大阪・京セラドーム参戦記(1) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

家を出たのが6:30。東京で新幹線に乗り換え新大阪着が11:06。

ここで、危機的状況が出来した。新幹線改札を出て、ホテルに電話をしたときに、予約票と一緒に入れておいたチケットを落としてしまったらしい。すぐ気づいて探したが、ない。誰かに拾われてしまったらしい。あきらめきれずに改札口の駅員に届いてないか確認したが、ないという。もう一度地面をくまなく探したがない。まだ早いので当日券を買うしかないかなと思ったがもう一度東口改札に聞いてみると、今届いたところだという。拾って届けてくれた方、ありがとうございます。

ホテルにチェックインしたのが、結局12:00。急いで支度し、JRで「大正」駅へ。

改札を出て、少し歩くともう京セラドームが見えてくる。メイトさん数名とともに橋を渡ってドームまで歩く。

12:50、京セラドーム大阪着。

そのまま場外のベビメタ物販の列に並ぶ。この時点で列はゲートのある3階から階段を2階降りて、1階のトラック駐車場まで伸びていた。最後尾に行くときに列を見ながら笑えてきた。すごい人気。大勝利確定である。

大阪の高校時代にベースをやっていたというメイトさんといろいろ話す。高校時代に聴いていたバンドで歳がわかるのが面白い。ソウルの話、レジェンドたちが新譜を出してる話。メタリカ、ボンジョビ、ジェフベック、ストーンズ。付き合っていただき、ありがとうございました。

列が動き出した14:00時点では、駐車場の中で2週していた。が、ぼくが物販テントの直前まで来たとき、「The One Tシャツ以外は、全種類、全サイズ完売です」のアナウンス。2週続けてTシャツは買えなかった。直行すればよかったんですね。

しかたなく、ドーム2階のCLUB STUDIUMというレストランで腹ごしらえ。

シャッターが閉まっているのに、ドーム場内からドラム音がする。

耳をすますと、青山神恒例の「いいね!」のエクササイズらしい。さらにベース、ギターが加わる。「CMIYC」らしいインスト。ギターはアウトな音で藤岡氏、さらに伸びやかな高音のメロディックなソロはLEDA氏か。ベースは、店内にいた若いメイトさんはBOH氏だというが、なんかいつもと違う気がして、ソウルに参加した瀧田氏ではないかと予想。

曲は、「CMIYC」から「あわ玉フィーバー」、さらに「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。

これは、いつもと違うぞと店内のメイトさんと語り合う。最後は「BMD」だった。

この時点で16:00だったので、開場ゲートへ。

少しだけ待ったが、ほぼ定刻どおり入場。

センターバックスクリーンにステージがあり、両サイドに縦長のスクリーン。

外野席以外は、3階席まで座席になっており、ピットはステージ前のVIPエリアがやや狭く、あとはA席の椅子が並んでいる。全部で3万人くらいか。

座席を確認して早めに座っていると、このブログを読んでくださっている方が訪ねてこられた。少し話し込み、17:20。この時点で入りは5割ほどだが、ソウルと違い、順調に座席が埋まっていく。17:45、入りは7割。どんどん埋まっていき、5分前にはほぼ満席となった。

 

さすがホーム。もちろんガンズファンが主力だと思うが、日本のロックファンだから、わがBABYMETALのことは肯定・否定含めてよく知っている。スラッシュ(G)、ダフ(B)が復帰したとはいえ、チケットが高額のため二の足を踏んでいた方もいたと思うが、BABYMETAL「も」見られるということで、お得感が増したのではないだろうか。

18:02。場内のシーリングライトが落ち、ステージのスクリーンにBABYMETALのバックドロップが映る。ソウルではこの瞬間を見られなかったのよね。大歓声が上がり、「紙芝居」が始まる。

これだよ、これ。会場を埋め尽くす数万人の大歓声こそ、BABYMETALには相応しい。ソウルを見たぼくは、涙が出そうになる。

「A Long time ago, in the Heavy Metal Galaxy far, far away…」何度聞いてもいいなあ。本当にBABYMETALは奇蹟なのだということが実感される。

このあたりで神バンドがステージに上がり、客席はまたも歓声をあげる。

本日の神バンドは、下手ギターLEDA神、ベースBOH神、ドラム青山神、上手ギター藤岡神。ソニスフィア2014のメンバーである。

実は今日ぼくは迷ったあげく、ソニスフィア2014のTシャツを着ていた。物販で今回のTシャツを買えなかったのでそのままである。後でわかるが、フィニッシュはイジメだった。なんか、つながっている。キツネ様の思し召しなのだろう。

「Are you ready?」に客席は「Yeah!!!」と笑顔で応える。

「It’s time for Metal Resistance with BABYMETAL…METAL…METAL…」から、シンバル4つ打ち、「BABYMETAL DEATH」のスタートである。

例によってフードタオルで顔を隠した三人が上手から登場。会場のボルテージはトップギアに入る。普通に観客席は「ハイ、ハイ」。三人が両手をあげてトランス状態に入ると、スタンディングエリアのほぼ全員が、同じように両手を挙げて首を振る。ただ、スタンド席の観客は座ったまま叫ぶ。もちろんぼくもだ。

「B!A!B!Y!M!E!T!A!L!」

東京ドームを思い出す。こうして、見渡す限りの観客が、「デス!デス!」と叫びながら、みんな笑顔になっていたのだ。

最後の「BABY!METAL!DEATH!」で、照明が赤くなり、ドラムスがドコドンと言って終わり、「ピー」というSEが入る。

ぼくは、このブログと「BABYMETALの楽園」で呼びかけていた通り、大声で「おかえり!BABYMETAL!」と叫んだ。

セットリストは、以下のとおり。

1.BABYMETAL DEATH、2.神バンドソロ~あわ玉フィーバー、3.メギツネ(煽り付き)、4.ギミチョコ‼(煽りなし)、5.KARATE、6.イジメ、ダメ、ゼッタイ

「BMD」のSEで大歓声と拍手が続く中、照明が赤から青に変わる。気合の入った青山神のドラムスが響き、メタルゴッドたちがステージの前にせり出してくる。「CMIYC」かと思ったら、いつもとなんか違う。

テンポが速いし、リフも違う。アレも違う、コレも違う。

観客は、「ハイ、ハイ…」と声をあげる。いつものBABYMETALのライブである。だが、曲が違うのだ。新展開である。

ソロ順は先に下手のLEDA神。速弾きの中にも高音のフレーズが突き刺さる。

藤岡神のソロは、目まぐるしく転調する“アウト”な速弾き。今日のギターは、レッチリツアーと同じく、桜色のSnapperである。黒いHorizon FR7は重すぎるからね。シグネチャーモデル契約なのかもしれない。

続くBOH神は、ソウル欠席のうっ憤を晴らすかのような、タップ&スラップの迫力。下から見上げる藤岡神のピエロのような表情も健在。

そして青山神。正確無比で手数の多いソロはやっぱりこのバンドの礎である。

「ハイ、ハイ…」と入ってきた三人も満面の笑顔。アップになるSU-の表情が豊かだ。YUIはすらりと背が伸びて、昔の日本映画の女優さんみたい。MOAは客席の隅々まで笑顔を飛ばし、惹きつける。

だが、「1,2、1234」から「あわ玉」のイントロダンス。そしてSU-の歌は、「秘密の箱、開けて見たら…」と「あわ玉フィーバー」につながった。

「1,2,3,4」「ひーふーみーよー」は、ぼくの席のまわりでは、あまり声が上がらなかったが、ぼくの前のメギツネさん(ほんとはガンズファン)は、「あーイエイ!」をやっていた。曲が違うから「I wanna see a big circlepit!」の煽りはなし。

YUIとMOAがSUを扉のところに導く振りできれいに終わると、照明が青から赤に変わり、「きーつーねー、きーつーねー、わーたーしーはーめーぎつねー」のメロディから、SEによるへヴィなイントロが繰り返される。「メギツネ」だ。

和楽器を交えたリフにピタッと決まったYUI、MOAのお稲荷さん、そしてピッキングハーモニクスの「ちゅいーん」から「ソレ!ソレ!ソレ!ソレソレソレソレ!」になると、もう観客席は興奮のるつぼである。やはり、「メギツネ」はライブのキラーチューンだ。

大阪ドームは地盤が緩いため、コンサートでのジャンプは禁止となっている。すわ、地震かと思うほど、近隣の家が揺れるので、住民から苦情が出るのだそうだ。

なので、ブレイクのあとのSU-の煽りは、ジャンプじゃないだろうと思っていたら、「Are you read! 京セラドーム!Here comes the Fox God. On the count of three, everybody Jump up with Fox God. Are you ready? A---re You---Ready? 京セラドーム!」というもの。観客が「Yeah!」と叫んだと同時に「OK, 1, 2, 1,2,3 Jump!」となった。言っちゃったよ。

観客は、入場時から、執拗に「ジャンプ禁止」と言われていたから、飛ぶに飛べない。ピットも地蔵状態で、手を挙げているだけ。これには笑った。

またもや照明が赤から青に変わる。「Give me…」の繰り返しから、「ギミチョコ!!」。

あのヘンテコ頭差しダンスで、アップになったMOAとYUIの笑顔がはじける。ギターソロでSU-は英語で「C’mon 京セラドーム! Clap Your Hands!」と叫ぶ。観客は、「Yeah!!!」と応え手拍子をとる。

たが「チョコレート、チョコレート、チョチョチョ」の煽りはなし。

「ぱらっぱっぱっぱーぱーぱぱぱぱ」で止まると、間髪を入れずSEが響き、三人の手が斜め45度にピタリと揃う。「KARATE」である。

車の中で聴くだけでなく、何回この曲を見ただろう。

2015年12月横アリ。2016年3月公開のフルMV。4月ウェンブリーとMステ。5月アメリカNCシャーロットのCarolina Rebellion。6月ヨーロッパツアーのペリスコ。7月APMAのAmazon Music配信。8月4大フェス。9月東京ドーム「Red Night」。10月Zepp東京のLV、11月西武新宿駅前のユニカビジョン。12月レッチリUKツアーのペリスコ。2017年1月韓国ソウルメタリカライブ。そして今日。

「How’re you feelin’ tonight? How your feelin’? 京セラドーム!Let us hear your voice. Put your hands up in the air! Woo… Woo…」

ハミングは、高音を使った新しいフレージングで、これまでの中で一番かっこよかった。まだまだ進化しているのだ。素晴らしい。

BABYMETALによって闇から目覚めたぼくは、この曲とともに生きてきた。

♪「ひたすらセイヤソイヤ戦うんだ、悲しくなって立ち上がれなくなっても、走れ!」

BOHがノッている。あの頭振り&くるくるジャンプが出ている。そして静寂。振り上げたこぶしをキツネサインに変えて胸に秘めるポーズは、何度見ても泣ける。

ああ。あと1曲しかない。

リハ通り、最終曲は「イジメ、ダメ、ゼッタイ」だった。

SU-の語りは英語。「Wall of Death」と言われても、さすがにピットは開かない。最前であったかもしれないが、見えなかった。

だが、「ルルル―」には、東京ドームと同じく、ドーム内に手拍子が響く。

イントロが始まり、SU-の「あー」で、YUI、MOAがステージ上、レフトライト間を激走する。場内は騒然となる。

これだよ、これ。アップになったSU-、YUI、MOAの顔に微笑みが浮かぶ。カメラワーク、GJ!

「イジメ」「ダメ!」「キツネ」「飛べ!」は場内大合唱。ダメジャンプはできないので、ピットは手を挙げるだけだが、ほぼ8割がやっていた。

ソウルと同じく、野球用ドームだから、ものすごい声量になったSU-の声は割れて聴こえる。だが、あの「君を守るかーらー」は、BABYMETALをあまり知らないガンズファンにも強烈な印象を残したはず。ぼくの席の近くには、何国人だかよくわからないラテン系の外人さんが多かったのだが、みんな笑顔になっていた。

そして、YUI、MOAの偽闘も、キレッキレ。ソウルに続いて、二人の煽り、肉声が聴けないのが残念なのだが、気合が入りまくっていた。

そして、ツインギターのダブルストップから、ドラムスのドコドン、ジャーン。からの、「We are?」「BABYMETAL!」は、いつものように4回。会場のほぼ全員が「BABYMETAL!」と叫んでいる。

もう…。泣いちゃいますよ、これ。

究極のアウェイだったソウルから帰国した三人は、大阪で温かいメイトの大歓声に迎えられた。演奏やパフォーマンスが変わったわけではない。ソウルだって全力だった。それは、その場にいたメイト全員が感じたこと。

だが、ライブは、アーティストとオーディエンスがともに創るもの。アーティストが全力でも、オーディエンスが自分の目で見たもの、自分の耳で聴いたことを、感じたままに受け入れる気持ちがなければ、いいライブにはならない。

今日のライブは、ガンズの公演。ファンの多くはガンズ目当てである。ピットA席の多くが、動かない。だが、ちゃんと聴いている。ベビメタファンに合わせてノッテくれている。ホームである日本では、BABYMETALのパフォーマンスの意味を理解できるオーディエンスが育っている。

会場の進行もスムーズだったし、何よりも観客がちゃんと開演時間に席に着く。

しかし、海外ではそうはいかない。4月からはレッチリUSツアーが始まる。まだまだ過酷なアウェイの戦いが続くのだ。

最後のSU-のセリフは、「Hope you enjoyed our show. Now it’s time for Guns N’ Roses! See You!」今日はちゃんと言えた。観客は大歓声と大拍手。あっという間に終わってしまった前座、BABYMETALを称えた。

素晴らしいライブだった。これぞ、大勝利である。

さあて、お次はガンズ。(つづく)