★今日のベビメタ
本日4月28日は、2017年、Red Hot Chili PeppersのUSAツアーSpecial Guestとして、タンパ (FL)Amalie Arenaに出演した日DEATH。(現地時間4月27日)
フロリダ半島東海岸のオーランドから、西海岸のタンパへ。
メキシコ湾に面した漁港として古くから栄えたタンパは、近年、半導体産業が発展し、人口が急増した。
しかし、メタルファンにとってタンパと言えば、なんといってもデスメタルの聖地。
ゆいちゃんが大好きなカンニバル・コープスの本拠地であり、1990年代の初め、デス、オビチュアリー、モービッド・エンジェルなど、デスメタルバンドの多くが集まり、市内にあるスタジオ「モリサウンドレコーディング」でアルバムを録音した。タンパは、アメリカ・デスメタルの中心地だったのである。
タンパにはもう一つの顔がある。プロレスの聖地である。
特に日本人にとっては1960年代からヒロ・マツダが住み、1970年代~80年代には、カール・ゴッチ、ハルク・ホーガンらが住み、藤波辰巳、前田日明、藤原嘉明、高田延彦ら新日本プロレス~UWF系の選手がゴッチの自宅に住み込んで修行した。
ぼくは、タンパに行ったことがある。くだらない顛末があるのだが、それは後日。
本日の会場はAmalie Arena(収容20,500人)。もともとスケートリンクとして開場し、NHLの試合会場がメインだが、今回ツアーの他の会場と同じく、バスケでも使われ、巨大なすり鉢状の構造をしている。
PAPIMETALさん、ITCHIE-METALさんによれば、現地は夕方なのに相当暑かったらしい。また、週末前の木曜日、客入りはこれまでで最高に遅かったとのこと。
1曲目「BABYMETAL DEATH」。スタート時の歓声の大きさはイマイチだが、タンパにこそ相応しい曲。このへヴィな重低音ギターリフ、ピッキングハーモニクス、常にドコドコいっているドラムサウンドは、ほとんど90年代のカンニバル・コープスなのだ。それだけに、終了後会場から、野太い「いえああ!!」の声がかかる。
2曲目「いいね!」の「♪メロイックじゃないキツネさーん」のグロウルなんて、そのまんまである。日本語だって英語だって関係ない。もともとカンニバル・コープスだって、何言ってんだかわかんないんだから。
しかしまあ、デスメタルとアイドルってどう考えてもあり得ない。KOBAMETALは、ゆいちゃん(ドクロ好きとはいえ)によく「大好き」なんて言わせたものである。カンニバル・コープスのアルバムジャケットは世界各国で発禁なんだから。あれを見ないで音だけ聞いていたら、しまいには笑える(失礼)けどね。
3曲目「神バンドインプロ~あわだまフィーバー」は、藤岡神キレまくり、LEDA神の後半はレッチリのリフだが、ここはカンニバル・コープスをやってほしかったなあ。BOH神、かど神とも絶好調。
観客にしてみれば、デスメタルバンドかと思ったら、「あわだまフィーバー」のギターの音作りとリフはロックンロールである。BABYMETALの多様性はバンドの常識を超えている。デスメタルは、あくまでもBABYMETALの一部に過ぎない。
4曲目「メギツネ」。タンパ住民にとっては異国のメロディだが、「さくらさくら」のリフ、ピッキングハーモニクスはデスメタルに通じるものがある。曲終わりの反応はようやく大歓声という感じになってきた。
5曲目「KARATE」。SU-の煽りは、決められたセリフを言っているのではなく、観客とちゃんと会話している。「Take your phone out」「Turn your cannon light」だけでなく、「Show me your phone! I wanna see more!」と畳みかけ、「Oh guys what a beautiful!Amazing.」と共感し、「Ok, guys wave your hands.」と言って観客が手を振り始めてから、ハミング。
ハミング中も「Sing!」「I can’t hear you!」と細かく観客を乗せていく。
そしてフィニッシュ曲「ギミチョコ!」。デスメタルではなくハードコアの楽曲であるが、その中にピッキングハーモニクス、ワーミーの超絶ギターソロが入ると、カンニバル・コープスとの時代的つながりが感じられるし、そこへSU-のうっとりするようなメロディ、YUI、MOAのヘンテコダンス、さらに煽りで観客に「チョコレートチョコレート」と言わせるところまで、あらゆる要素がぶち込まれていることが、改めてよくわかる。
<セットリスト>
1. BABYMETAL DEATH
2. いいね!
3.神バンドインプロ~あわだまフィーバー
4.メギツネ
5.KARATE
6.ギミチョコ!
やはりこの短いセットリストでも、楽曲の完成度、演奏・歌唱・ダンスの卓越性、SU-METALのカリスマ性、どれをとってもBABYMETALは、世界屈指のライブバンドであり、多様性と可能性をもったアーティストだと言わざるを得ない。
明日は一日お休み。
いよいよ最終戦、マイアミは日本時間4月30日午前9時ごろから。レッチリCHADMETALとのコラボも予告されている。ワクワク。