ヘヴィメタルへの道(1) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日4月21日は、2016年、APOCRYPHA-Only Fox God Knows@新木場Studio Coastが行われ、同日、TV朝日「Mステ」に出演し「KARATE」を披露、欅坂46と共演した日DEATH。

Asmartから2019年度THE ONEのTシャツとステッカーが到着しました。

今日は復活祭なので、新たな気持ちでコードの更新を行うに相応しく、ちょっと嬉しい。
いよいよ2019年度の始まりDEATHね。
実は先週木曜日の午後、靴下の先っぽを直そうと右手を左足にもっていった瞬間、ギックリ腰を発症した。背筋を伸ばして歩こうとすると、激痛で右足を上げられないという状態になってしまい、その後仕事を続けたのだが、金曜日の朝はいよいよベッドから起き上がれなくなってしまった。
午後の授業は座ってこなしたものの、夜中のトイレは辛かった。
週末はできるだけ安静にしていたが、今でも、少し不注意に腰を屈めたり、ひねったりすると電気が走る。
一カ月前はダウンロードで終日オールスタンディングを耐えたのに。
ジジイだな。
前にもやったことがあって、ちゃんとたんぱく質や葉酸をとり、数日間安静にしていれば治ることはわかっているので、とりあえずパソコン仕事とそろりそろりの安全歩行。
さて、今週のお題は、「ヘヴィメタルへの道」。
といってもロック史というわけではなく、日本人というか、ジジイであるぼくらの世代の日常に、いかにしてロックが根づき、メタルが入ってきたかの考証である。
今でもそうだと思うが、子どもはイヤイヤ習う学校の音楽よりも、特撮・アニメの主題歌の方が親しみやすく、大好きなものだ。
ポスト団塊=テレビ第一世代であるぼくらは、こうした子ども番組の主題歌で、ロックのサウンドを受け入れ、スタジオ・ミュージシャンが奏でる、ファズやディストーションのかかったギターソロをカッコいいと思い、デスメタル的なコード進行に不気味さを感じていたのだ。

アニメタルが、メタル氷河期にメタル復興の橋渡しをしたように、日本人の日常生活にロックやメタルという音楽を定着させたのは、子ども時代に聴いた特撮やアニメ番組の主題歌ではなかったか。

ぼく自身も、まったく意識することはなかったが、ロックやメタルに惹かれていったのは、テレビの子ども番組の主題歌からではなかったか。子ども番組の主題歌は、当時の大衆音楽の影響を強く受けていたので、それらを聴くことによって、ぼくらは自然にそのサウンドを身に着けていったのだ。

それでは、
問1 日本の子ども番組の主題歌で、もっとも早く、エレキ・ドラムス・ベースのバンド構成が導入されたのは?
問2 もっとも早く、8ビートのロックンロールが導入されたのは?
問3 もっとも早く、ブルーノートのアドリブ・ギターソロが導入されたのは?
問4 もっとも早く、デスメタルのコード進行(Ⅵm→Ⅳ7)を導入したのは?
問5 もっとも早く、金管楽器の入らない、フルメタルサウンドになったのは?

元ネタは、YouTubeの「日本特撮・アニメ・TVの歴史」。
https://www.youtube.com/watch?v=ReHWyI0LVD8
この動画は、1954年の映画『ゴジラ』から、テレビの特撮ヒーロー番組、子ども向けアニメの主題歌を年代順に並べたもので、各曲が1コーラス、数十秒間だけ紹介されている。著作権の問題があるかもしれないが、この動画には歴史的な資料の側面があり、研究対象になりうると思う。

●1954年~1965年
1954年の映画『ゴジラ』から、1957年のラジオドラマ『赤胴鈴之助』、1958年の『月光仮面』、『遊星王子』、1959年の『少年ジェット』『まぼろし探偵』『七色仮面』『豹の眼』、1960年の『海底人8823(ハヤブサ)』『怪傑ハリマオ』『アラーの使者』『ナショナルキッド』まで、主題歌の伴奏はフルオーケストラ、歌は少年少女合唱団が圧倒的に多い。ドラムの音も、エレキの音も聴こえない。曲調は短調2/2の行進曲。
1963年1月1日に始まった『鉄腕アトム』は、日本初の連続アニメで、垢抜けた感じがするが、それは長調になり、スネアドラムの音が前面に出たというだけのことで、フルオケ、少年少女合唱団、行進曲という枠組みは変わっていない。
ところが、同じ1963年の9月に始まった『仙人部落』というアニメの主題歌は、明らかに違う。まず、曲調が4ビートのジャズで、電子音(当時はまだシンセサイザーはなかった)によるサイケな効果音が入っている。それもそのはずで、『仙人部落』は小島功のお色気4コマ漫画をベースにした大人向けの日本初の深夜アニメ(フジテレビ)だった。だから当然、ぼくらの世代はこれを見ていない。
ぼくが見ていたのは、1963年10月に始まった『鉄人28号』と11月に始まった『エイトマン』だった。フルオケ、長調の行進曲だったが、『鉄腕アトム』と違うのは、合唱団が男声コーラスになった点だった。勇壮な感じがして、力強い感じがしたものだった。
さらに新しかったのは、同じく11月に始まった『狼少年ケン』だった。
パーカッションのアフリカンリズム、変拍子の「♪ワーオ ワーオ ワオー!」という少年の雄たけびに続いて、「♪ブバンバ バンボン ブンボ バンバ ババボン ブバンバ バンボン ブンバボン」という男声バスのソロ。そこから少年少女合唱団による主旋律に入っていくのだが、伴奏はラテン・ビッグバンドで、パーカッション、ドラムス、ベースが入っている。まだロックには程遠いが、ようやく「軽音楽」レベルになってきた。
ちなみに『狼少年ケン』は関東では東京12チャンネルが、繰り返し再放送していたから、ぼくらの世代ではもしかしたら一番よくみられていたアニメだったかもしれない。
そして子ども番組主題歌史上、もっとも早く、エレキ、ベース、ドラムスのロックバンド構成&8ビートになった番組が、1964年1月から始まった『忍者部隊月光』だった。


「♪ズンタタ ズンタ ズンズタ ズンタ」という8ビートのロックンロールのリズムにのって「♪風をー 切る!」という男声コーラスには1オクターブ低い男性バスも混じっている。声変わり前のオトコノコは、「カッコイイ!」と思ったのだ。
さらに1964年6月から始まった『少年忍者風のフジ丸』では、フルオケ、短調、行進曲調にもかかわらず、メインのメロディはクリーンなエレキギター(おそらくフルアコかセミアコ)が弾き、男性のソロボーカリストが歌っている。
NHKでは『ひょっこりひょうたん島』が始まっていた。「♪ひょっこりひょうたん島」というサビは誰でも知っていると思うが、この曲は、転調が繰り返され、長調-短調もはっきりしない前衛的な曲である。ちょっと「Elevator Girl」に似ているね。
8月に始まった『ビッグX』は、フルオケ、長調、行進曲という手塚作品らしいアニメだが、ソロボーカルを少年が歌っているのがやや新しい。


1965年1月に始まった『スーパージェッター』は、「♪ぼくはジェッター、1000年の未来から時の流れを超えてやってきた。流星号、応答せよ、流星号。よーしきたなー行くぞ!」
というセリフから始まるが、そのバックには「♪ジャンジャカ、ジャンジャカ…」というアコースティックギターが奏でられ、そこへおそらくシングルコイルのソリッドギターと思われるエレキギターのサーフロック的なグリッサンド音(♪ビロビロビロビロ…キュウン)が効果音として使われている。まだエレキの音はクリーンだが、徐々に「ロック的」な要素が、カッコよさとして利用されているのがわかる。
もちろん、当時のぼくにはそんなことはわからなかったが、1965年といえば、ベンチャーズが2回目の来日でブームを巻き起こす年である。あのグリッサンド音は、実は最新のロック表現だったのだ。
(つづく)