★今日のベビメタ
本日3月25日は、2012年、武藤彩未、三吉彩花、松井愛莉が卒業するさくら学院2011年度卒業式の日DEATH。SU-は最終曲「See you」で泣き、YUIはスピーチの途中、必死で涙をこらえ、MOAは「みんな笑え、笑うんだ!」と顔笑ってました。
2016年には、7月に苗場スキー場で開催される「FUJI ROCK FESTIVAL '16」への出演が発表されました。
「神バンド」で検索すると、ギターの神、ベースの神、ドラムの神に続いて、マニピュレーターとして宇佐美秀文氏の名前が出てくる。
3月22日、宇佐美氏のバンドU.S.Bと、仮バンド(BOH、藤岡幹夫、前田遊野)+桑原あい(P)がジョイントした「仮BAND Connect to U.S.B.」が、新宿BLAZEで行われた。
http://usamixsnote-babytalk.blogspot.jp/
ドラマチックなメロディを奏でる宇佐美氏のシーケンサーに仮バンドの超絶演奏というと、ベビメタそのものを思い浮かべるが、桑原あい(P)が入った仮バンドは、キング・クリムゾンの楽曲が山下洋輔を思わせるフリージャズ風になり、藤岡神が歌まで歌っちゃう。(「21st Century Schizoid Man」)。
ジェフ・ベックの「Red Boots」(「Wired」に収録)はロック寄りだが、そこへBOH神のスラップベースが縦横無尽に入る。
基本はフュージョンだと思うが、フリージャズからジェフ・ベックのようなアート性の高い演奏、さらに70年代プログレハードまで、テクニカルな音楽全てのミックスチュア。
こういうプロたちが、「BMD」のデスメタル、「紅月-アカツキ-」のジャパニーズメタル、「KARATE」や「メギツネ」のオリエンタルメタル、「ROR」のパワーメタル、「The One」のシンフォニックメタルを弾きこなしているのである。
メタルやパンクしかできない、初期衝動“命”のバンドは、それなりに切実さを感じる疾走感の魅力があると思うが、BABYMETALの演奏陣はそれとは次元が違うのだ。
「仮BAND Connect to U.S.B.」の東京公演は終わってしまったが、大阪では3月25日(土)茨木市JACKLIONにて、15:00、19:00の2公演が予定されている。(チケットはめでたくSOLDOUT)。ゲストはISAOなので、藤岡神との壮絶なギターバトルとなるだろう。うー見てぇー。
マニピュレーターとは、ライブにおいて、各楽曲でバンドが演奏する生音以外のパートをDAWソフトで作っておき、シーケンサー(自動演奏)のクリックを出してバンド演奏に同期させるほか、曲の間のつなぎとなるSE音源なども作り、ライブ全体の司令塔となる、いわば音楽監督である。(宇佐美氏のHPでは自称“なんでも屋さん”)
マニピュレーターの走りは、1978年~80年に世界的活躍をしたYMOの松武秀樹氏だろう。(当時はシンセサイザー・プログラマーという名称)
YMOのライブは、セトリ全体が一つのアルバムであるかのようにプログラミングされ、バンドのメンバーやサポートミュージシャンは、ヘッドセットをつけ、マニピュレーターからのクリックに合わせて正確無比な演奏を行った。
ロックバンドのライブといえば、アドリブ、ハプニングの連続で、コンディションによって曲の速さも、演奏の出来不出来も、ライブ終了時間も、「ふたを開けてみないとわからない」というのが常識だった当時、YMOの「精度」は欧米人にとっては驚異的で、三人のファッションや無表情なパフォーマンスも相まって、日本=「テクノオリエンタリズム」のイメージを生んだ。
バンドが生演奏する以外のパートをDAWソフトで作っておいて、演奏と同期させれば、様々な楽器が登場する編曲でも、サポートメンバーや重い機材を持ち運ぶ必要がない。
出演バンドが演奏時間でモメがちなフェスでも、あらかじめプログラムしておけば、持ち時間通り収まる。
こうして、YMO以降、ロックバンドでも、マニピュレーターを置いて、ライブのコントロールを行うことが一般化した。
BABYMETALのマニピュレーター、宇佐美秀文氏は、1974年生まれ。
中学時代にシンセサイザーに没頭し、映画音楽やフュージョンに影響を受け、作曲家・編曲家を志す。音楽専門学校卒業後、若くして日本を代表する作編曲家となっていた田辺恵二氏に弟子入り。田辺氏は宇佐美氏と5歳しか違わないが、アカペラグループゴスペラーズの作編曲、キーボード、マニピュレーションを担当しながら、AKBグループ、島谷ひとみ、柴崎コウ、浜崎あゆみ、及川光博からSMAP、WaTまで幅広いアーティストの作編曲を請負い、レコード大賞金賞を2度受賞した。宇佐美氏はゴスペラーズの作編曲、プリプロ担当、アシスタントマニピュレーターを経て、2000年頃から、多忙となった田辺氏に代わって、メインマニピュレーターとなり、ファンからは、第6のゴスペラーズと言われる。
2010年から、宇佐美氏は、BABYMETALのライブ音源を一手に担い、現在に至るまで、ライブのマニピュレーションを行っている。(以上宇佐美氏のHP、SNSおよびウィキペディアから構成)
ウィキペディアには書いてないが、宇佐美氏は、ベビメタのライブにはなくてはならぬメンバーであり、ベビメタファンからも、第5の神バンドと呼ばれる。
BABYMETALのプロデューサーKOBAMETALは、どこで宇佐美氏と関係を持ったのだろうと思って、宇佐美氏の作編曲提供アーティストを調べていくと、2007年に、当時アミューズソフトエンターテイメント/BABY BLUE RECORDSに所属していた北関東出身のロックバンド、スキップカウズの楽曲を編曲していたことがわかった。
2007年、結成10周年を迎えてアミューズに移籍したスキップカウズは、シングル1枚、2枚組アルバム、1枚のミニアルバムをBABY BLUE RECORDSからリリースしている。
入社10年目の社員プロデューサー小林啓氏は、2008年にバラエティ班に異動する前のこの時期、社内レーベルを立ち上げ、ラウド系バンドのプロデュースに携わっていたという。
してみると、これがBABY BLUE RECORDSで、入れ込んでいたスキップカウズが売れなかったので左遷されたという可能性も浮上する。人間万事塞翁が馬、結果的にそれが良かったわけだが。
宇佐美氏は、2007年のミニアルバム収録のスキップカウズのデビュー曲「赤い手」のアカペラバージョンを、ゴスペラーズの村上てつやとともに編曲したようだ。
バラエティ班に移った後の2010年、「アイドルとメタルの融合」をコンセプトにした「イチかバチか」の企画物、BABYMETALをやろうとしたKOBAMETAL=小林啓氏は、その時の宇佐美氏の鮮やかな手腕を思い出し、「音楽監督」を依頼したのではないか。
以前、BABYMETALのライブでかかる壮大なオーケストラや映画音楽風の曲は、ゆよゆっぺないしMish-Moshの手になるものではないかと想像したが、仮に原曲はそうであったとしても、映画音楽から作編曲家を志したという宇佐美氏のマニピュレーションによることは間違いなく、おそらく作編曲も彼によると考えた方が自然だ。
BABYMETALのマニピュレーターとして、ウィキペディアにクレジットされているライブは、2012年10月のLegend“I”からである。
●2012年
「LEGEND "I"」「LEGEND "D"」
●2013年
「LEGEND "Z"」「DEATH MATCHツアー"五月革命"」「METROCK 2013」「"メギツネ"リリース記念ミニライブ」「LEGEND "1999" YUI MOA聖誕祭」(Liveマニピュレーター・ストリングス・ピアノ&コーラスアレンジ)「LEGEND〜キツネ祭り」「SUMMER CAMP 2013」「JOIN ALIVE 2013」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SUMMER SONIC 2013 Tokyo,Osaka」「イナズマロックフェス」「LIVE IN SINGAPORE」「COUNTDOWN JAPAN 13/14」
●2014年
「完全櫻樂團 第壹團 重音偶像大對決 BABYMETAL×ChthoniC」「LIVE AT BUDOKAN 赤い夜 LEGEND “巨大コルセット祭り”〜天下一メタル武道会ファイナル〜」「LIVE AT BUDOKAN 黒い夜 LEGEND “DOOMSDAY”〜召喚の儀〜」「APOCRYPHA - I」「APOCRYPHA - II」「WORLD TOUR 2014(France・Germany・UK・Japan)」「Sonisphere Festival UK」)「LADY GAGA'S artRAVE: The ARTPOP Ball(オープニングアクト)」「HEAVY MONTRÉAL」「SUMMER SONIC 2014 Tokyo,Osaka」「BACK TO THE USA/UK TOUR 2014」
●2015年
「APOCRYPHA - Only The FOX GOD Knows -」「SUMMER SONIC 2015 Tokyo,Osaka」「APOCRYPHA - THE RED MASS - II」「APOCRYPHA - THE BLACK MASS - II」「WORLD TOUR 2015 (Germany - Frankfurt & Berlin -)」「Reading & Leeds Festivals 2015」「WORLD TOUR 2015 IN JAPAN」「OzzFest Japan 2015」「COUNTDOWN JAPAN 15/16」
●2016年
「WORLD TOUR 2016 kicks off at THE SSE ARENA WEMBLEY!!」「APOCRYPHA - Only The FOX GOD Knows -」「WORLD TOUR 2016 US TOUR」
記載はここで途切れているが、当然東京ドームや、その後のサポートツアーにも帯同していると思われる。つまり神バンドが初登場したときから現在まで、常にライブのマニピュレーションをしてくれていたのだ。
「しらべぇ」というサイトのインタビューで、「マニピュレーターとして苦労することは?」という質問に、宇佐美氏は次のような発言をしている。
「音色やフレーズを自力で耳コピ・制作する必要があることもあって、複雑なアレンジだった場合には苦労することがあります。」
マニピュレーター“あるある”としては、「(スペルを間違われて)マニュピレーターと書かれる。」
マニピュレーターとしての心構えについては、「ステージ上にいる時もあれば、ステージ裏にいる時もあります。ですが、音楽の1パートを担っているという意味でも、気持ちは常にステージの上にあります。」とのこと。
http://sirabee.com/2015/01/27/15943/
宇佐美秀文氏は、第5の神バンドではなく、実は最初の神バンド、神々の神、「The God of Metal Gods」だ。