全米1位になる日(5) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日6月7日は、2016年、ドイツ・ケルン公演@Live Music Hallが行われた日DEATH。

『SUKIYAKI and Other Japanese Hits』がビルボード200(Top Lps)で14位となった頃、坂本九は作詞:永六輔、作曲:いずみたくによるもうひとつの代表曲「見上げてごらん夜の星を」をリリースし、続いて「東京オリンピック音頭」をレコーディングした。
前回も書いたが、翌年1964年には東京オリンピックが開催された。
BABYMETALの3rdアルバムは今年リリースされるが、来年2020年は東京オリンピックである。なぜかタイミングが一致する。これもキツネ様のお導きというものだろう。
とはいえ、現実は厳しい。
3rdアルバムに収録されると思われる曲で、現在までに披露されているのは、「In the Name Of」(インスト)「Distortion」「Elevator Girl」「TATOO」「Starlight」の5曲である。
このうち「Distortion」「Elevator Girl」「Starlight」はすでに配信シングルとしてリリースされている。
まだウィキペディアには記載がないが、これらの楽曲のチャート成績はどうだったのか。
はっきり言って、米ビルボードHot100には程遠く、ビルボードJapan Hot100でも上位とはいいがたいのが現状である。


2019年5月10日リリースの「Elevator Girl」は、5月20日付ビルボードJapan Hot 100に初登場した。
ビルボードJapanのランキングは、CDの売り上げ枚数、ダウンロードとストリーミング、YouTubeの視聴件数、ラジオリクエストなど様々な指標を総合ポイントに換算して集計される。
「Elevator Girl」は1069ポイントで42位だった。(オリコンは34位)
http://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=hot100&year=2019&month=05&day=20
この週の初登場1位はONE N' ONLYの「Dark Knight」で7065ポイント。同じく初登場のMan With A Missionの「Remember Me」は3816ポイントで7位だった。
同じビルボードJapan Hot100で比較すると、2018年10月19日リリースの「Starlight」は1150ポイントで41位(同年10月29日付)、2018年5月7日リリースの「Distortion」は2881ポイントで6位(同年5月21日付)だった。
さらにさかのぼれば、2016年2月26日リリースの「KARATE」が1771ポイントで17位(同年5月2日付)、2013年6月19日リリースの「メギツネ」が16位(同年7月1日付)、2013年1月9日リリースの「イジメ、ダメ、ゼッタイ」(同年1月21日付)が14位だった。
「Distortion」は、藤岡神逝去の悲しみを振り切り、2年ぶりにシングル曲を配信したBABYMETALへの期待によってビルボードJapan Hot 100での最高位をつけたが、YUIMETALの脱退以降の「Starlight」、「Elevator Girl」は、残念ながらBABYMETALのシングルとしては最も低い順位である。
もっとも、BABYMETALのシングルはフィジカルのCDパッケージがないし、「Elevator Girl」では、3rdアルバムのリリースが4月1日にアナウンスされており、YouTube動画さえ公開されていないので、致し方ない面もある。
だが、ぼくは「Elevator Girl」でYouTubeオフィシャル動画をアップしなかったのは、運営サイドの意図的な施策だったと考えている。
後述するが、ビルボード社の集計ルールではYouTube動画の視聴件数も集計対象となる。
前述したように、「Elevator Girl」はビルボードJapan Hot 100で、1069ポイントだったが、「Distortion」や「Staralight」とは違って、YouTube動画がアップされていないので、この数字はiTunes、amazon、Google Play Musicなどのダウンロード数+Apple Music、Amazon Music Unlimited、AWAなどのストリーミング数÷1500のみによるポイントである。
つまり、現在のBABYMETALの新曲は、ダウンロードとストリーミングだけで1曲あたりどのくらい見込めるかということがはっきりしたわけだ。
「Elevator Girl」は、2018年に初披露された曲の中で、最もポップ色が強く、いわば「軽い曲」である。「KARATE」が『Metal Resistance』で果たしたような、3rdアルバムのリードシングルという位置づけではないはずだ。たとえは悪いがOne of Themだ。
これが最低値で1000ポイントだとして、ニューアルバムが11曲とすると、現在までにリリースされている3曲を除いた8曲×1000ポイントで、最低8000ポイント(ユニット)が見込める。
ニューアルバムをリリースすれば、ライブ連動のフィジカルCD売上7万枚に8000ポイント程度が加わる。その「検証」だったではないか。
これにYouTube動画が加わるとどうなるか。
ぼくが2か月置きくらいで集計しているYouTubeオフィシャルPVの6月6日現在の視聴件数を見てみよう。
①のべ視聴回数(万回)②アップロードからの日数 ③アップロードからの30日平均視聴件数 ④前回4月15日からの30日平均視聴件数
●ド・キ・ド・キ☆モーニング(2012/11/8)
①2353②2401③29.4④10.4 
●いいね!(2012/11/8)
①1583②2401③19.8④8.1 
●ヘドバンギャー!!(2012/11/8)
①1633②2401③20.4④11.5
●イジメ、ダメ、ゼッタイ(2012/11/26)
①2314②2383③29.1④13.8
●メギツネ(2013/6/4)
①5759②2193③78.8④52.5
●ギミチョコ!!(2014/2/25)
①10314②1927③    160.6④102.7
●Road of Resistance(2015/5/6)
①2118②1492③42.6④28.3 
●イジメ、ダメ、ゼッタイ(Sonisphere 2014)(2015/8/26)
①930②1380③20.2④12.7
●KARATE(2016/3/17)
①5044②1176③128.7④58.3
●THE ONE(2016/3/26)
①1165②1167③29.9④10.4
●Distortion(2018/5/7)
①648②395③49.2④15.6
●No Rain No Rainbow(2018/5/31)
①184②371③14.9④6.9
●Distortion(Download 2018)(2018/9/28)
①170②251③20.3④15.0
●Starlight(2018/10/19)
①322②230③42.0④19.6
●合計
①34537②2349③    441.1④365.8
BABYMETALのオフィシャルPVは、延べで3億4537万回視聴され、月平均441.1万回、直近30日間でも365.8万回視聴されている。
これらの数字の中で最も大事なのは、直近の30日間視聴件数である。
上位3曲を前回の1月20日~4月15日の30日間視聴件数と比較してみると、
「ギミチョコ!!」直近102.7万回/前回112.6万回
「KARATE」直近58.6万回/前回69.9万回
「メギツネ」直近52.5万回/前回55.4万回
と、「ギミチョコ!!」「KARATE」の“飽きられ方”が大きく、一番古く和風色の強い「メギツネ」の減少幅が少ないことがわかる。
2018年にアップされた「Distortion」は、延べ623万回に達しているが、直近15.6万回/前回15.2万回、ライブバージョンの「Distortion」(Download 2018)は、延べ170万回、直近15.0万回/前回13.4万回と視聴件数が増えている。
一方「Starlight」は、延べ322万回で、直近30日は19.6万回と「Distortion」よりやや多いが、前回は23.3万回だったため、“飽きられ方”がやや早い印象である。


これが現在のBABYMETALのYouTubeオフィシャルPVの視聴件数である。
『Hoodie SZN』の8300万回=5万5300ユニットとはかけ離れている。「ギミチョコ!!」はのべ1億回を超えているが、それは5年かけて到達したものだ。
だが、『Hoodie SZN』は20曲入りである。
ダウンロード、ストリーミング、YouTubeの視聴件数を稼ぐなら、曲数が多いのは圧倒的に有利だ。20曲は極端としても、有料配信と無料オフィシャル動画を並行する楽曲をできるだけ増やしたらどうか。
ビルボード社の集計ルールでは、YouTubeの動画もISRCの付番をしていれば集計対象になる。別バージョンや二次使用でも「PPAP」や星野源の「恋ダンス」映像のように、著作権者の許諾を得てISRCの付番をすればカウントされる。
手元に正確なデータはないが、「KARATE」や「Distortion」のYouTubeオフィシャルPVは、動画アップ直後の1週間で数百万回に達したはずだ。
例えば、現在アップされていない「Elevator Girl」を含め、新曲の無料YouTube動画を一気に5曲アップしたらどうなるか。各曲300万回程度の視聴件数があれば、YouTubeで1500万回=1万ユニット稼げる計算になる。
ライブ連動のフィジカルCD7万枚、ダウンロード+ストリーミングの8000ポイントと合わせて8万8000ユニット。
1月5日付けの全米1位『Hoodie SZN』の5万8000ユニットは超えるが、まだまだ目標の20万ユニットには程遠い。
トップ10には入るだろうが、やはり現状では幸運に恵まれない限り全米1位は見えてこない。そして、トップ10では日本人最高位とはならないのだ。
2018年11月10日付で、神戸出身で、アメリカ在住の日本人とオーストラリア人のハーフ、元コメディアンのシンガーソングライターJojiが、『Ballad 1』というアルバムで、R&B/ヒップホップ部門1位、総合3位にランクされているからだ。
(つづく)