MINI-ARROWの調整 | 私、BABYMETALの味方です。

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★本日のベビメタ

本日2月28日は、これまでBABYMETAL関連では大きなイベントのなかった日DEATH。

 

BABYMETAL MINI-ARROWの再調整を行いました。今日はそのご報告。

エレキギターは、メーカーやモデルによって、ネックの長さ(ナットからブリッジまでの長さ、「スケール」という)が異なる。

フェンダーのストラトやテレキャスターはレギュラースケール25 1/2インチ(647.7㎜)、ギブソンのレスポールはミディアムスケール24 3/4(628.65㎜)、フェンダーのムスタング、ジャガーはショートスケール24インチ(609.6㎜)。

スケールが短いとフレットとフレットの間も短く、手の小さい人でも弾きやすい。

しかし一般的にはスケールの長いほうが、音程は正確になる。

また、スケールが長いほど、同じ弦を張って同じ音程にしたとき、物理的にその張力は強くなる。だから、ストラトには009-042の弦を張り、レスポールには010-046の弦を張ると弦の張力はほぼ同じに感じる。

ESP製BABYMETAL MINI-ARROW (但しMade in China)のスケールは512㎜だから、超ショートスケールである。

到着した夜にネックをチェックして、トラスロッドを締め、ネックをまっすぐにしてからオクターブ調整をして「ヘドバンギャー!!!」を試奏してみた。

数日後、弦をピッキングハーモニクスの出やすいRotosoundのピンク(009-042)に張り替え、それだけではふにゃふにゃなので、全弦半音上げにして、オクターブ調整をやり直し、「Friends」を録画した。それでもやはり強く握るとピッチが狂う。

そこで今回は、再度ネックの調整をしてから、弦をRotosoundの黄色(010-046)のセットに張り替え、ノーマルチューニングにして、オクターブ調整をやり直した。

 

1.弦を取り去り、指板にレモンオイルを塗る。

弦を緩め、12フレットあたりで、ニッパーでバシバシ切り、ヘッド側とボディ裏から弦をすべて取り去る。弦は丸めて燃えないゴミ箱へ。レモンオイルは楽器店で売っているもので、ボディの汚れを拭い去り、指板を保護する万能液。たっぷりと指板に塗り込み、かつ弦に隠れていたボディ中央、ピックアップ回り、ブリッジ回り、ヘッド回りをクロスで丁寧に拭く。

 

2.ネックの調整

ネックは木製なので、温度、湿度、弦の張力で曲がったりゆがんだりする。簡単な反り具合のチェックは、真上から見て、弦と平行にまっすぐかどうかを見る。

比較のためE-Ⅱ Horizon FR7と並べてみる。

弦を張ったFR7はわずかに順反り(ネック中ほどがわずかにへこんで見える)。

弦を張っていない右のMINI-ARROWはほぼまっすぐ。これで弦を張ると、わずかに順反る。それでよい。トラスロッドは万能ではなく、ネックにねじれが生じてしまうこともあるので、慎重に少しずつ。

 

3.弦の張り替え

ペグに横穴が開いているタイプの場合、ブリッジのボディ裏から弦を通し、よくしごいて弦のねじれを取りつつペグの穴に通したら、ピンと張った状態からペグ約2個分の長さを戻す感じで、1周目は穴に通した弦の上を、2周目以降は穴に通した弦を挟み込むようにその下を回して、ペグを回して素早く巻いていく。だいたいその弦の音になるまで巻いたら、余分な弦をニッパーで切る。

フェンダーのようにペグに縦穴が開いているペグの場合は、先の写真のように、あらかじめペグ2個分の長さの余裕を持たせて切ってから穴に入れる。この余裕分の長さは弦の太さとペグのポストの太さによって変わるのだが、ペグに通した弦の下2-3周で巻き終わるとチューニングの狂いが少ない。MINI-ARROWの場合、超ショートスケールなので、わずかな弦のゆるみがすぐ音程に影響する。

次の写真は、弦を巻き終ったところ。後述するナット進入角が浅いので、多めに巻いている。トラスロッド調整したので、ネックはほぼまっすぐ、心持ち順反りとなっている。

 

 

4.オクターブチェック

弦のゲージを変えたら、チューニングしてから、必ずオクターブチェックをやり、ブリッジのコマを動かして、12フレットの実音と倍音が同じ音になるように前後に調整する。上は009-042のセットを半音上げにした状態、下は010-046のセットのノーマルチューニング。

微妙だが、コマ位置が変わっているのがおわかりだろうか。

 

 

で、試奏。比較のためにE-ⅡHorizon FR7での演奏もアップしました。

曲は「メギツネ」(Live at Budokan Copyright©2014トイズファクトリー)

MINI-ARROW

https://www.youtube.com/watch?v=cyyv5OBfQl0&t=105s

E-ⅡHorizon FR7

https://www.youtube.com/watch?v=bnpn7Vu1H2E&t=51s

 

弦を010-046に変えたことで、ピッチの安定度は飛躍的に向上した。ただ、まだ1-2フレットでは強く押弦すると音程はシャープする。

ぼくの弾き方に問題があるかもしれないのだが、他のギターではそんなことはないので、おそらくナットとペグの角度(ナット進入角)が浅いことが影響していると思われる。

ギブソン系のギターでは、ヘッドが指板に対して14度~17度の角度で傾斜しているので、ギターを水平に置くとヘッドの裏とボディのお尻が地面につくことになる。

フェンダー系のギターは、一本の木を削りだしてネックをつくるため、ヘッドは指板に対して平行で、ギターを水平に置いてもネックが地面に触れることはない。

ただ、ナット進入角は溝から弦が外れるのを防ぎ、音程の正確さやサステインにも影響があるので、フェンダーでは、ヘッドをえぐって角度をかせぐのと、1、2弦には、ロゴ付近に弦抑え(ストリングリテイナー)をつけて、ナット進入角15°程度を確保している。5、6弦のペグはナットに近いため角度がつき、1、2弦はストリングリテイナーがついているので角度がつく。となると3、4弦はどうするのか、というわけでフェンダーの70年代モデルには、3、4弦にもストリングリテイナーをつけたものがある。

これを抜本的に解決するのが、フロイドローズについている全弦用のストリングリテイナーバーである。ナットのすぐあとにこれをつければ、全弦均一に角度がつき、ペグとの距離も問題にならない。

なので、MINI-ARROWにも、Horizonについているのと同じ6弦用のストリングバーをつければ、010の弦でも十分なナット進入角が確保され、ピッチの安定とサステインを得られるかもしれないと思って、先週イシバシ楽器店で発注し、入手してあるのだ。(ESP純正、2160円)

つまり、ヘッドにネジ穴をあけ、改造しちゃうということですね。

(写真は左からフェンダーテレキャスターシンライン、FR7、BABYMETAL MINI-ARROW)

しかしここで自問自答が始まる。

待て待て待ていっ。シリアルナンバーが打たれた世界限定コレクターズアイテムだぞ。将来、ベビメタがもっと有名になったら、ものすごい値段になるかもしれないのだぞ。ネジ穴なんかあけたら、価値がなくなるではないか。

いやいやいや。投機目的だったら箱を開けないで新品のまま保管しておくがよい。使ってこそギター、正確な音程で美しい音楽を奏でてこそギターではないか。やっちゃえ、やっちゃえ。

ほかに解決策はないのか。

弦をもう1ゲージ上げて011-052に変えればもっと張力が増して、ピッチが安定するだろう。ただそうするとナットの溝が狭すぎて、弦がナットから浮いて、弦落ち(チョーキングなどでナットから外れること)が起こるかもしれない。それを解決するには、ナット溝の切り直しあるいは交換になるが、溝を太くするので010や009では弦が暴れてかえってピッチが不安定になる。

もともと手が小さく握力がないムスメのために買ったギターである。細い弦でもピッチを安定させるには、やはりストリングバーをつけてナット進入角をつけるのがベストではないか…。

しかし、フェンダー系ギターのストリングガイドのリプレイスメントパーツの話はネット上にいっぱいあるが、トレモロユニットごとフロイドローズにつけかえるならともかく、ストリングリテイナーだけ、フロイドローズタイプのバーにするという改造の話はない。

果たして、弦を変えずに全弦用ストリングリテイナーバーをつければ、適度なテンションでピッチが安定するというのは正しいのか、間違っているのか。

ギターのリペア、改造に詳しい方、メーカーの方、最終責任はぼくが負いますから、どなたかご教示を。