KORN2日目チュラビスタ | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日6月22日は、2013年、タワレコ渋谷店で「メギツネ」リリースキャンペーンが行われました。豊川稲荷から人力車で稲荷寿司が運ばれ、タワレコ嶺脇社長、ゆるキャラ“いなりん”が同席し、BABYMETALによるキツネ様への奉納と神主さんによるヒット祈願が行われました。また、2015年には日テレ「ZIP」で2度目のワールドツアーの模様が報道された日DEATH。

 

現地時間6月20日、カリフォルニア州チュラビスタのKORN USツアー2日目のファンカム・インプレッション。

会場は、Mattress Firm Amphitheatre(収容20,500人)。

アンフィシアターとは、古代ローマのアンフィテアトルム =闘技場を模した階段状の野外劇場のこと。大観衆の収容が可能で、しかも舞台を見やすい。大学の階段教室や講堂もこう呼ばれることがある。

東海岸のレッチリサポートツアーでは、屋内のNBA、NHL用の2万人規模の大会場ばかりだった。西海岸はこの季節、ほとんど雨が降らないので、KORNは開放感あふれる野外会場を選んだのだろう。今回のKORN USツアーはBABYMETALだけが前座というわけでなく、Islander→Yelawolf→BABYMETAL→Stone Sour→KORNという順番で行われるフェスのような「ご一行様」なので、会場は違うが1974年のカリフォルニア・ジャム(EL&P、第三期ディープパープル、ブラックサバス、イーグルスが出演)で、夕暮れが迫る中、「Burn」が響き渡る光景が思い浮かぶ。

しかし、今回のファンカムを見ると太平洋標準時間19:05~という時間帯(サマータイム、日本時間-16h)は、まだまだ陽が高い。

<セトリ>

1.BABYMETAL DEATH

2.YAVA!

3.神バンドインプロ~Catch Me If You Can

4.メギツネ

5.KATRATE

6.ギミチョコ

セットリストは、18日のアルバカーキと同様だが、聴衆の数は5,000人ほど多い。以前書いたが、チュラビスタは日本人も多く、風光明媚なベッドタウン。3組目となるBABYMETAL登場時には、地平線の彼方まで人で埋まっていた。

例によって紙芝居アナウンスで神バンドが登場し、「BMD」のイントロが始まると、下手からフードをかぶったまま、うなだれて登場する三人。これは三人の少女がキツネ様に召喚された生贄であることを示す。だが、曲が始まると三人は徐々にトランス状態に入っていき、「DEATH!DEATH!DEATH!」と繰り返す。

KORNのヘッドライナーツアーであり、初見の方も大勢いたと思うが、圧倒的な演奏力と、デスメタルにそぐわないKawaii三人のダンスが、2万人の観客の心をわしづかみにするのがはっきりわかる。

2曲目の「YAVA!」で胸が熱くなった。今回はほぼ最前列から撮ったファンカムを見たのだが、三人の汗が飛び散るほどのダイナミックなダンスの迫力がびんびん伝わってきた。

ぼくはもう何度も生でBABYMETALのライブを見た。しかし、それは幸運以外の何物でもなく、多くの観客の中には、今回が初めてとか、長い間待ち望んでいてようやく実現した人もいるだろう。いろいろな理由で、ロックコンサートに行けたのはこれが人生で最初で最後というお客さんもいるかもしれない。フェスではないが、今回は5組も見れてお得である。

そんなお客さんを決して失望させないように、三人は全力でステージに臨む。

場所によってはまだ直射日光さえ当たり、なおかつ照明に照らされるステージ上は体感上40度近いだろう。青く見えても熱いからね。

そんな中、「YAVA!」のダンスのキレ、シンクロ率は素晴らしい。これが日本の、さくら学院の、「アイドル根性」である。その事実が、遠く離れて乱れたダイヤの満員電車の中でファンカムを見るぼくを激しく打った。曲終わり、三人はいったん下手にはける。

3曲目の「神バンドインプロヴィゼーションは、3日目とあって冴えわたっている。藤岡神は、形容矛盾だが、「安定のアバンギャルド感」。大村神は数か月不在のうっぷんをはらすかのようなキレッキレの「アウト」なフレージング&顔。特に後半は圧巻である。BOH神の頭の後ろには「KORN」の文字。だが、今回の表情はアダルトな雰囲気で、クールに超絶スラップを決める。そして青山神。正確無比なリズムを刻みつつ、今回は途中で立ち上がり、「立ちバスドラ」からスネア→フロアタムの裏拍オカズで終わるというスペシャル感漂うインプロ。素晴らしかったですね。

そこへ「ハイ、ハイ…」と入ってくる三人。ダンス、表情、歌唱のすべてがダイナミックで、2万人の大会場の彼方まで届かせようとする意志を強く感じる。

もう一度はけた三人が下手からメギツネ衣装とキツネ面で登場。じっくりとじらすようにキモノを脱ぎ、ドラムの入りと共にポーズをとる。大熱狂Japaneseお祭りタイムの始まり。短いライブだが、鉄壁のセットリストだ。2万人の観客がSU-の煽りに「ソレ!ソレ!ソレ!ソレ!」と大盛り上がり。

男ばかりの「ご一行様」の中に合って、BABYMETALはやはりKawaiiし、演奏力も抜群だし、日本語で何を歌っているかわからないが、とにかく楽しい。やはり「アイドルとメタルの融合」というBABYMETALのコンセプトは、アメリカで売れるバンドにとって、絶対条件である「他との際立った個性」であり、大正解ということである。

そして「KARATE」で大感動が待っていた。6月20日はYUIMETALの誕生日。

実は16日のPalladiumで、アメリカ人の若いメイトさんが列を回って「YUIMETAL Happy Birthday サプライズ」をオーガナイズしていた。彼が言うには、ライブ終了後、C&Rが終わって、「3、2、1」ジャンプの着地後、SU-が「See You!」と言う前の短い間に、みんなで「Happy Birthday to YUI-Chan」と歌おうということだった。「ギミチョコ!」あるいは「イジメ、ダメ、ゼッタイ」を想定していたようだが、フィニッシュ曲は「Road of Resistance」で、「Get your Fox hands U---p!あー!」だったので、なんとなくやりそびれている間に、SU-が「Very big thank you for coming to see our special live tonight…」と言い始めてしまったので、タイミングを逸してしまったのだ。

それをSU-が「KARATE」の中で、英語でアナウンスし、聴衆も「おめでとう18才」と日本語で書かれた20センチ大の赤い布を掲げてノッてくれた。

「How your feeling? How your feeling, Chula Vista? Let us hear your voice. Today is really special day for us. Happy birth day YUIMEAL!」とSU-が言うと、YUIは恥ずかしそうに微笑む。

(ひろみんさんツイッターより)

「Let her hear your voice!」と言うと観客席から「Happy Birthday」「おめでとう」「YUIちゃーん」「ウオー」などなど、歓声があがる。「I wanna sing with you.」から、「Woowoowoo…」とシンガロング。

曲の終了後、後ろを向いた三人。YUIがSU-に何か言い、SU-はYUIとMOAの腰に手を当てる。そしてMOAの背中をパシンと叩いた。

おそらく、YUI「SU-ちゃん、びっくりしたよー、ありがとう」、MOA「SU-ちゃん、いきなりステージでずるい…グスン」、SU-「泣かない、泣かない。次、まだギミチョコあるよ!」と喝を入れたのではないか。

まんま、さくら学院時代ですね。涙をこらえる水野由結、泣き虫菊地最愛、喝を入れる生徒会長中元すず香。この三人の絆って、ホントいいもんですね。神バンドの気合の入ったスペシャルインプロも、バースデイ・プレゼントだったのかもしれない。

ツイッターやサイト上にも感動の書き込みが多かった。極めつけは、「改めてBABYMETALファンでよかった」というもの。同感である。

フィニッシュは安定の「ギミチョコ!」。6弦E単音のブルータルなリズムに乗って、あのヘンテコダンス、「あたたたたーた…ずっきゅん!」「あたたたたーた…どっきゅん!」という日本語のフレーズが、薄暮のカリフォルニアの大地に響く。

「We are?」「BABYMETAL!」のC&Rは、三人の絆を、そしてはるばる日本から、世界から集まったメイトさんの絆を、さらにファンカムを見ている世界中のファンとのつながりを高らかに宣言する。

「3、2、1!」ジャンプから、三人は「See You!」とクールに舞台を去っていく。

もう一度言おう。

おめでとう、水野由結さん。そして、

BABYMETALのファンになってよかった。

さあ、次はロサンゼルス近郊イングルウッド。

現地在住のメイトさんによると、けっして治安のいい地域とはいえないようだが、屋内会場である。所有・運営者はあのマディソン・スクエア・ガーデン社。開場はこちらの方が3か月だけ早い。いわば西のMSGだ。フォーンライト煽りも可能だろう。

進め!戦え!BABYMETAL!