放射能オリンピック?(1) | 私、BABYMETALの味方です。

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★今日のベビメタ
本日8月10日は、1993年、昨年のシンガポール、オーストラリアに参戦した平賀優介神が誕生し、2013年には、サマソニ2013@幕張メッセRainbow Stageに出演した日DEATH。

横アリとポートメッセなごやのライブ後に流れた「2020年10月10日」という文字は謎で、ぼくも含めて、メイトの間では、これは東京オリンピック後の新国立競技場で、『METAL GALAXY』で全米No.1を獲得したBABYMETALが凱旋ライブをやるということではないかというウワサが、「そうだったらいいなあ」という強い期待を込めて流れた。


ところが、韓国与党「共に民主党」の「日本経済報復対策特別委員会」の崔宰誠(チェ・ジェソン)委員長は8月5日、MBCラジオ『キム・ジョンベの視線集中』のインタビューで、「東京でしばらく前に放射性物質が基準値よりも4倍だかを越えて検出された」とし、2020年東京オリンピックに関しても、「福島で野球の試合などが行われる」と述べ、「東京を含めて旅行禁止区域指定の拡大を検討しなければならない」と強調したという。
崔氏は、「東京オリンピックをボイコットするということか」という記者の質問には「なぜそんなことを聞く」と語気を荒げ、答えなかった。韓国政府は現在まで、東京オリンピックのボイコットはしないとの立場だ。
とはいえ崔氏が、日本や東京オリンピックに「放射能の危険性がある」という印象操作に一役買っていることは間違いない。
だが、その印象操作は崔氏のオリジナルではない。
半月前の7月15日、聯合ニュースは、韓国の環境保護団体「青い世界グリーンワールド」が「福島原発事故による放射能汚染と五輪の安全性に対する疑問」と題した文書を国際オリンピック委員会(IOC)に送付する計画だと伝えた。
東京オリンピック招致決定の際に、IOCは放射能の危険をちゃんと調べたのか、調べてないなら「選手と観客の安全」のために東京オリンピックを中止せよという言いがかりだ。
実はこれにも元がある。
「東京=放射能オリンピック」論の発信源は、日本の元首相鳩山由紀夫氏であった。
鳩山氏は5月12日のツイッターでこう述べている。
「既に東京五輪のチケットが売り出されたようであるが、例えばノーベル平和賞を受賞した核戦争防止国際医師会議は、放射能オリンピックと命名して放射能汚染リスクの残る東京でのオリンピック開催を疑問視している。日本では報道されないが、欧米でこのような動きが広まってきていることは理解すべきだ。」
ここで鳩山氏があげた「核戦争防止国際医師会議」は、1980年に設立された団体で、確かに1985年にノーベル平和賞を受賞している。
ただし、鳩山氏がいっているのは同団体のドイツ支部が2018年7月11日に発表した「International Campaign “Tokyo 2020 – The Radioactive Olympics”」という声明で、邦訳されたものを見ると、
「2011年に福島第一原発で起こったトリプル・メルトダウンは放射能を日本全土および太平洋に拡散しました。福島第一原発事故はチェルノブイリの核メルトダウンに匹敵するスケールの大惨事となったのです。(中略)日々、放射能汚染が海洋、大気、土壌に追加されています。途方もなく膨大な量の核廃棄物が福島原発の敷地に野ざらしで蓄積されています。またもや地震が発生したとしたら、住民や環境が重大な危機にさらされることになります。今日もフクシマ核災害は続いているのです。(後略)」
という内容だった。
おいおい。
「トリプル・メルトダウン」「放射能を日本全土に拡散」「放射能汚染が日々追加されている」「途方もなく膨大な核廃棄物が野ざらし」「フクシマ核災害」などなど、まったく非現実的で非科学的な反原発極左のプロパガンダの典型である。
欧米のノーベル賞受賞団体―日本の元首相―韓国の環境団体―韓国与党幹部という流れで、こんなデマが流されているのである。
偉そうな肩書だけで「正しいんじゃないか」と思ってしまう人が世の中には多いが、この国際医師会議の「声明」やら環境保護団体の「質問状」は、さすがに完全にIOCから黙殺されたようだ。
ていうか、現にぼくら日本人はそこに暮らしているわけだし、韓国人の750万人も含め世界中から3000万人近い観光客が訪日し、日本の景色を愛で、日本の食べ物に舌鼓を打っているのだから、「日本には放射能の危険性がある」という主張がデタラメであることは明らかだ。
ただ、そう言っているだけでは相手と同じなので、データを示しておく。
東京都の健康安全センターは、2011年の東日本大震災以降、都内8か所のモニタリングポストで、毎日24時間、放射線量の測定を行っている。
また、都内のマーケットに流通している日本各地の食品を抜き打ち検査して、放射能がどれだけ含まれているかを調べており、その結果もEXCEL、PDF、CSVの各形式で自由にダウンロードできるようになっている。
http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/
これを見れば、いかに東京や日本の食べ物が安全か、一目瞭然である。
各データには、調査方法や時期の詳細も記載されており、英語版もちゃんとある。
現地で、ここまで詳細に調べたデータを参照しない「日本の放射能は危険」という主張は、すべてデマ、風説、プロパガンダのたぐいであるといってよい。
まずは放射性物質と放射能、放射線、放射線量の違いを説明しておこう。
放射性物質とは放射線を出す「物質」のことで、放射能とはその物質が放射線を出す「能力」のことをいう。放射線を出し続ければ「能力」は減っていく。放射能が半分になる期間のことを半減期という。
そして、放射線とは、放射性物質から発して、生物の細胞を破壊するほど高いエネルギーを持った「物質粒子の流れ」のことで、その「量」を放射線量という。
例えるなら、放射性物質が蛍、放射能が蛍の寿命、放射線が蛍の体から出る光、放射線量が光の強さのことだ。
「放射能の危険性」と言った場合、二つの意味がある。
ひとつは、ぼくらが生活している空間に、人体にダメージを与える放射線量がどれだけあるか(外部被ばく)ということ、もうひとつは、口から入る水や食べ物にどれだけの放射能を持つ放射性物質が含まれているか(内部被ばく)ということである。
人体に直接影響を与える放射線量は、シーベルト(Sv)という単位で表す。
1シーベルト(Sv)を基準とすると、ミリシーベルト(mSv)はその1000分の1、マイクロシーベルト(μSv)は、1シーベルトの100万分の1である。
自然界には宇宙や地表の岩石から発する放射線があるが、人工的な強い放射線は生物の細胞を破壊する。ただし、細胞には修復力があり、たとえ死んでも新たな細胞に置き換わるので、たいていは問題が起こらない。ただし、放射線量が多くなると細胞のがん化をはじめ、さまざまな影響をこうむる。放射線量と人体がこうむる影響は以下のとおり。


7-10Sv…50%が死亡。
1Sv…吐き気。
500mSv…白血球の減少。
100mSv…0.5%が一生のうちに発がん。
6.9mSv…CTスキャン1回分。
2.4mSv…1年間の自然被ばく量世界平均。
0.6mSv…胃のX線検査1回分。
0.1mSv…東京・ニューヨーク間の機内被ばく量。
さて、東京都健康安全センターが、2019年8月9日にモニタリングポストで測定した値は以下のとおり。
足立区舎人公園…0.0305μSv=0.0000305mSv
江戸川区篠崎公園…0.0482μSv=0.0000482mSv
新宿区百人町健康安全研究センター…0.0363μSv=0.0000363mSv
江東区産業技術研究センター…0.0344μSv=0.0000344mSv
調布市調布飛行場…0.0289μSv=0.0000289mSv
大田区羽田飛行場…0.0346μSv=0.0000346mSv
小平市薬用植物園…0.0292μSv=0.0000292mSv
八王子市首都大学東京…0.0319μSv=0.0000319mSv
比べればわかるとおり、東京都内の放射線量は、1年間の自然被ばく量の世界平均の10-5万分の1程度であって、24時間365日間外にいても、まったく問題ないレベルだ。
(つづく)