げた五月革命に始まり、生演奏の神バンドを帯同して日本各地のロックフェスを席巻し、サマソニ大阪でメタリカとのツーショット写真が拡散され、ついにはLOUDPARK13で日本のメタルファンに認知された。
アイドルファンだけでなく、ロックファン、メタルファンにも注目されたことで、翌年2014年2月の1stアルバムリリース、日本武道館2日間公演、欧米デビューへの道が拓けた。
だが、2013年には、もう一つの重要な出来事が起こっていた。
さまざまなスタイルの音楽とメタルを融合し、海外のメタルファンにも訴求できるオリジナリティ=「新しいメタル」(New Style of Heavy Metal)の確立である。
2013年6月30日、Legend “1999”@NHKホールが行われた。
「五月革命」を終え、初めてのロックフェスであるMETROCKに出演したあと、6月19日にセカンドシングル「メギツネ」をリリース。
『Hot Wave』(テレビ埼玉)や『ミュージックドラゴン』(日本テレビ)にも出演、タワレコでの「“いなりん”とヒット祈願奉納会」、アミューズ株主総会ライブなどをこなした後の大規模会場(3500名収容)での単独ライブだった。
オープニングは「BABYMETAL DEATH」で、相変わらずのエクストリームな幕開けだが、「いいね!」「君とアニメが見たい」「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」と続いた5曲目は、YUIの「ちょこっとLove」(プッチモニ)、6曲目はMOAの「ラブマシーン」(モーニング娘。)というハロプロ楽曲のカヴァーだった。
YUIの「ちょこっとLove」にはデスメタル風のイントロがつき、YUIがスッポンから、「♪わっはははは」と言いながらせり上がってくる。さらに裏拍のシンバルを強調したヘヴィなリフでイントロが奏でられ、「♪(ん)ちょっちょっちょっちょっちょ…わっはははは」が繰り返されて、スカ風だった原曲がメタル風に変わっていた。
サビ部分のリズムは、原曲と同じようにスカ風だったが、後奏部でもデスメタルのイントロと同じメロディが繰り返され「♪わっはははは」で終わるエクストリームな仕上がりとなった。
MOAの「ラブマシーン」は、原曲の「Uh-…」というハミングの部分が、シンセサイザーによるプログレ風に変えられ、イントロ部分もクインシージョーンズ~70年代ディスコ調だったのが、ドラムスが「ドドスコドドスコ…」と強調されたメタル仕様になり、Aメロの終盤は完全な裏拍になっていた。
「♪どんなに不景気だって…」のところはブレイクダウン風に演奏され、サビの部分もドラムスが前面に出た編曲になっていた。


「アイドル」楽曲をメタル風に編曲するという試みは、Legend “D”に続く「BABYMETALらしさ」への挑戦といえる。
これらの曲が始まる前の「紙芝居」で、YUIとMOAが「成長期限定の学校」=(さくら学院)に入ったのはメタル戦士としての「アンダーカバー」だったとされ、BABYMETALの一員になることは、前世からの宿命だったかのように紹介されていた。それは一面、真実であったと思うが、のちにYUIが脱退したことを考えると、ちょっと複雑な心境にもなる。
ライブは、「StriperとMayhemが共存するE-DENの園」でかくれんぼをしているうちにまたもや「メタルじゃなくね?」と思ってBLACK BABYMETALになってしまったYUIとMOAによる7曲目の「おねだり大作戦」に続く。
「巨大勢力アイドル」に囚われてしまったという例の設定で、コルセットをつけて固まっていた二人をSU-が救い出すときに歌うのが、初披露となる8曲目「No Rain No Rainbow」だった。


この曲は下降クリシェを多用したKey=Cの美しいバラードで、メタルとは対極的である。
それを、このライブではここから登場したLeda、BOH、青山秀樹、大村孝佳からなる神バンドは見事に演奏しきった。
特に間奏部、転調してAから始まるLedaと大村孝佳のツインギターは、SU-が二人を解放し、ピアノのところまで連れてくるサイレントドラマを劇的に表現し、転調してF→G→Am×2、さらに転調してG#→B♭→D#→Dm→Cm→B♭→G#→B♭→Gsus4→G7まで、破綻なく素晴らしいハーモニーを奏でた。
「No Rain No Rainbow」は、1stアルバム『BABYMETAL』ではなく、2ndアルバム『Metal Resistance』に収録されることになるが、この曲はメタルバラードというBABYMETALの新しい音楽性を示したといえる。
今となっては、YUIが欠場し、藤岡神最後のステージとなった広島の映像が、「No Rain No Rainbow」のオフィシャルMVとなったのは感慨深い。
「Catch Me If You Can」「ド・キ・ド・キ☆モーニング」とライブは進み、11曲目に満を持して披露されたのが、2ndシングル「メギツネ」だった。
(つづく)