レッチリUSツアー4日目(1) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日4月18日は、2017年、Red Hot Chili PeppersのUSAツアーのSpecial Guestとして、シャーロット(NC)Spectrum Center Arenaに出演した日DEATH。(現地時間4月17日)

 

現地時間午後2時30ごろ、とりあえずSpectrum Centerへ行ってみる。

目の前はバスステーションで、長距離バスが行き来し、またスペクトラムの敷地にそのまま乗りいれる感じでLYNXという電車の駅がある。ここから妹の家のある南方向で行けるのである。運賃は$2.25と安く車内は非常にきれいである。

とにかく、ここは市の中心のちょっと外れの野球場やフットボール場と並ぶバスケ&ホッケー場なのである。

すでに3人のアメリカ人がドア前で待っている。一人はBABYMETALファン、一人はレッチリファン、もう一人は「Both」とのこと。ドア前にいるスタッフに聞くと、開場は午後6時とのことなので、少し市内見学をしてから、5時ごろにスペクトラムに戻った。

先ほどの正面は暑いので、裏のメインエントランスへ回る。そこにさっきの三人がいて、ぼくは日本人一番乗りのようだった。しばらくすると、Carolina RebellionのTシャツを着た二人組が来たので、「おらは去年カロライナレベリオンに行ぎましただ」と言ってコミュニケートしてみた。彼はベビメタを去年も見て気に入っているのだが、連れのレッチリファンの男はベビメタを知らないという。よくしゃべる男で、「どこからきた、ベビメタは何回見た、ベビメタの誰が好きなのか、バンドマンは確か4人だよな、ドラマーが変わったのか、ベビメタの特徴をこいつに説明してくれ」といろいろしゃべってくる。

 

相手をしている間、会場の中からドスドス音がしてくる。今回は重低音部だけしか聴こえないので曲名はわからないが、テンポが速いのでベビメタだろう。

なかなか日本人らしい方には出会わない。

5時半を回ったころ、空が曇り、風が吹いてくる。ついさっきまで暑いくらいの日照りだったのに。やはりキツネ様のご降臨は嵐を呼ぶのである。

6時少し前、今回のUSツアーに、ワシントンD.C.からずっと帯同しているITCHIE-MATELさんとPAPIMETALがやってきた。「あどうも、Jaytcです」と挨拶させていただき、握手。

少し話し込んでいるうちに、黒人のスタッフが、身体検査要綱をコミカルに話し始める。指定席だから並ぶ必要さえないのだが、PAPIさんとITCHIEさんは律儀にも列の後ろへ移動された。黒人スタッフが、最後に「みなさん、わかりましたか。わかったひとは返事して!」と叫ぶと、みんなは「YEAH!」と答える。そして返事しない列の後ろの人たちに向かって「後ろも大丈夫かあ!」と叫ぶ。

ようやく開場したのは6:30だった。

物販所のところにはベビT三種類(各$40)とベビキャップ($40)を売っている。今回はちゃんと買えた。ソウルでも、大阪でも買えなかったのだ。

座席は、フロアの一番後ろ上手寄り。ややステージまで遠いが全体像がよく見える。

バスケコートなので、フロア面積は狭いが、すり鉢状に3階席まであり、収容人数はやはり20,000を超える。こういう会場を連日満員にするレッチリの実力にやはり驚く。

会場には、ベビTを着た方もちらほら見かけるが、ほとんどはレッチリTか、普通の私服。

ステージ近くにPAPIのキツネ帽子を発見し、行ってみる。日本人は今回少なく、ぼくが会ったのはPAPIMETALさん、ITCHIE-METALさんのほか、二人だけだった。

終演後食事に行くことを約束して、ステージを撮影してから席に戻る。

あ、早めに言っておくと、ステージ上にJack Irons用とBABYMETAL用のドラムセットが二つあったのだが、これだけでは新ドラマーが誰なのかわからない。

前座開演も30分遅れかなと思ったら、7:30、客電が消え、レッチリのフリーが、Jack Ironsを紹介する。「こいつとはガキの頃からの付き合いなんだ。確か小6だったかな。それから、レッチリを結成して云々…」会場からは拍手が起こる。ただこの時点では入りは約3割。

ソロドラムショウが始まった。バックの前衛画のような動画と電子音楽をバックに、ドラムをたたくというショウ。プログレっぽい、ないしはアンビエントミュージックっぽい感じ。

3曲目はピンクフロイドの「狂気」だった。

Jack Ironsは5曲やって、観客に手を振り、退場。

7時50分過ぎ、BABYMETALのバックドロップが上がった。

この時点では6割くらいの入り。だが、そこから急速に客足が早まり、8時には8割くらいになっていた。以外にセッティングは早く終わり、8時

10分には客電が落ちた。

「紙芝居」が始まる。

日本で固唾を飲んで見ている方には、本当に申し訳なさと感謝の気持ちをこめて言うが、やっぱり生はいいです!

それと、Jack Ironsのショウでは誰も立ち上がらなく、ほかの会場でも着席だったと聞いていたのに、今回、「BABYME TALDEATH」が始まった瞬間に回りが一斉に立ち上がった。やはり、Crolina Rebellionから1年、シャーロットではBABYMETALファン層がちゃんと形成されていたのだ。

それでもほとんどの観客は初見のはずで、「Are You Ready?」のところではそれほど大きな歓声は上がらない。今日の入りは上手から。うなだれて入ってきた三人が、トランス状態に入ると、「なんじゃこりゃ」感が広がる。だが、「DEATH! DEATH!」と叫ぶ三人、超絶的なギターソロに「BABY!METAL!DEATH!」で終わると大きな歓声が湧く。やはりこの1曲で、観客のど肝を抜くのだ。

「いいね!」が始まる。二人のダンスはキレキレ。SU-の歌唱も「マー」の「逃避行」のところがきわめて正確なピッチ。さらにYUI、MOAの「いいね!いいね!モッシュッシュー!」の生声の大きいこと。「それ、あたしのおやつ」「ちょちょちょフラゲしないでよ」も完全生声。二人とも声が大きく、ピッチも安定している。それと、YUIの背がまた伸びたんじゃないか?手足が長く、女優さんみたいなベビーフェイスで、小5、小6と牛乳を飲んでいた成果、あるいは「ちっちゃい」といわれると「ちっちゃくないけど」と常に背が伸びることを望んでいたためか、ソウルと大阪で見た時より大きくなっている気がする。だって、SU-と頭の高さがいっしょなんだもん。見間違いだったらごめんなさい。

それと、MOAが小さいといっているわけじゃないですよ。MOAは今日もダイナミックアンド客席の遠くまで届く表情の豊かさで、めっちゃパワフル可愛かったDEATH。

SU-の煽りももう堂に入っている感じ。

「What’s UP Charlotte?」「Make some noise!」「Say Hoo! Say Hoo! Cha-r-lotte! Cha-r-lotte!」「Put your KitsuneU----P!」からのYUI、MOAの「きつねだお!」も響き渡る。

そこからのダンスも三人ともキレキレだったなあ。

このあたりから会場が乗ってくるのが分かる。BABYMETALはポップだけど、へヴィなパートもあり、完璧なパフォーマンスグループだという安心感、乗ってもいいのだという空気が会場を埋め尽くす。

「あわだま」のイントロから、藤岡神、BOH神、LEDA神がお立ち台に。藤岡神は今日は完全にアウトに徹するソロ。ドラムのリズム感さえ無視してメロディを作っている。続くLEDA神はやはりブルージイな感じで、後半はテンポを遅くした「カリフォルニケーション」。レッチリファンの多い会場からは大歓声が上がる。

「ハイ!ハイ!」と上手から走りながら入ってきた三人は、「いいね!」のJ-POP乗りをそのまま継続。この曲、テンポが少しでも落ちたら、またロックンロール風のギターリフにキレがなくなったらとたんにつまんなくなってしまうと思うのだが、新ドラム神の、キレというより力でもっていく感じの、心持ち重いドラミングとフロントの三人のダンスのキレで、「疾走感」が出ていると思う。

曲が終わると、やはり大歓声。口笛も混じる。

暗転し、「きーつーねーきーつーねー」のSEが入る。これが現場で見ていると長く感じた。

「ひらひらわっしょい」「くるくるわっしょい」のところのバックコーラスは、会場では目立たなかった。今日のSU-のピッチは素晴らしかった。「あーあー」のところではシャクリを入れている。

YUI、MOAの「ソレソレソレソレソレ!」に観客の感情はかき乱されるようで、立っている人も踊るところまではいかないが、手拍子を撮ったり、体を左右に揺らしたりしている。

「KARATE」の静かなイントロがシャーロットに響く。

ピタッと決まったポーズから、リフが始まるとここで観客の頭が動くのがはっきりわかる。今日の観客は、こういうゆったりしたリズム感が好きなのかもしれない。確かにレッチリの曲は、このくらいの

「How feeling tonight how feeling tonight, Charlotte!」

「Take your phone out slide down and turn on light.」

「Did you turn on your light?」「Oh all beautiful!I wanna see more! Give me your light!」

と、強弱をつけ、観客と対話しながら、ライトを点けさせる。

「WooWooWoo」のハミングはワシントンD.C.と同じノーマル版。SU-は丁寧に「Singin!」と命じる。YUI、MOAの動きに合わせて、会場のライトは揺れ、シンガロングはどんどん大きくなってくる。幻想的なライトを振りながら、ベビメタ世界を楽しんでいる。

そして「Everybody Jump!」観客はちゃんとジャンプしている。最初、「なんじゃこりゃ」と思っていた観客のこころが動かされている。感動している。

その場にいるとですねえ、やっぱりゾクゾクした感情が沸き上がってきて、泣きそうになりますね。というか泣いちゃいましたね。

最後のシーンは、涙で曇っちゃいましたが、ファンカムには映ってました。キツネポーズが今日も決まっていました。(^_-)-☆

「ギミチョコ!」。

やはり今回のツアーでは新ドラムの神のパワフルなドラミングで、曲の印象がずいぶん変わった感じがする。一言で重くてパワフル。この曲の破壊力が増した感じ。

SU-が「Hey guys! Clap your hands!」と言った後のギターソロのところも、藤岡神を立てるというよりドラムがガシガシ鳴っていて二人のソロみたいに聴こえる。だから藤岡神のフレージングも、後半のワーミーのところが際立ってすきささるような音だった。

3番が終わりブレイク。

SU-「Are you all enjoy yourself?」観客「Yeah!」

「We thank for Red Hot Chili Peppers!」観客「Yeah!」

「Let’s get the party started with us!」観客「Yeah!」

MOA「Ican’t hear you!」観客「Yeah!」

YUI「Make some noise!」観客「Yeah!」

「Let’ get ready to sing Chocolate, OK?」観客「Yeah!」

手拍子のため、一拍遅れてSU-「… me my Chocolate Chocolate Chocolate, Singin!」

観客「ehe ehe Chocolate Chocolate…」

SU-「Give me my Chocolate Chocolate Chocolate, Singin!」

観客「Give me my Chocolate Chocolate Chocolate, Singin!」

と徐々に観客も大声ではっきり歌うようになり、ニコニコ顔である。

最後は三人で「サンキュー」といって、フィニッシュシークエンスに入る。

「ぱらっぱぱっぱ…」が終わり、ドラムのオカズから、Eのラストコード「ジャーン」で、いつものように「We are?」「BABYMETAL!」We are?」「BABYMETAL!」のC&R。

ここで致命的にもぼくもスマホのストレージが満杯になってしまったのだが、それをいいことに、ぼくはふと気づいて、持参した旭日旗の中心にBABYMETALロゴを入れたやつを大きく広げ、振った。ソウルではさすがにできなかったが、ここなら笑ってもらえるだろう。

そしてSU-はちゃんと「It’s time to Red Hot Chili Peppers!」と言って、三人は1いつものように「See You!」の残像を残して去っていった。会場は大歓声大拍手。

昨日のローリーしかり、こうやってレッチリファンをニコニコ顔にさせ、メイトを広げていく、地道な戦いをしっかりやっているのだということがよくわかった。

終演後、PAPIMETALさん、ITCHIE-METALさんと待ち合わせたエントランスゲートへ。

途中、ぼくもベビメタTを着ていたので、すれ違うアメリカ人に「BABYMETAL, Great!」とか「Good Job!」とか、いろいろ声をかけられ、果ては、初見でファンになったと思しき大男に抱きしめられてしまった。

(つづく)

 

PS.帰国後、写真を追加しました。