お盆(1) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日8月14日は、1982年、BOH神が誕生した日DEATH。

横アリ、ポートメッセなごやの「PAPAYA!」を見ていて、MOA+RIHO or KANOの振り付けは盆踊りに似ているなと思った。
大型台風の上陸が心配だが、明日は74度目の終戦記念日であるとともに、死者が現世の子孫のもとへ帰る日、お盆である。
秋田県鹿角市十和田にある大湯環状列石は、川から運んできたと思われるコロコロした石が同心円状に置かれた縄文時代中期の遺跡で、その形状から、イギリスのストーンヘンジに似ていると言われる。
ストーンヘンジはより大きく、石器時代の天文台であったといわれるが、大湯遺跡は、石の下から人骨が出土することから、大規模な共同墓地であったと考えられている。


環状列石の周辺には、掘立柱建物跡がぐるりと巡らされていた。
つまり、共同墓地を取り囲むように集落があったのだ。
環状列石の一部には日時計状の石組があり、中心部からそれを見ると、夏至の日没方向になっている。
つまり、縄文時代の人々は、共同墓地を取り囲むように住んでいたと同時に、人の死が、何らかの「宇宙の法則」とシンクロするという宗教観をもっていたことがわかっている。
今のぼくらの感覚では、死んだ人を埋めた墓地のそばで暮らすというのは、どうにも気味が悪いような気がするが、お盆にはご先祖様のために家にお盆飾りをしたり、墓参りをしたりする習慣はちゃんと残っている。
ご先祖様は亡くなっても子孫と共にあり、見守っているという感覚は、縄文時代以来、日本人のDNAに組み込まれているのである。
だから、お盆の季節に生まれ故郷に帰るのは、両親・親戚や地元の友達に会うだけでなく、ご先祖様に近況を報告し、供養を行うのが目的である。
そしてそのクライマックスが盆踊りである。
広場にやぐらが組まれ、その周りを人が回るのは、大湯環状列石と同じ構造である。
つまり、中心にあるのがその土地のシンボルであり、そこから発する波動=音楽に合わせて、その周りを踊る人々は、ご先祖様の霊とともに踊るのだ。
まあ、近ごろは神社の祭礼も、町おこしのなんとかカーニバルも、花火大会も、ハロウィーン(西洋版お盆だけど)もロックフェスもごちゃまぜで、「人が集まるお祭り」とひとくくりだが、盆踊りこそ、縄文時代以来の、最も由緒正しい日本人の祭りなのではないか。
ご先祖様からの命の積み重ねで今の自分たちがあるという感覚は、必然的に、ご先祖様たちがどんな歴史を歩んできたのか知りたいという気持ちにつながる。
ところが、日本に帰化した元韓国人作家の呉善花氏は、形見分けという日本の習慣について、「朝鮮王朝時代に取り入れた朱子学の影響で、若々しく輝いているものには従うけれど、廃れゆくものは穢れたものであり背を向けるという価値観が韓国人にはあります。死は穢れなので、亡くなった人が身につけていたものはすべて燃やします。日本のように形見分けという考え方はありません。」と語っている。(2016年12月12日、櫻井よしこ氏との対談)
親兄弟であっても死を穢れと考え、形見分けすらしないという文化では、「前代」のものは何一つ残らない。「前代」が残らなければ、その積み重ねである本当の歴史の代わりに、「今」のために作られた歴史であっても、誰も気づかないし、それでかまわないということになる。
呉氏は朱子学の影響と言っているが、ぼくは必ずしもそうは思わない。むしろ宗主国や支配氏族が変われば「前代」のものをいつまでも残しておくと危ないという朝鮮半島の悲しい歴史が、そういう習慣を生じさせたように思う。
というのは、日本でも江戸時代の官学は朱子学だったが、それでも日本では綿密に記録が残され、ご先祖様が結んだ約束はきちんと守るという伝統があるからだ。
大坂冬の陣での家康の言いがかりとか、赤穂浪士の討ち入りとか、享保・天保・天明の大飢饉とか、大塩平八郎の乱とか、それが幕府の失政であったとしても「あったこと」はあったこととして記録され、「なかったこと」は記録されなかった。
1858年に江戸幕府が結んでしまった不平等条約(安政五か国条約)でも、明治政府はそれを引き継ぎ、遵守し、富国強兵を成し遂げ、国際情勢を巧みに利用して、実に53年かけて1910年、ようやく関税自主権の完全回復=新通商条約を締結することに成功した。


もちろん、1965年の日韓基本条約および請求権協定や、2016年の元「慰安婦」に関する日韓合意が不平等条約だったと言っているのではない。日本は、誠実に条約を守り、韓国に支援を行ってきた。
「前代」同士が結んだ約束は守るべきだし、万が一「今」の人々が、それを「不平等」だと考え、覆したいと思ったとしても、明治時代の日本がやったように、国際的な常識に準拠しつつ、競争力をつけて新条約を結ぶまでは、守るしかないではないか。
日本の宗教観では、ご先祖様たちは、みな「祖霊」という神になっている。
神なのだから、人の世に起こったこと、今起こっていること、すべてお見通しである。
「あったこと」はあったこと、「なかったこと」はなかったのだ。ウソは隠せない。ちょっとコワイ。
だからご先祖様の遺志を継ぎ、謙虚に、誠実に生きよう。
それが日本人の強さの秘密なのではないか。
お盆は、ぼくらのご先祖様たちが、子孫のもとに帰ってくる日。
そして金曜日、土曜日はサマソニ。


「PAPAYA!」の盆踊りで、本当の神様となった故・藤岡幹大神が降臨して、今日お誕生日のBOH神や、大村神やLeda神や青山神と一緒にステージにいたら、どんなに楽しいだろうね。
(つづく)