KORN USサポートツアー5日目 | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日6月26日は、2014年、TBS「NEWS23」のBABYMETAL特集で、当時クールジャパン担当だった稲田朋美大臣と大臣執務室で対談した日DEATH。クールジャパン戦略会議には、秋元康が名を連ねていましたが、TBSはなぜか、まだ欧米ツアーに出る前のBABYMETALを指名して対談を組みました。メイトPの仕業でしょうが、慧眼でしたな。

2015年には、YouTubeのHikakin TVにゲスト出演しました。CapcomのモンストBABYMETALバージョンのタイアップ。

 

現地時間PST 6/24(土)18:20過ぎ(日本時間JST 6/25(日)10:20過ぎ)、ワシントン州オーバーンWhite River Amphitheatre(16,000人収容)で、KORN USツアー5日目が行われた。この公演はあとから追加されたもので、土曜日を無駄にしない主催者側の配慮なのだろう。

会場は、シアトルにほど近い西海岸の北部ワシントン州。遠く雪をかぶったマウントレーニアが見える。

階段状の野外アンフィシアターだが、ステージからアリーナにかけて大屋根が覆っており、その部分は陰になっている。椅子席の客席後方からさらにその後ろの芝生部分は直射日光が当たっている。今回は客席最後方からのファンカムを見た。

<セトリ>

1.BABYMETAL DEATH

2.YAVA!

3.神バンドインプロ~Catch Me If You Can

4.メギツネ

5.KATRATE

6.ギミチョコ

セットリストは、前日までと同じ。BABYMETAL登場時、客席最後方には若干空席があるが、アリーナはびっしり客が入っている。

「BABYMETAL DEATH」で三人が下手から出てきたとき、最後方の観客は椅子席で直射日光に照らされながら、地蔵然と見ている感じ。何人かは立ち上がっているが、携帯をかけながら通路を移動する客も。

よおし。出番終わりには最後方の客に歓声を上げさせ、キツネサインをさせるのがBABYMETALだ。こんなの2013年のいわみざわ公園から慣れている。

「DEATH! DEATH! DEATH!」が始まると、立ち上がっている何人かが両手を挙げた。ギターソロで拍手。曲終わりで歓声、拍手。撮影者付近の客が「DEATH!DEATH!」と言って、楽しそうに笑っている。

続く「YAVA!」。三人のダンスはダイナミック。客席後方まで「表現」が届く。届かせようとする「意志」に胸が熱くなる。曲終わり、さらに大きな歓声と拍手。最後方席でキツネサイン、メロイックサインを掲げる客はもう数人にとどまらない。

三人がいったん舞台を去り、ドラムのリズムで神バンドがステージ前面にせり出してくる。

藤岡神のギターが空気を切り裂く。その狂気のフレージングに、釘付けになったように引き込まれる観客。キーンと高音で引き継いだ大村神のギターのテクニック。観客席に「こいつら只者じゃない」というリスペクト感が広がっていくのが手に取るようにわかる。センターのBOH神のベースソロになると「ヒュー!ヒュー!」という歓声が上がる。そして青山神が圧倒的な手数のソロ途中で立ち上がった瞬間、すさまじい大歓声。

これがBABYMETAL。観客席を飲み込んだ瞬間だ。

BABYMETALは普通のメタルバンドではない。J-POPでもない。Kawaiiビジュアルと高度なダンス、ユニークな日本語の楽曲、そして神バンドの超絶的な演奏力。それらが一体となった唯一無二=Only Oneのメタルユニットである。ぼくらには数年前からわかっていたことだ。だが、初めて見る観客にとっては、実際に体験するまでは信じがたい存在なのだ。

「ハイ!ハイ!ハイ!」と入ってきた三人は、もうアウェイではない。デモーニッシュな神バンドの演奏とKawaii三人の激しいダンス、キャッチ―な曲調。観客席後方の柵前でセクシーな女性客が踊り始める。曲終わり、大歓声。「Yeah!」「ヒュー!」に「Sugoi!」という日本語の歓声も混じる。

「さくらさくら」のメロディにのせてメギツネ衣装で再登場した三人に大歓声。「That’s it!」の声も。「ソレ!ソレ!ソレ!ソレ!」が始まると、アリーナ席は左右に揺れる。

それにしても三人のダンス、片足を胸の高さにまであげつつ、上手へ、下手へ、シンクロして動くダイナミズムは圧倒的である。

ブレイク。

SU-が初めて英語で呼びかける「C’mon Auburn!Make some noise!」に客席は大歓声。

「On the count of three, jump up with the Fox God! Are you ready? 1,2,1,2,3 Jump!」で立ち上がった後方の客も笑いながら両手をあげ、ジャンプ。

熱狂タイムが終わり、静かなSEのイントロで始まる「KARATE」は、リフが始まった瞬間に大歓声が上がる。ついにアリーナ席上手後方でサークルモッシュが発生している。

SU-の「How you feeling? How you feeling, Auburn?」に客席は「ウォー」と応える。「Let us hear your voice. I can’t hear you, make it louder!」で歓声が一段と高まったところで、SU-が「We are so happy to be here on tour with KORN. We’re thanking to KORN having us.」と言い、三人は深々と客席に向かってお辞儀する。これに観客席は笑いと拍手、歓声で応える。英語で客席に語りかけ、ヘッドライナーたるKORNに感謝する礼儀正しいBABYETALという存在に、アメリカ人は魅了されてしまう。

Redditには、「あんなに礼儀正しいのはメタルなのか?」というスレッドがあったが、ほとんどのユーザーは、「あれこそBABYMETALの魅力。普通のメタルが聴きたけりゃ、サバスやメイデンを聴けばいい。」「BABYMETALの演奏は十分にメタルだし、ポジティブ。」「礼儀正しさは日本人らしさで、欧米人の握手に当たる。」「ビートルズもお辞儀してたぜ。」など、肯定的な意見だった。

「Woo…woo..woo」に後方の観客もシンガロングする。

「Everybody, Jump!」でアリーナ席はジャンプ。陽の当たる後方席では、固まっている地蔵客は冷静に見ているが、同じ席にいる小さな女の子が自然にジャンプしている。そして、握り拳をキツネサインに変えて胸に秘める曲終わりには大歓声。ああ、スクリーンが欲しい。

フィニッシュは「ギミチョコ!」イントロのSEが流れただけで、「Chocolate!」「Yeah!」の声多数。あのダンスを見て無条件に嬉しくなってしまう観客の気持ちは、ファンカムの外から聞こえてくる女性客のあげる嬌声でよくわかる。「よこせチョコレート…」のあとのYUI、MOAの「Please!」がカワイイ。アリーナ席は熱狂の嵐と化している。

曲終わり、客席後方の女性客が「キャー!」と叫ぶ。「We’re?」「BABYMETAL!」のC&Rでは、客席最後方のスタンディング客が両手を上げて大絶叫していた。

“いつものように”BABYMETALは、観客をノックアウトした。オーバーン大勝利!

これがBABYMETALの米国死闘編である。

アウェイの会場もあろう。どんな会場にも最後まで座っている地蔵もまだまだいる。しかし、数万人単位の観客を相手に、全米を巡業する姿を毎日追っていけるアーティストは、これまで日本には存在しなかった。

1970年代~80年代のプロレスラーにはいたかもしれない。一時期のYMOやラウドネス、EZOがそうだったかもしれない。しかしこれほど長期にわたって、しかもリアルタイムの映像でそれを追っていくことのできるアーティストはBABYMETALただ一組である。

日本の文化・芸能史上、どれほど凄いことが起きているのか。日本のマスコミは一切報道しない。ならば、声を大にして言いたい。

ぼくたちは、BABYMETALの味方です、と。