スイス・プラッテルン大勝利! | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

ワールドツアー2016セカンドステージ、ヨーロッパ編が始まった。

現地時間6月2日午後8:30(日本時間6月3日午前3:30)、スイス、バーゼル近くのプラッテルン、Z7シアターでのライブが行われた。会場の大きさは動画で見る限り、2014年のチューリヒよりやや大きく、2,000人収容という感じ。例によって超満員である。

セットリストは、NYCから始まる2016年全米ツアーと基本的に同じで、2015年のリストに、Metal Resistanceの曲を乗せている印象。

音だけの紙芝居から、1.「BABYMETAL DEATH」が始まり、会場が生ベビメタのオーラに包まれる中、息もつかせず2.「いいね!」という流れは2014-2015年仕様。しかし続く3.「あわだまフィーバー」、4.「Amore - 蒼星-」は新曲で、ヨーロッパ人には「おおっ」という感じになる。そこで、2014年からやっている5.「Catch me if you can」で、神バンドのソロを堪能させ、問題の6.「META!メタ太郎」となる。先週あたりから、ネット上ではドイツで「メタ太郎」の敬礼振り付けはナチスドイツを思わせるので、ドイツ国内では禁止、あえてやればベビメタ拘禁の危険性がある、とか、しかつめらしいアドバイスというか心配する声があったので、半分ドイツ圏であるスイスではどうなのかーと思っていたのだが、なんのことはない、アメリカと同じように、MOAもYUIもニコニコ顔でやっている。というか、今回は、MOAの体のキレがいいぞ。

全部見られたわけではないのだが、今年の全米ツアーで一回りたくましくなったように見えたYUIはツアー初日のせいか、やや重そう。それに対してMOAの動きが大きく、表情も全米ツアー以上に豊か。あの「最強の笑顔」が出まくっている。そして、7曲目は「GJ!」ではなく、なんと「Sis. Anger」ではないか!Black BABYMETALの曲でも、さらに過激な方を持ってきた。たぶん、初めて客前での披露ではないか。振り付けは割と単純だが、「ヘドバンギャー!!」と同じような腕を大きく振るウインドミルが随所にあって、キツイ歌詞の内容を伝えている。「4の歌」のような合いの手を入れるスキが今のところないので、これがどう“進化”していくかが楽しみである。「キライダ―」とか「ザッケンジャネーゾ」「オイ!オラ!」とか、C&Rになりうるところはあると思うのだが。

8曲目は「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。これを聞くと、やはりBABYMETALの“原点”という気がする。「ダメダメダメダメ」「君を守るかーらー」に、何人のいじめられっ子が救われただろう。

9.「KARATE」は、さすがスイス人という感じ。ピットに空間があったら、今にもオス、オスと正拳突きしそう。永世中立国だからこそ、国民皆兵が国是で、武道に対する関心は非常に強い。一番盛り上がっていた。空手をやる美少女3人組のBABYMETALを嫌いな国民は、スイスでは皆無じゃないか?ただ、動画が見られていないので未確認だが、ぼくがCarolina Rebellionで「超かっこいい」と思った「Every Body Jump!!!」はなかった模様。US仕様とEU仕様は違うのか?

10曲目、「メギツネ」こっちに煽りを持ってきた。「サクラサクラ」のキツネのお面を被るところで、なんかSU-が言っている。英語かなあ、ドイツ語かなあ、聞き取れない。でもFOXゴッドがどうのこうの、と言っている。観客は「イエ―」と叫んでいるから、なんか受けることを言っているのだろう。キリスト教原理主義のアメリカではFox Godは“Spirit of Heavy Metal”と言い換えられて、控えめだったが、政教分離のヨーロッパでは、キツネ様のフィクションは“解禁”された、というべきか。

11曲目、「ギミチョコ!!」。これも動画で全編見られていないので、何とも言えないが、例の「Do you like Chocolate?」「Give me Give me」「Pushing back! Pushing back, Sit down!」、「3,2,1Jump!!」はあったのだろうか?

12曲目「THE ONE」。ウェンブリーのような花道はなく、お立ち台の舞台だが、やはりこの曲は凄い。ファンカムはBABYEMATALの三人を映し続けているのだが、客席では、間違いなく万国旗が振られているのだろう。スイスという、ヨーロッパのへそのようなところでBABYMETALが2016年のヨーロッパツアーをスタートした意味が、ここにある。

今年は、2回目となるオーストリアのフェス「Rock in Vienna」に参加後、シンフォニックメタルの盛んな初めてのオランダ、ドイツ2か所を回り、フランスとイギリスのダウンロードフェスに参加する。イギリスのダウンロードフェスは、2015年に水の入ったコップを投げつけられたところ。わずか1年前のことだ。昨年は“Kawaii Metal”としての話題性だけで、神バンドは生演奏させてもらえなかった。代わりにドラゴンフォースがサポートしたのだが、今年は、メンバーが全く変わっていない神バンドも、堂々たるBABYMETALの一員として、出演するだろう。ヨーロッパツアーの終着点としてのイギリスは、もはや“ホーム”なのだ。1年前のことが、少なくとも3年くらい前のように感じられる。

アンコールの後、最終曲は「Road of Resistance」。「道なき道」を突き進むBABYMETALのアンセムを、スイスの観客も「WowWowWow」と大合唱で歌った。全米ツアーでは、アメリカ人がBABYMETALをクラウドサーフィンで“楽しんで”いたように思えたのだが、ヨーロッパ人のBABYMETALへののめりこみ方は、日本人によく似ている。最前列の大男たちは、歌いながら笑っていない。なんか生真面目な顔をしていると思ってよく見たら、泣いているのだ。日本語で歌うBABYMETALを、人生最高のバンドとして、生きる糧として、観に来ているヨーロッパのThe Oneが大勢いるのだ。

BABYMETALは凄い。世界を今、変えている。

P.S.ついさっきメールボックスを見たら、東京ドーム追加公演決定9月20日「黒い夜」だと。案の定、X Japanと同じ2Daysじゃないか。5万人×2日間で10万人。一気に、代々木国立競技場のももクロ並みの動員なんだけど。

つい数日前は、9月1日発送予定のキツネ祭りからウェンブリーまでのBDボックスが27,000円。8日水曜日までに払え、と。今日は追加公演12800円だと。キツネ様の命とはいえ、月初めに、きつい出費だ。当たればだけど。