音楽人生 | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日2月23日は、これまでBABYMEAL関連では大きなイベントのなかった日DEATH。

 

先週の日曜日、地元のフォークバンド「おやゆび姫」のライブに行ってきた。

ぼくより一回り年上のおじさま方による、南こうせつとかぐや姫を中心とした70年代フォークソングをレパートリーに持つアマチュアバンドだ。

 

ショッピングモールの中の劇場に80人ほど入った観客のみなさんも一回り年上に見える方々で、なんとこのぼくが最年少っぽい。

ぼくが通っているカトリック教会のバンマスさんが、このバンドでもバンドリーダーのベーシストなので、ご招待をいただいたのである。

アコースティックギター4名(うち2名ボーカル)、ベース、紅一点のキーボード&ボーカル、カホンの7名というバンド構成。

歪んだ大音量のメタルとは正反対の、倍音たっぷりのアコースティックな優しい音。

リードギターの方はなかなかのテクニシャンで、単音で美しいパッセージを奏で、サイドギターの方は熟練の3フィンガー奏法でバッキングする。その上に抱腹絶倒のMCをやるフロントマンの男性がコード弾きをしながら若々しい声でメインボーカルをとり、もうひとりの南こうせつに似た男性サイドボーカルもコード弾きしながらきれいにハモる。バンマスのベースは、結構複雑なベースラインで全体のアンサンブルを支え、カホンが緩急自在のリズムを刻む。紅一点の女性はコーラス担当だが、ときおりフロントマンに代わって、縦笛を吹いたり、澄み切った歌声でメインボーカルもとる。

お揃いのバンドロゴの入った色違いのボタンダウンシャツがコスチュームのようで、ももクロみたいにメンバーによって色が決まっているのかと思ったら、後半では各自違う色になっていた。

セットリストの前半は、「岬めぐり」(山本コータロー)、「花嫁」(はしだのりひこ)、「なごり雪」(イルカ)、「22歳の別れ」(伊勢正三)、「卒業写真」(ユーミン)といったぼくが小学生から中学生の頃の70年代フォーク/ニューミュージック。ベースラインがかっこいい「夢前案内人」(山口百恵)も入っていた。

休憩をはさんだ後半は、「神田川」、「妹よ」、「赤ちょうちん」といったかぐや姫のレパートリー。

ほとんど聴いたことのある曲ばかりで、一気に少年時代が蘇ってきた。

ステージ上も観客席も、平均年齢は65歳を超えている。

ぼくが小学生の頃、彼らはもう大学生くらいのギターを抱えたちょっと髪の長いお兄ちゃんたちだったのだろうな。

当時、「明星」「平凡」という芸能雑誌があって、付録に歌本がついていた。譜面や歌詞にギターのコードが書いてあり、後ろの方にコードの押さえ方が載っていたので、ぼくはこれでギターを覚えた。

最初は父親のクラシックギターだったが、小遣いを貯めて最初に自分で買ったのは、中古のフォークギターだった。

クラシックギター(ガットギター)とフォークギター(アコースティックギター)の違いは弦だ。クラシックギターは、ナイロンのガット弦を使うが、フォークギターは大きな音を出すために、エレキと同じく金属弦を使う。だが、弦はエレキより太い。(エレキ1弦0.09㎜~、アコギ1弦0.12㎜~)。

エレキは、様々なゲージ(弦の太さ)に対応できるようにオクターブ調整といって、12フレットの倍音と12フレットを押さえた実音が同じピッチになるように、ブリッジのコマを前後に微調整できるようになっている。

フォークギターは、白いプラスチックのブリッジがボディに固定されているため、設計時に想定された太いゲージの弦しか張れない。弦高も、強いストロークのコード弾きやネックの反りを考慮して、エレキより高く設定されている。

太い弦は張力が強いので、アコギではチョーキングはおろか、セーハ(1弦から6弦まで人差し指で押さえること、バレーともいう)もキツイ。そこをやっちゃうのが強じんな握力を持つアコギ名人、フルアコジャズギ超人なのだが、普通、アコースティックギターのプレイヤーは、カポタストを多用する。

このバンドが素晴らしいのは、カポタストをつけたり外したりするたびに、MCが絶妙な語りで笑いをとり、その間、ギタリストがチューニングを微修正していることである。

ギターという楽器は、左手で弦をフレットに押しつけて音程を変えるが、厳密には少しだけ縦にチョーキングしているのと同じなので、その分音がシャープする。だから弦高は、ビビリが出ない範囲で低ければ低いほどいいのだが、弦高の高いアコギでカポタストをつけるということは、全弦シャープすることになるので、微妙に音程が狂うのだ。それを微調整してチューニングしないと、カポタストを使わないほかの楽器との間で和音が濁る。

それを曲ごとにやっているということは、メンバー同士がお互いの音を聴いて和音が濁っていないかどうか常に気にしているということだ。テクニックよりも何よりも、チューニングが合っていることがバンドにとって最も大切なことだ。さすがベテラン、それがよくわかっている。

もっとも、昔はチューナー自体がなかったから、音叉かキーボードのAの音をもらって5弦を合わせ、あとは各自耳で弦をチューニングしていた。曲を練習するにもTAB譜も動画もなくレコードからの耳コピだったから、耳が鍛えられたのである。

今は各弦の音が合っているかどうかインジケーター表示されるチューナーがあるから楽だが、盲点もある。

メーカーが異なったり、電池が消耗したりしていると、チューナーのA=440の音自体がわずかにずれていることがあるのだ。正確にチューニングを合わせようと思ったら、全員がひとつのチューナーを使って音合わせすると、バンドの音は確実にグレードアップする。

元々は若い頃、会社の同僚がクリスマスパーティのために結成したバンドだそうだが、数年前に再結成し、ライブ活動や福祉施設訪問などを続けているとのこと。

年輪を重ねても、メンバーが好きな曲、やれる曲を持ち寄り、アンサンブルを決め、次のライブを目指して個人練習を欠かさず、集まっては合奏する。楽器を弾くことは、手指を使い、耳を刺激することになるし、歌うには歌詞を覚えなきゃならず、カロリーも使う。お客さんの前に立つ緊張感からしゃんとするし、何より仲間と一緒に、キメがハマったときはめちゃめちゃ楽しい。

ストーンズやクラプトンやジェフベックは70歳を超えている。ヤク中とかアル中になって若死にする奴も多い反面、コンディションを維持して、人前に立つ演奏家であり続けることは、最高のアンチエイジングなのかもしれない。

Kawaiiアイドルがフロントマンで、超絶技巧のメタルバンドがバックを固めるBABYMETALとは真逆の、田舎訛りの語りで笑いをとる陽気なバンダナのおじいちゃんがフロントマン、女性は紅一点のアマチュアフォークバンド。7名構成でバンドリーダーがベーシストというのだけが共通している(^^♪

ライブ終盤、「僕の胸でお休み」(かぐや姫)では、老夫婦がほっこりしていたし、「ささやかなこの人生」(伊勢正三)では、観客席は大合唱となり、温かい空間が現出した。

ぼくにとっては懐かしくもあり、励まされもしたライブだった。

こんなふうに年をとっても音楽を演奏したり、聴いたりする生活。いいね!

あと10年後、BABYMETALはまだ7つの海、空を超えて、世界中を笑顔にしているだろうか。

 

P.S

MINI-ARROWのデモ演奏「Friends」、スマホ用のマイクをつけて、再録音しました。

https://www.youtube.com/watch?v=8DesXnO51pM

やっぱり0.09㎜(RotoSoundだとピンク)だとピッチが安定しないので、週末、0.10㎜(黄色)、0.11㎜(赤)に張り替える予定。それでもだめならと、ESP純正のフロイドローズ用ストリングリテイナーを発注しました。改善の模様はまたご報告します。