BABYMETAL RECORDS設立の背景 | 私、BABYMETALの味方です。

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-May the FOXGOD be with You-

―May the FOX GOD be with you―

★今日のベビメタ

本日5月3日は、過去BABYMETAL関連で大きなイベントのなかった日DEATH。

 

FOX DAYからひと月遅れて、5月1日に、大きなニュースが発表された。

ひとつは、新たな海外レーベルとしてBABYMETAL RECORDSが設立されること。

公式サイトの要旨は以下のとおり。

1.アメリカで新レーベルBABYMETAL RECORDSが設立されたこと。

2.共同作業者は、SLIPKNOTやMEGADETHらのマネジメントなどを手掛ける「5B マネージメント・アンド・レコーズ」および、Marilyn MansonやThe Prodigyなどのリリースを手掛けるレーベル「クッキング・ヴァイナル」の2社であること。

ニュースはすぐに拡散し、オリコン、Rockin’ On、激ロック等の国内音楽サイト、Grammy、Kerrang!などの主要音楽系サイトも一斉に報じた。

オリコンでは、公式サイトより詳しく、KOBAMETAL、5B副社長ボブ・ジョンセン氏、クッキング・ヴァイナル・アメリカ社長のハウィ・ゲイブリル氏のインタビューが掲載され、それを孫引きしているサイトもいくつかあった。

ただ、残念ながら、それらの記事では、5Bマネージメント・アンド・レコーズやクッキング・ヴァイナルとはどんな会社か、なぜRALではなく、新たなレーベルを設立したのか、SMEとの関係はどうなるのかなどを詳報したメディアはほとんどなかった。

唯一、World Press系のStraight From Japanというサイトでは、背景まで論じていた。5B社およびCooking Vinyl社のサイトを調べた結果をまじえて、ぼくなりの解釈を紹介する。

●5B マネージメント・アンド・レコーズ

正式名称は、5B Artist Management and Records。

副社長のスペリングは、Bob Jong Sen氏であり、「ジョンセン」というファミリーネームではなさそうだ。

Slipknot、Stone Sour、Lamb of Godなどラウド系ミクスチュア/へヴィメタル系を主に取り扱うマネジメント兼レコード会社。去年のKORNのツアーにStone Sour(コリィ・テイラー=Slipknot)が参加していたことから、つながりが推測できる。2016年から、アメリカにおけるプロモーションはSME傘下のREDが担当していたが、5Bの協力を得て、自前のレーベルBABYMETAL RECORDSでマネジメントするということだろう。

●クッキング・ヴァイナル

正式名称は、Cooking Vinyl USA。日本での発音は「ビニール」だと思うんだけど。

ロンドンに本社があり、メルボルン、ニューヨークに支社を持つ。

社長のスペリングはHowie Gaybrill氏。

独立系のレコード会社Essentialの一部だったが、2016年にEssentialがSony Music Entertainmentに買収され、RED Essential と改称され、RALの一部となった。そのため、Cooking Vinyl USAもRAL傘下である。

やや気になるのは、同社がイギリスを本拠地とすることで、ヨーロッパでのディストリビューション、プロモーションを委託していたドイツのear Musicとの関係がどうなるかは、不明である。

まとめると、BABYMETALはSME―RALの直轄から外れたが、レコード制作およびマネジメント会社2社と協力して、SMEアメリカ傘下のままでありながら、ある程度の裁量権を持つ独自レーベルを運営するということだ。

考えるに、『Metal Resistance』をリリースした2016年には、SMEアメリカ傘下のREDにマネジメントを、CDのディストリビューションをRALに委託し、Billboard 200の39位、CBSの番組への出演、フェスへのブッキング、APMAsへの出演、大物アーティストの前座などの成果を得たが、すべてが思い通りというわけにはいかなかった。そこで、SME傘下を離れるのではなく、より権限を強化するために、アミューズが出資して、似たような境遇にある各社の人的支援を得て現地にオウンレーベルを設立し、より綿密なプロモーションをして行こうということなのではないか。

アミューズは、国内にBABYMETAL専門のBMD FOX RECORDというレーベルをもち、マネジメント、プロモーション、ディストリビューションを行っているが、これと同じ機能を持つレーベルを、SMEアメリカ傘下に作るということだ。海外に、1アーティスト専門のレーベルを現地合弁で作るということは、アミューズとしても初めてのことだろう。

だから、これは大前進である。穿ってみれば、3rdアルバムをよりベビメタ流にリリースするための布石なのだと思う。

同時に発表された「キツネ様からの新たなお告げ」が発表された。

キツネ様に選ばれしDark Sideの7人の勇者たち「Chosen Seven」は、Metal Resistance第7章の幕開けと共に降臨するらしい。だが、その7つのメタルの魂は同じ時空(dimension)に存在するとは限らない、という。いつ、どこで、誰が、どんな形で現れるのかは、Only the Fox God Knowsだそうだ。

気になるのはわざわざ同じ時空(dimension)ではないといっていること。

Dimensionとは、「寸法、面積・体積・容積、規模・範囲、様相・程度・特質、次元」といった意味である。ベビメタらしくそれを「時空」というSF用語に意訳している。

これには2つの解釈がありうる。

ひとつは、1か月前の「お告げ」にあったようにLight Sideにいる三人=SU-METAL、YUIMETAL、MOAMETALに対して、Dark Sideにいる「Chosen  Seven」は違う役割を果たす人間であるということ。アーティストだとすればVocal or Danceではなく、バンドメンバー。表舞台でないなら、スタッフ関係(コンポーザー、デザイナーetc.)という解釈。

もうひとつは、生身の人間ではないということ。過去の人物、架空の存在かもしれない。例えば、ネット上に現れ、ライブ会場でのみ捕捉できる「ポケモンGO」のようなゲームのキャラクターみたいな。

いずれにせよ、投げかけられた「謎」は1週間後の5月8日、ミズーリ州カンサスシティ公演で明らかになるだろう。