ちょっとチガウ | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

―May the FOX GOD be with You―
★今日のベビメタ
本日5月31日は2013年、2nd シングル「メギツネ」Special Trailerが公開された日DEATH。
 

昨日のサッカー日本代表ガーナ戦を見た。

ホームゲームで、しかもロシアワールドカップの壮行試合なのに0-2で負けた。

スターティング・メンバーは本田、長谷部、長友、川島といったベテランが中心だったが、いくら中盤でボールを回しても、勝てる気がしなかった。
ベビメタとは関係ないように見えて、ちょっとだけ関係するので書く。
評判の悪いハリル・ホジッチ前監督や、日大アメフト部前監督擁護にとられてもしかたのない部分があるので、嫌いな人は読み飛ばしてください。
昨日の試合で、ハリル・ホジッチ前監督がやろうとしていたロングフィード一発、カウンターサッカーという方針が「弱者の戦略」として正しかったことがはっきりしたのではないか。
ガーナはフィジカルが強く、守備の規律もとれていて、いいサッカーをしていた。セットプレーとPKによる得点だが、勝って当然だった。
サッカーのような接触スポーツは、基本的にフィジカル勝負であり、削りあいもしくは潰しあいを避けては通れない。だから、体が大きく、足が速く、スタミナがあり、かつクレバーな選手をそろえた方が勝ちだ。「きれいなサッカー」なんて、単なる自己満足に過ぎない。スポーツなんだから「教育的」である必要もない。
アメフトの違反タックル問題に関しても、ぼくは違和感を抱いている。

日大の監督やコーチによる「相手を早い段階で潰せ」という指示は、「戦争」ともいわれるアメフトというスポーツの特性において当然のことだと思う。そういうと批判を浴びそうだが、危険タックルで負傷した関学の選手は退場したが、この時点で、レフェリーは怪我をさせた日大選手を退場させていない。その後5プレー目にラフプレーが「目に余る」ために当該選手を退場させたというのが試合経過だ。

例によって「良識」を振りかざして問題に火をつけたメディアがどういおうと、あれは、アメフトというスポーツのルールの中では、起こりうるプレーだと考えねばならない。今回の事件をセンセーショナルに報道することで、日本大学そのものの評価に影響し、就活や入試にも影響があるなんてのは、メディアの暴走以外の何物でもない。
あくまでも報道を見たうえでの個人的見解だが、自分の頭で「やりかた」を考えずに、本当に無防備な背後からタックルして相手QBに怪我を負わせた選手にはもちろん責任があり、スターティング・メンバ―から外すなど、単純な思考しかできない心理状態に追い込んだ上で、選手にそういう指示を与えたコーチの責任は重い。
あえて酷な言い方をすれば、相手がルール無用で潰しに来る可能性があるとは夢にも思わず、つい敵に背中を見せた関学QBにスキがなかったとはいえない。NFLのプロ選手の7割以上が、強烈なぶつかり合いによって、なんらかの脳障害を負っているというデータもある。アメフトというスポーツは、ルールある格闘技なのである。油断は命取りになる。
では、アメフトとかラグビーとかサッカーのような接触スポーツが日本人に向いてないかといえば、そんなことはない。
日本人が接触プレーになじまないなんていうのは、大ウソである。日本の国技は相撲なのだから。
サッカー日本代表が、アジアの中でなら勝てるというのは、簡単な理由だ。
日本人は、アジア人の中ではデカい。
東南アジアの国でエレベーターに乗ってみればすぐわかる。日本人男性の平均身長プラスアルファしかないぼくが、エレベーターの中では頭一つ出る。
中東へ行けば、体格はもう互角だし、アフリカ勢には敵わない。それでも一時期の日本代表が強そうに見えたのは、ドリブルや、斜めの動きでディフェンスをこじ開け、低空ヘディングシュートで得点する岡崎の泥臭さと、左サイドを駆け上がる長友の超人的なスタミナ、華麗さとは程遠いガタイの大きなセンターバックが揃っていたからである。
テクニシャンのミッドフィールダーを中心とした「華麗なボール回し」だけでは勝てない。司令塔をもてはやすのは、もうやめたらどうか。日本代表で本田が輝いたのは、南アフリカWCの1トップ=フォワード起用のときだけではないか。

ぼくは古いサッカーファンなので、ドイツ式こそ最強で、当時は小柄な選手が多かったが、体格がよくなった現在の日本人に合っていると思っている。
トルシエジャパンのフラットスリーバック批判からの4・2・3・1システム論とか、オランダのトータルフットボールを源流とするクライフ流バルセロナあるいはスペイン代表風の「回すサッカー」や、「戦術」や「監督」の信奉者が日本人には多い。「アトランタの奇跡」のような「ジャイアントキリング」がハマったときには確かに見ていて面白いけど、それは1000試合のうち1つか2つ、よほど偶然が重なったときに起こる、文字通り「奇跡」に過ぎない。
それを否定するわけじゃないけど、練習次第でそれがいつでもできると思い込み、監督目線で戦術を語るなんてのは、サッカーファンといいながら、昭和の野球ファンみたいな心理じゃないか。
大谷がメジャーで驚異の的となっているのは、体がデカく、100マイル(163km)の球が投げられ、ガンガンホームランを打てるからでしょ。
BABYMETALが欧米メタル市場で活躍できたのは、SU-METALの歌唱力や、YUI、MOAのダンスや、神バンドの演奏が、真っ向勝負の剛速球だったからでしょ。

このブログで何度も書いているが、日本および日本人は小っちゃくない。極点に近づくほど大きく見えるメルカトル図法の世界地図を刷り込まれて、日本が小っちゃい島国だと思い込んでいることが、そもそもの間違いなのだ。札幌・鹿児島間は、ドイツ・ベルリンからスペイン・マドリード間とほぼ同じだ。日本は西ヨーロッパを横断するほどの長大な国土を持っている。
日本人には、特有の組織性とか、仕事の丁寧さがあるというが、それは、日本人なら誰でもが生まれつき備えているのではない。

そうした属性は、職人気質を、師弟間で受け継ぐことによって身につけていくものだが、そのベースには、仕事に人生を懸ける「ド根性」がある。それなしに、寡黙にいい仕事をする日本人らしさは語れない。

BABYMETALは、幼い頃からの過酷なレッスンとライブツアーで鍛え上げられ、パフォーマンスを磨き上げたからこそ、欧米の専門誌でBest Live Bandに選出されるまでに成長した。
ところが、日本のマスメディアは、その真価さえ見抜けなかった。

WGIPの呪縛によって精神論を「悪」であるかのように言いたがり、すべてを技術論で語りたがる良識派の物言いそのものが間違いなのだ。
サッカーに話を戻せば、JFAの仕事とは、体が大きく、足が速く、スタミナ抜群で、賢く、かつド根性のある選手を1億2000万人国民の中から見出し、育て、ズラリと揃えることであり、そのためのすそ野の拡大とプロ化ではなかったのか。
ハリル・ホジッチ前監督が進めた、フィジカルが強く、足の速い若い世代の登用は間違ってなかったと思う。
ガーナ戦を見ていて、テレビ朝日のアナウンサーも、解説者も、ぜんぜんピントがずれている気がした。メディアは、ワールドカップ出場を決めたのに、練習を公開せず、知名度のあるベテランを起用せず、対外試合で負けが続いたことで、ハリル・ホジッチ前監督を悪玉に仕立て上げた。

JFAはそれに乗って彼を解任し、大方のサッカーファンはそれを支持した。矢面に立った西野新監督こそ気の毒で、メディアやスポンサーに忖度してか、ホジッチ体制では日陰にいたベテラン選手を中心にスターティングメンバーを組み、にわか仕立ての3バックを試みたが、ガタイの大きいガーナ選手が攻め込むと、簡単に裏を取られた。

1枚多いはずの攻撃陣も、敵陣内でボールを回すだけで、ガタイのデカいガーナの強固なディフェンス、GKを崩せなかった。シュート数は上回ったが、そのほとんどはコースを切られていた。

鍛え上げられたいいサッカーをしていたのは明らかにガーナだ。

今日、ロシアワールドカップの代表選考発表があるが、昨日のようなベテラン優先だと、前回ブラジル同様、1勝もできずに帰ってくることになるだろうね。

昨日の試合が、「ボール回し」にこだわるサッカーからの訣別の契機になるといいね。

 

P.S.5月31日14:23

風野又三郎さんのご指摘を受け、「関学QBがスキを見せた」という部分を書き直しました。ぼくは衛星放送でアメフトを見続けていた時期があり、ルールもある程度わかっています。サッカーやラグビーじゃないのに、「ボールを持たない相手にタックルした」のがとんでもない危険行為だと思い込んでいる世間やマスコミの風潮に違和感を覚えているのです。