7/8ARISES(2) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日7月8日は、2012年、ヘドバ行脚ライブ@愛知ell. Sizeが行われ、2015年、TBS「ゴゴスマ」でBABYMETAL報道のあった日DEATH。

2011年度さくら学院学年末テストで、名前に“草かんむり”のつくメンバーは何人かという問題で、メンバーの名前を全員書いた挙句、本当は8人なのに2人と勘違いし、なおかつ唯一、菊地最愛を書き忘れていたSU-。
森先生「まさかの重音部に亀裂が入るというね…。中元さん、これどういうこと?」
SU-「うぅ…」
森先生「菊地、どう思う」
MOA「あー、すーちゃんって、そんなんだったんだね…」
(そこからSU-に抱き着き)「大丈夫!すーちゃん、大好きだから」
SU-(MOAと抱き合いながら、森先生に)「ホラ、ホラ!」
数あるさくら学院時代のMOA映像で、ぼくが一番好きなシーンだ。
あの小っちゃかったMOAが、出身地の名古屋で、20歳の凱旋聖誕祭を終えた。
7月7日(日)17:50~19:00、ポートメッセなごやBABYMETAL ARISES BEYOND OF THE MOON Legend-S-二日目が行われた。
セットリストは、以下のとおり。
1.Road of Resistance
2.メギツネ
3.Elevator Girl
4.Distortion
5.シャンティ(仮)
6.Starlight
7.シンコペーション
8.YAVA!
9.PAPAYA!!
10.ギミチョコ
11. KARATE
12. ヘドバンギャー!!!(MOAが「♪20歳の夜を~」と歌う)
(ムービーOdyssey to Galaxy)
13.「シャイニングラブ(仮)」(MOAが黒いギターを弾き、ダンスする中SU-が歌う)
15.    アルカディア
メンバー:SU-METAL、MOAMETAL+KANOMETAL
神バンド:下手ギター大村神、ベースBOH神、ドラムス青山神、上手ギターLeda神
セットリストは昨日と全く同じだが、随所により練り上げられた新生BABYMETALの姿が見られた。
開場は定刻通り16:00で、Sから始まる超モッシュッシュピット、Mから始まるモッシュッシュピットとも順調に入場していく。
LVと連動しているため、客席後方に吊られたカメラブースにカメラマンが昇っていくたびに歓声が起こる。
17:30にアナウンスが入り、17:50ごろ客電が消える。大歓声。
昨日と同じく、ノストラダムスの大予言をパロディとしたMOAによるナレーション(英語)が始まる。
「1999年7の月、空から恐怖の大王が降りてきて…エンジェルモアを蘇えらせた。この荒れ果てた星を救うXX世代(ゴールデンエイジ)の救世主(メシア)となる…」
花道先端の正八面体が赤く光る。この中にMOAが入っていることはもう知られているので、会場には野太い「MOA!」の声が響く。
正八面体が割れると中からBABYMETALロゴの「蝶々」が舞い上がる。今日はちょっと手間取り、スタッフが羽を広げる一幕も。
舞い上がったロゴ蝶々の内側にはMOAがいる。ゆっくりと羽ばたきながら舞台へ向かっていく。割れんばかりの拍手と「おめでとう!」の声。
昨日と同じ演出だが、やはり神々しい。広島Legend-S-は、キツネ男たちが円形ステージに乗ったSU-を引き、「In the Name of」に突入するというスペクタクルなものだったが、BABYMETALロゴを羽にして飛行するMOAもファンタジーに満ちてステキだった。
MOAは小学校5年生の頃から、ずっとBABYMETALを背負ってきたのだから。
「Are you all ready to head bang?」「Let me ask you again. Are you all ready to head bang?」
「A new era begins here in Japan…Japan…Japan…」に続いて、1曲目「Road of Resistance」のイントロがかかり、BABYMETALロゴ旗を担いだ三人がステージ中央に立った。今日の「選ばれし勇者」は、KANOMETALだった。
SU-がいつものようにピットを分けるしぐさをすると「W・O・D! W・O・D!」の声。
「1234!」の掛け声から曲に入ると、早くもいくつかのピットで高速サークルモッシュが発生。後輩KANOMETALのダイナミックなダンスに、MOAMETALも笑顔とともにキレのある動きで気合を見せる。曲終盤、「♪答えはここにある」で、ステージを指さすMOAがアップになる。観客と共にあるライブこそ、BABYMETALの命である。MOAはそのことをよくわかっているのだ。
新曲「PAPAYA!!」や「シャンティ(仮)」のアジア風ダンスメタルの楽しさ、サードアルバム『METAL GALAXY』のリリース予告と、バラエティに富んだ新たなBABYMRTAL像の提示、メタル銀河を巡るパワーメタルのテーマ曲「アルカディア(仮)」の投入など、横アリ以降、新生BABYMETAL像が鮮やかに提示された。
“三人目”として元モー娘。で、アスターズスクール広島ではSU-の同級生だった鞘師里保や、さくら学院の現役生徒会長藤平華乃が参加したことは、「アイドル」界でも話題となり、新たなファンの堀り起こしにつながっている。
2018年には、さんざん「オワコン」と言われたBABYMETALだが、今回ポートメッセなごやには、2019年のTHE ONEのTシャツを着て物販に並び、購入したLegend-M-のTシャツに着替えて待機列に並ぶ観客が非常に多かった。
同時刻に展開されたライブ・ビューイングは全国40会場に上る。
MOAMETALの聖誕祭たるこの日、2019年7月7日は、新生BABYMETALの誕生日といっていい。
それもこれも、どんな苦境にあっても「♪答えはここにある!」とステージを指さし続けたSU-とMOA、神バンド、サポートダンサー、スタッフの顔笑りによるものだ。
そして、『anan』のインタビューで、ライブに足を運び続けたファンを含めて「チームベビメタ」と言ってくれたMOAに、心から「ありがとう」「おめでとう」と言いたい。
「♪Wow Wow Wow Wow…」とシンガロングしながら、そんなことを考えていたものだから、ぼくはさっそく涙ぐんでしまった。
2曲目「メギツネ」。八角形ステージが花道を移動してくる。和楽器によるイントロでMOA&KANOの生徒会長コンビが、狛キツネポーズを決める。それにしても二人とも見事にしなやかなキツネっぷりである。そしてヘヴィなリフから、「♪ソレ、ソレ、ソレ、ソレソレソレソレ!」と煽ると会場は熱狂の渦に。
間奏部で、SU-が叫ぶ。
「なごやー!」
そしてすぐに「ハッピーバースデイ!」と言うと、MOAが「ハタチになったよ!ありがとう!」と返す。会場からは割れんばかりの歓声と拍手。
もうダメですね。オジサンはまたまた号泣してしまう。見ると周りにもタオルで目をぬぐっている人が何人もいた。


3曲目「Elevator Girl」。都会的なピアノのコード弾きと、オートチューンのSU-の声。
KANOMETALのダンスは、キレがいいだけでなく、表情やMOAとのアイコンタクトが豊かで、やっぱり“アイドル”という華やかさがある。
正面スクリーンの三人のダンスは、その場でCG加工されており、赤い枠のエレベーターで上下する不思議な演出になる。やっぱり見ていて楽しい。こういう点、やはりBABYMETALは、ただのメタルバンドではないのだ。
ポップなエレガが終わると、ドラムスとDjentなギターリフが不穏な感じで響き渡る。
4曲目「Distortion」である。
5回目で「♪Wow Wow Wow Wow…」というコーラスが入り、バンドの演奏が始まると、いくつかのブロックではサークルモッシュが発生。
間奏部、SU-は満面の笑顔で「Clap your hands!」と客席を煽る。そして裏拍で「Sing!」と叫ぶと、客席は「♪Wow Wow Wow Wow…」と歌う。
2018年はこの曲とともにあった。だが、それはどこか奮い立つような悲壮感に満ちていた。
だが今年は違う。「汚いセカイ」にあっても喜びの感情があふれてくる。叫び続けよう。この世界が壊れても。
正面スクリーンに黄色い万華鏡模様。シタールとタブラの響き。
5曲目「シャンティ(仮)」である。
そういえば、今日は正面ロビーで、ハリウッド、白狐祭り、巨大キツネ、広島、幕張などいろんなライブ会場で出会ったメイトさんが大集合したのだが、なぜかみんなでゾロゾロとカレー屋さんに行ってしまった。するとそこには長蛇の列ができていた。これも「シャンティ」の暗示効果だったのか。(^^♪
「♪ドンドコドンドコ…」のリズム。ファルセットを使ったコブシのようなSU-の歌い方。MOA、KANOのインド風ダンス。「♪ライララライララライライライ」という合いの手。中盤の3・3・3・4の変拍子。癖になる。
熱帯アジアの風に浮かれた場内が静まり返ると、青いレーザー光が客席の頭の上を幾重にも飛び交う。遠くから「♪ラララ、ラ・ラ・ラ・ラーラ…」というコーラスが聴こえてくる。
6曲目「Starlight」である。
これもまた2018年を象徴する曲だ。故・藤岡幹大氏に捧げた曲だが、YUIMETALの脱退にも重なっている。
2018年10月、BABYMETALはどん底だった。星に祈るしかなかった。だが、あの時見上げた「メタル銀河」を、今年BABYMETALはサードアルバムのタイトルにした。
思えば、2014年の欧米デビュー時の「紙芝居」も、東京ドーム5万5千人のコルセットの星々も、レッチリのOAとして巡ったアメリカでスマホライトの点灯で演出した夜空も、巨大キツネ祭りのスクリーンで観客の姿が宇宙に重なった演出も、BABYMETALは常にメタル銀河とともにあった。
2014年の欧米デビューからBABYMETALにとって「星の導き手」だった小神様が、星となって優しく見つめているからこそ、「メタル銀河を巡る旅」がテーマになったのだ。悲しみに沈むのではなく、悲しみに会いに行く。そこに道が拓ける。
しばし感慨にふけっていると、正面スクリーンには打って変わってハレーションのような映像が映り、遠くから闇を切り裂くようなリフが聴こえてくる。心臓の鼓動が速くなってくる。
7曲目「シンコペーション」である。
「スキ、キライ、スキ、スキ、キライ、スキ!」という合いの手を、今はMOAだけが歌っているが、ヘッドセットをつけていないKANOもアップの映像を見れば、大きな声で歌っている。その真剣なまなざしが、限りなく愛おしい。
続くのは8曲目「YAVA!」
昨日はRIHOのダイナミックさに比して、MOAの気品が目立ったと書いた。
今日はKANOとの対比だ。やはり、ぼくの仮説は間違っていない。若いKANOが弾けるようなダイナミックさを表現しているのに対して、MOAはエレガントに踊っている。
かつてMOAのダンスは、脚の開き方、手先の表現や腕の動かし方が、実にダイナミックで、自然に踊っていても華麗に見えてしまうYUIとは対照的だった。
今、MOAのダンスは、力が抜けているのにしなやかで、優雅に見える。
その代わりに、どこか求道者の趣さえあるRIHOの全身バネのようなダンスや、若く、弾けるようなKANOのダンスが「ダイナミック担当」で、MOAは「エレガント担当」になっているのだ。
立場上そうなってしまうのか、今回、相当体を絞ってきたからなのか、はたまた、ぼくがそう見てしまうからなのかはわからない。
だが、それは間違いなく“芸の進化”だ。表現者たろうとして気迫に満ちているのも清々しく好ましいが、今のMOAは、要所要所をキメながらも、微笑みを忘れず、全体としては優雅に見えるのに、観客の目を一身に惹きつけてしまう。その存在感は、修練と経験を積んだ者にしか到達できない境地だと思う。
ポップな「YAVA!」で、十分楽しんだあと、またエスニックな弦楽器の響きと、素朴な笛によるメロディが聴こえてくる。やっぱりアジアだ。灼熱のインドとは違い、モンスーンの湿地帯のイメージ。このへんで、もうみんなタオルの用意。
いきなりキーボードによるイントロのメロディが流れると、客席は「パッパパパヤ!」と叫ぶ。花火を噴出しながら花道を移動していく八角形ステージの上の三人は笑顔あふれ、SU-の「♪踊れ!踊れ!」の歌声に、観客全員がタオルを振り回す。
今日もタイ人ラッパーF.HEROはスクリーン出演。MOAとKANOの踊りは盆踊りだ。タイは仏教国だから、これでいいのだ。「パ、パパヤ!」
踊り狂った熱気が残る会場に「Give me…」というグロウルが響く。
10曲目「ギミチョコ!!」である。
今日のMOA情報。
その1。「♪あたたたたーた…ズッキュン」「♪わたたたたーた…ドッキュン」は、最後まで息が切れず歌い切った。
その2。「♪チョコレート、チョコレート、チョチョチョチョウダイ」のところのポージングダンスは、ちょっとだけ上から見下ろす感じで、メチャメチャ美しかった。
その3。1番が終わり、チョコを食べる表情は、作り顔じゃなくて、ナチュラルな微笑みで、これまた、とんでもなくキレイだった。
その4。そこからの頭指差しダンスも、KANOがダイナミックなのに、MOAは限りなくエレガントだった。
その5。今日のMOAによるSU-のホッペツンツンは1センチ。
番外。その時SU-は反対側のホッペをぷくっと膨らませ、大きな目をくりくりさせた。その表情が死ぬほど可愛かったよー。
11曲目「KARATE」。
この曲でのMOAとKANOの“双子感”は、ハンパなかった。「セイヤ、セセセセイヤ」のときの二人の手の角度、正拳突きや足の運び方シンクロ度。ツインテールの揺れ方さえもほぼ一緒だった。助け起こされた時のMOAの表情とSU-のまなざし。そしてSU-がKANOの腰に手をやり、MOAがSU-の方を抱いて、三人が前へ進むときの迫力。
あれを見て泣いたという人も一人や二人ではなかった。やはり「KARATE」は名曲である。
雷鳴。不気味なパイプオルガンの音。
12曲目「ヘドバンギャー!!!」。
1番が終わり、土下座ヘドバンのシークエンス。SU-がMOAにマイクを渡すところは、昨日よりシリアスな感じだった。
八角形ステージの中央に仁王立ちするMOA。滅茶滅茶奇麗である。
もちろん、客席は土下座ヘドバンの嵐。
そして「♪ハータチのよーるを忘れはしない」と歌いだしたMOA。
場内が聞き惚れるシグネチャーボイス。
最後の「♪もう二度と、戻“れ”ない」のところで、MOAは微笑んでくれた。
「戻れない」と自覚するからこそ、「今」を大切に生きるという決意ができる。
MOAは大人になった。心からおめでとうと言いたい。
ここで、ムービー「Odyssey to GALAXY(仮)」となる。
シンセサイザーによるこの曲のコード進行は、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」に似た下降クリシェでできている。横アリとなごや四日間を通して見えてきたのは、このムービーには、Odyssey、Galaxyだけじゃなく、Heavy Metalとか、Neck Brace(コルセット)とか、これまでのBABYMETALキーワードがちりばめられているということである。
それがEDMの曲調で、デジタルっぽく表現されているということは、うがった見方をすれば、BABYMETALが今後、「メタル」という枠にとらわれず、EDM的、テクノ的な曲調もどんどん取り入れ、よりメインストリームに対応していくという宣言かもしれない。
壮大なオケに続いて、ステージ中央に、黒いアコースティックギターを抱えたMOAが現れる。6/4拍子で、コードストロークしたあと、ギタースタンドから離れ、一人ダンスで表現をし始める。そこへSU-が現れ、「♪昨日、今日、明日、どこまでも続く道…」と歌いだす。
「♪シャイニングラブ、さあ行こう」「♪シャイニングスター、どこまでも」という歌詞は、やはり「METAL GALAXY」のテーマだろう。SU-の最高音はやはり只者ではない。
またしても劇的なオーケストラによる前奏曲から、最終曲「アルカディア」が始まる。
構成がだんだんわかってきた。
イントロはツインギター。
ぼくが聴き取った歌詞は以下のとおり。
SU-「ああ、小さな胸に宿る(不明)」「ああ、まぶしく光り宿る輝きは切なく(不明)」
MOA「グローリアス、Just be anbitious」SU-「誇り高く旗を掲げて」
MOA「グローリアス、Just be anbitious」SU-「星の欠片を抱いて…」
SU-、MOA「今、have a Dream放て、of your life 動き始めた未来の器」
SU-「君の」MOA「君の」「SU-「中に」MOA「中に」ある…」
SU-、MOA「今、have a Dream放て、On the star青き宇宙の彼方へ、はるか遠く、目指すは夢のアルカーディアー」
というようなポジティブでロマンティックな感じ。MOAは合いの手というよりコーラスで、SU-との掛け合いになっている。
間奏部は、リフからツインギターへ。
Cメロの「♪光より速く、鋼より強く、使命の導きおそれなく…」という歌詞もカッコイイし、ツインギターのハーモニーも美しい。どこか東洋的なドラゴン・フォース節の「ROR」より、この曲の方が正統派っぽい。早くMVが見たいよー。
最後の「アルカーディアー」から、転調、転調でフィニッシュ。
SU-はニコニコ顔で、「We are?」と叫び、観客は「BABYMETAL!」と叫ぶ。
二度目のところで、SU-はマイクをMOAに向ける。MOAは「We are?」と叫び、「言えた!」と叫ぶが、“いじわる”とでも言いたげに笑顔でSU-を見る。SU-がマイクをスカしてしまった東京ドーム最終日のことを言っているのだ。
KANOの笑顔も弾ける。もし、正式にメンバーになれば、五年後、Legend-K-が見られるわけだ。
いずれにせよ、横アリから始まった2019年の新生BABYMETALの第一ステージ、名づけて「日英弾丸ツアー」は、本日で完了した。


次は8月の台湾、サマソニ舞洲&幕張。
メンバー、神バンド、スタッフの皆さま、お疲れさまでした。とりあえずゆっくりお休み下さい。
また、古参から新規さんまで、今回BABYMETALのライブに注目して追っておられた皆さま。お疲れさまでした。明日から仕事です。
新生BABYMETALの戦いは始まったばかり。
この先、どこまで駆け上っていくか。どんな状況でも見守っていきたいと思います。
ぼくは、BABYMETALの味方です。