英語留学? | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日5月25日は、2012年、初の英語インタビュー、「Otaku-Verse Zero」が行われ、2015年、日テレ「Zip」でBABYMETALが報道された日DEATH。

 

現地時間5月22日(日本時間5月23日)、アリアナ・グランデのライブが行われたマンチェスター・アリーナで爆破テロがあり、観客少なくとも22名が死亡、59名が負傷した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC23H2D_T20C17A5000000/

マンチェスター・アリーナは昨年12月14日、15日にBABYMETALがレッチリのサポートアクトの後、レッチリのライブ中に登場し、初めてコラボした思い出の会場。

また、アリアナ・グランデはYUIのアイドルで、ずっ友写真も撮っている。他人ごとではない。犯行組織や共犯者はわかっていないが、満員の観客席に起爆装置を持った男がいて、ライブ終了後に自爆したとの情報がある。いったいどんな気持ちで客席にいたのか。

無差別テロに怒りを禁じえないし、どんなに不自由でもライブ会場の警備は厳重にしてほしいと思う。亡くなった方のご冥福を心よりお祈りします。

 

SU-METALが日本に帰国せず、NYに語学留学しているというウワサがある。

確かに5月7日(日)のラジオ番組「らじらー!サンデー」(NHKラジオ第一)で、レギュラー出演者の中元日芽香(乃木坂46、SU-の姉)が、「連休中はママと妹とニューヨークで過ごした」「暖かくて過ごしやすかった」と発言したから、レッチリツアーが終わった4月30日(現地時間4月29日)以降、帰国せずにマイアミからNYに飛び、姉と母を待っていたのだろう。「暖かくて…」の部分は、かつてSU-が、葉加瀬太郎のラジオ番組「ANA WORLD AIR CURRENT」(J-WAVE)に出演した際、2014年11月のNY公演やその下見が「寒かった」ことが話題になっているから、SU-がママとお姉さんにNYについて「冬はすごく寒いんだよ、今は暖かくて一番いい季節だよ」とインフォームしたことが想像できる。

親子は、ブロードウェイ(アポロシアター)を観て、市内を散策したようだ。

ママが「抹茶ラテ」を注文したのに「バニララテ」が来たというエピソードもあったが、「妹」のことは、それ以上触れられなかった。

「らじらー」ではそのあと、オリエンタルラジオの中田敦彦と藤森慎吾と中元日芽香のボードゲーム大会になったのだが、その中で「次の順番まで英語で話す」というシークエンスがあった。そこで披露されたひめたんの英語の発音は、素晴らしいものだった。

やっぱり中元家は耳がいいんだな。

中学、高校と少なくとも6年間は英語を勉強するのに、日本人は日常会話もできない。だから、日本の英語教育は間違っているとよく言われる。それは文法中心・読解中心のカリキュラムだったからで、今後は英会話のスキルを中心にしなければならないというわけで、小学校での英会話(総合学習)の導入や、読み書きに加えて聴く・話すという4技能の検査が大学入試に入り、タブレットを利用して行われるという「改革」が進んでいる。

これによって、日本人も、日常会話程度の英語が使えるようになるということが期待されているわけだが、ぼくの考えでは、これは2つの点で間違っている。

まず、従来の「文法中心・読解中心」のカリキュラムであっても、8割以上が少なくとも高校を卒業し、4割程度が大卒の日本人の多くが、英字新聞や英語の本が読めないのはなぜか。

これは他の教科でも同じで、中学・高校と数学を勉強しても、理系・技術系の仕事をしていない日本人の多くは「解の公式」をもはや忘れているし、「フレミングの左手の法則と右手の法則の違い」を説明できる人は、やはり技術系の仕事をしている人に限られるだろう。

歴史ファンでなければ、「白村江の戦い」が何年にあったのかをもはや忘れているだろうし、「せいしょうなごん」と「まつおばしょう」と「ひぐちいちよう」を漢字の手書きで書ける人は、それを黒板に書く必要のある国語の先生とかに限られるだろう。

英語を話し、英字新聞を読める人は、英語が必要な環境にいる人だからであって、日常生活で必要なければ「お勉強」なんて学校時代で終わり。たとえその「お勉強」の時間が英会話になろうが、事態は変わらないだろう。

だが、意味がないわけではない。社会人になってから、必要に迫られて英語を再勉強するとき、中学高校の勉強が基礎になるのである。

米国で、日本の外務省に当たる国務省の研究所FSI(The Foreign Service Institute)が、職員が外国語の習得(日常的・専門的コミュニケーションに支障がないレベル、英検1級レベル)に達するまでにかかった時間数を、言語のカテゴリーごとに算出したリストがある。FSIリストという。

カテゴリーⅠは、英語に近いドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語などで、575-600時間かかるとした。

カテゴリーⅡは、英語とは文化的背景が異なる言語、ロシア語、ヒンズー語、タイ語などで、これには1100時間かかるとした。

そしてカテゴリーⅢは、英語のネイティブスピーカーには最も困難な言語で、アラビア語、広東語、北京語、日本語、韓国語がこれにあたり、習得には2200時間かかるとされている。

国務省職員は当然アメリカ人だから英語が母語なわけだが、相当に頭脳優秀な人たちである彼らにとっても、日本語はもっとも難しい言語であるということだ。

これを逆に考えれば、日本語を母語とする日本人にとって、英語はもっとも難しい言語だともいえるので、ここから、日本人が英語を習得するには、少なくとも2000時間が必要だ、ともいわれるようになった。

別の研究で、アメリカの現地校に就学した日本人子弟が、英語に慣れるまでどのくらいかかったかを調査したデータもある。それによると、約80%の生徒が2年で、学校生活・日常生活で不自由ないレベルに達する。ただし、個人差が大きく、中には5-6年経ってもそのレベルに達しない子もいた。いやでも1日5時間、年間200日は英語で学校生活を送らねばならないと考えると2年間で2000時間。やはりFSIの必要時間数(の逆)と似てくる。

現行の学習指導要領では、中学校の英語の授業時間は年間140時間(50分単位)。高校の標準は175時間~210時間。6年間合計で最大1050時間である。

つまり、日本の学校の授業で6年間英語を勉強しても、語学習得に必要な時間数の半分程度。これでは絶対に話せるようになんてならない。

つまり、日本人が英語を使えるようにならないのは、

1)日常生活に必要ない「お勉強」だから

2)勉強の時間数が足りないから

の2点であり、カリキュラムや指導方法や、ましてや英語教師の能力不足のせいでもない。

ただ、その約1000時間が基礎になるから、仕事や生活に必要となり、やる気になれば、最低あと1000時間の勉強で、英語が話せるようになる。中学・高校の勉強は決して無駄ではない。

ぼくの場合は、勉強というより、奥様が外国人だった期間が足掛け11年間あったので、英語の他に彼女の母語も、まあ話せるようになったわけですが!(^^)!

SU-の場合、「デロリアン」発言でわかるとおり、中学校の「お勉強」では英語はあまり得意ではなかった。数学もだけど。( ;∀;)

しかし、2014年以降、SU-は、欧米で数千人から数万人の観客の前に立ち、英語で煽りをしなければならなくなった。フロントマンとしてインタビューにも答えなければならなかった。海外遠征の間、多くの時間はYUI、MOAやKOBA、マネージャーさんと過ごしていただろうが、滞在先では買い物もするだろうし、飛行機の機内やホテルのスタッフ、ステージ関係のスタッフ、フェスでの有名バンドとのずっ友写真の撮影など、英語でコミュニケーションしなければならない機会は多かったはずだ。

以前計算してみたが、2014年は38日間、2015年は40日間、2016年は55日間、2017年はソウルを除いてレッチリUSだけで18日間、BABYMETALは、合計151日間海外に滞在した。ドイツ、フランス、スイス、イタリア、メキシコ、フランス語圏のモントリオールといった非英語国もあったが、基本、ツアー中の“公用語”は英語だっただろう。151日間、1日平均5時間何らかの形で英語に触れていたとすると、中学・高校での約1000時間の他に、すでに755時間英語漬けだったことになる。2000時間に到達するまであとわずか。

もともと耳はいいし、現地の学校に通って、英語の中で生活しながら集中的に勉強すれば、もっと効率はよくなる。

YUIとMOAはフロントマンではないし、煽りはすぅちゃんに任せているから、そこまでのプレッシャーはなく、高校生だから英語留学はできない。

ドラゴンフォースのハーマン・リ(G)が、香港の番組でのインタビューで、「2015年のダウンロードフェスはぶっつけ本番で大変だったよな、あの時はまだSU-が英語が話せなかったから、ジェスチャーでコミュニケーションをとったんだよなあ」とか、SU-と英語で「思い出話」をしたことを明かし、おそらく冗談めかして同席していた中国人の通訳より、「SU-の方が英語は上手い」と述べたことがネットで話題になっていた。

そのくらい、しゃべれるようになっているということだろう。

「デロリアン」のSU-が英語ペラペラになっていくのを、なんか遠くに行っちゃうような、一抹の寂しさを感じるというのはよくわかる。

外国育ちのバイリンガルタレントを除いて、歌唱力やステージ度胸だけでなく、英語力も、日本人のアイドルとしては、ダントツの実力に到達した中元すず香=SU-METAL。

なぜSU-はそこまで英語を勉強するのか。

それは、本気で「世界征服」するつもりだからだ。

そのことに気づいたとき、ガツーンと頭に一発食らったような感じがした。

ぼくらはそこまで本気で、仕事や勉強をしているか。

応援するだけでなく、ぼくらがBABYMETALから学ばねばならないことは多い。