メディアリテラシー(3) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日7月28日は、2015年、APOCRYPHA-Only the Fox God Knows@TSUTAYA O-EASTが行われた日DEATH。

証拠のヒエラルキーとは、ある出来事を「事実」と認定するための証拠の信ぴょう性には、強弱があり、強い証拠と弱い証拠が対立する場合、強い証拠の方がより信ぴょう性があるという原則のことである。
一番強いのは、物理法則である。
物理法則に反するものは、証拠としては認められない。逆に言えば、すべての証拠を並べて描いた「事実」が、物理法則にも合致するということが最後の決め手になるのだ。
例えば、武道を習ったこともない9歳の女の子が、20代の頑健な男性を素手で殴り殺したなどという推論は、物理法則に反するから、「事実」として認定しないということだ。
次に強いのは物証である。
例えば、殺害に使ったと思われるナイフに指紋やDNAがついていた。事件後についた可能性が排除できれば、これは犯人特定の有力な物証となる。
次に強いのは、文書記録である。
例えば、ある容疑者が、事件が起きた当日の同時刻に、勤務先の会社の会議で発言した記録が残っていた。これはこの人が犯人でない「アリバイ」として有力な証拠となる。ただし、議事録をまとめた筆記者あるいは会社ぐるみで、共犯者だとするとこれも「アリバイ」にはならない。だから、こういう記録の客観性や真実性が検証されねばならない。
そして、証拠として最も弱いのが、当事者の証言である。
証言者が嘘をつくこともあるし、そうした意識がなくても、ある視点から「見た」ことを、先入観や思い込みから錯覚、誤解しているケースもある。
人間の脳は、実在しないものを「見て」しまうこともある。だから、当事者の証言は確実な証拠とはいえないのだ。
注意しなければならないのは、証言者の数は、信ぴょう性とは関係ないということだ。
ぼくらは民主主義に慣れているので、数が多いことは真実性の担保であるように錯覚してしまう。しかし、数が多いことは「民意」ではあっても、そのまま「正しい」とは限らない。民主的に選ばれた政治家が、しばしば政策を誤ることは歴史を見れば明らかだ。
だが、ここで考えているのはあくまでも「事実」と認定できるかどうかの手続きのことである。「民意」とは違って、「事実」認定はもっと厳しいものだ。
当事者の証言だけでなく、客観的文書記録、物証、物理的法則のすべてが一致したとき、初めてそれは「事実」として認定される。
逆に言えば、当事者の証言があっても、文書記録がなく、物証もない、しかも物理的法則とも合致しないとなれば、それはもう「事実」ではないのだ。
ここから、「従軍慰安婦強制連行問題」「朝鮮半島出身徴用工問題」「森友学園問題」「加計学園問題」などなど、いかに朝日新聞をはじめとするオールドメディアが、厳しい事実認定を怠り、自らの先入観や思い込みで記事を書いているかがよくわかるだろう。

だが、そこを追求するのが本稿の目的ではない。
子どもたちが、こういうフェイクニュースにダマされないリテラシーを身につけるためにどうするか、という指導案を示すのが目的だ。


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<例題2>
ニュース記事とは「ある出来事」を伝えるものなので、必ず次の6つの要素が入っていなければならないとされています。これを英語の頭文字を使って、5W1H(ごダブリュいちエイチ)といいます。

WHEN…いつ
WHERE…どこで
WHO…だれが
WHAT…何を
WHY…なぜ
HOW…どのように

これらの記事の要素は、取材した事実にもとづいて書かなければなりませんが、この中でWHY(なぜ)は、記者が自分の思い込みから書いてしまう場合があるので注意が必要です。
次の(1)(2)の記事で、ア~カの要素はそれぞれ、5W1Hのどれに当てはまりますか。
当てはまるものに〇をつけなさい。

(1)
昨日のそうじ時間中(ア)、山本君は(イ)、教室で(ウ)、ふだんから青山さんが気に食わなかったため(エ)、ほうきで(オ)彼女の背中をたたいた(カ)。

ア…(1.WHEN  2.WHERE  3. WHO  4.WHAT  5.WHY  6. HOW)
イ…(1.WHEN  2.WHERE  3. WHO  4.WHAT  5.WHY  6. HOW)
ウ…(1.WHEN  2.WHERE  3. WHO  4.WHAT  5.WHY  6. HOW)
エ…(1.WHEN  2.WHERE  3. WHO  4.WHAT  5.WHY  6. HOW)
オ…(1.WHEN  2.WHERE  3. WHO  4.WHAT  5.WHY  6. HOW)
カ…(1.WHEN  2.WHERE  3. WHO  4.WHAT  5.WHY  6. HOW)

(2)
安倍首相は(ア)昨夜の(イ)記者会見で(ウ)、韓国を「信用できない」とし、※安全保障に関わる※民生品の輸出管理で※優遇措置を受けられる「ホワイト国」から外す方針を発表した(オ)。これは、※韓国大法院が、昨年、※戦時徴用工の※個人賠償請求権を認め、韓国国内にある日本企業の※資産の差し押さえを認める決定をしたことへの報復と見られる(エ)。

※安全保障(あんぜんほしょう)…外国が攻めてくるのを防ぎ、平和を守ること
※民生品(みんせいひん)…民間で使われる商品のこと
※優遇措置(ゆうぐうそち)…特別に決まりをゆるくすること
※韓国大法院(かんこくだいほういん)…日本の最高裁判所に当たる
※戦時徴用工(せんじちょうようこう)…太平洋戦争中に日本の会社で働いた人のこと
※個人賠償請求権(こじんばいしょうせいきゅうけん)…個人が会社につぐないとお金を求める権利
※資産の差し押さえ(しさんのさしおさえ)…財産を裁判所があずかること

ア…(1.WHEN  2.WHERE  3. WHO  4.WHAT  5.WHY  6. HOW)
イ…(1.WHEN  2.WHERE  3. WHO  4.WHAT  5.WHY  6. HOW)
ウ…(1.WHEN  2.WHERE  3. WHO  4.WHAT  5.WHY  6. HOW)
エ…(1.WHEN  2.WHERE  3. WHO  4.WHAT  5.WHY  6. HOW)
オ…(1.WHEN  2.WHERE  3. WHO  4.WHAT  5.WHY  6. HOW)

(3)
(1)、(2)で選んだWHY(なぜ)の部分は、記者が取材した事実だと思いますか? それとも記者の思い込みだと思いますか? 当てはまるものに〇をつけなさい。

(1)のWHY
(1.取材した事実だと思う 2.記者の思い込みだと思う 3.わからない)

(2)のWHY
(1.取材した事実だと思う 2.記者の思い込みだと思う 3.わからない)
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(つづく)