Guns!(3) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日1月19日は、2016年、「Metal Resistance」の曲目・アートワークが発表され、その中に「META!メタ太郎」という曲があるのを見て、全国のメイトさんが一斉に「なんじゃこりゃー!!!」と叫んだ日DEATH。

 

ガンズの音楽性の続き。

80年代、LAメタルの先駆者ヴァン・ヘイレンがメジャーコード進行(長調)に、タッピングという画期的奏法で、ハイウェイを疾走するような明るいメタルを開拓し、それに続くド派手なLAメタルブームが起こった。それに対して、80年代後半には、パンクに影響を受け、メタリカを筆頭に、マイナーコード進行(短調)のシンプルで、重く、速い曲調にのせて、社会への怒りや暗い情念を歌うスラッシュメタルが勃興した。

では、1987年デビューのガンズ・アンド・ローゼスはどうか。

ガンズのギタリスト、スラッシュが愛用しているギターは、ギブソン・レスポール。

ブリティッシュハードロックの両巨頭といえば、前回も出てきたレッドツェッペリンとディープパープル。ツェッペリンのギタリストはジミー・ペイジ。彼のメインギターがギブソン・レスポールである。

一方、パープルのギタリスト、リッチー・ブラックモアの愛器は、フェンダー・ストラトキャスター。

レスポールは小ぶりでダルマ型。ハイフレットを弾きやすいようにボディをえぐってある部分=カッタウェイは1弦側だけである。これをシングルカッタウェイという。

ストラトはやや大ぶりで、カッタウェイは1弦側と6弦側の両方にあり、えぐりが大きいために1弦側と6弦側のボディはホーン(=角)状になっている。

ネックとボディの接合も、レスポールは接着剤を使って固定されている(セットネック)のに対して、ストラトはネジで止められているだけで、取り外しができる(ボルトオン)。

一般的にはセットネックの方が、ネックとボディが一体化している分、生で弦を鳴らしたときのサステイン(弦を鳴らした音がいつまでも続く)が長い。

両者の最も大きな違いは、弦の振動を電磁気的に拾うピックアップである。

レスポールは四角い金属製のカバーがついたやつが2つあるのに対して、ストラトは細長く6つのボビンがついた白いプラスチックカバーのピックアップが3つある。

実はレスポールのピックアップカバーの中には、ストラトと同じような細長いピックアップが2つ入っている。ストラトのピックアップはシングルコイルといって、鋭く、クリアな音がするのだが、反面ノイズを拾いやすい。それで2つのシングルコイルを逆位相に接続することでノイズを低減するのが、レスポールについているハムバッカ―というしくみのピックアップである。これにより、ハムバッカ―のついたレスポールは、太く、つやのある音が出るが、シングルコイルが3つあるストラトは、鋭く、かつ3つのピックアップのセレクターポジションが5つあるので、多様な音が出るという違いがある。

両者の違いはまだある。レスポールは、基本的にはアコースティックギターと同じく、弦の終端部がボディに固定されて動かない。しかし、ストラトの弦の終わりの部分は何やらごちゃごちゃしていて金属製の棒がついている。これはボディ裏のバネにつながっていて、これを押すと弦が緩んでぐわーんと6弦全部の音が下がる。このしくみをトレモロユニットといい、曲中でこれを使ってトリッキーなフレーズを奏でることをアーミングという。これこそ、リッチー・ブラックモアのもうひとつの得意技であった。

つまり、同じロック用ギターでも、レスポールとストラトは対照的なのである。

ストラトを使うギタリストは、ジミヘン、リッチー、ジェフ・ベック、イングウェイ・マルムスティーン、スティーヴィー・レイ・ヴォ―ンなどテクニシャンぞろい。

ただ、オリジナルのフェンダー・ストラトキャスターは21フレットまでしかなく、シングルコイルなのでノイズを拾いやすい、アームを使うとチューニングが狂いやすいなどの欠点があった。

そのため、メタルが隆盛した80年代には、ジャクソン、ディーン、シェクターなどのメーカーにより、ストラトのようなダブルカッタウェイ形状をとりつつも、セットネックで24フレット仕様にしたり、弦の音を電気的に増幅するためノイズの少ないEMGアクティブピックアップを取り付けたり、激しいアーミングをしても音が狂いにくいように弦を0フレットのところで固定してしまうフロイドローズという大がかりなトレモロユニットを取り付けたりしたギターが開発された。エディ・ヴァン・ヘイレンのギターもそうだし、現在、BABYMETALの藤岡神や大村神が使っているESPのHorizonやSnapperもこうしたストラト・タイプの進化型ギターである。それは何より大音量でも輪郭のくっきりしたディストーションサウンドと激しいアーミングでテクニックを見せるためである。EMGのピックアップとフロイドローズは、元々はトレモロのないギブソン・フライングVやエクスプローラー・タイプのギターにも取り付けられ、メタルギタリストの御用達となっている。メタリカのギターはジェームズ、カーク共にESP製で、このタイプである。

昔ながらのギブソン・レスポールを使うギタリストは、トレモロアームや奇抜なテクニックを使わずに、太くて艶のある音を生かして、“味”のあるブルージイなリフやフレーズを弾くギタリストが多い。ジミー・ペイジ、デュアン・オールマン(オールマンブラザースバンド)、ゲイリー・ムーア(「パリの散歩道」)、ジョー・ペリー(エアロスミス)、リック・ニールセン(チープトリック)などであり、この系譜にスラッシュも位置する。MOAが好きな「けいおん」の平沢唯ちゃんもね。

ちなみに長身細身で腕の長いギタリストが、小ぶりのレスポールを、腰の位置までだらりと下げて弾くと、ものすごくカッコいい。凄いテクニシャンでも小太りになってストラト・タイプを胸のあたりで弾くギタリストには、女性ファンはなかなか寄り付かない。

それはともかく、ガンズ・アンド・ローゼスの音楽性は、LAメタルの証であるメジャーコード進行に、レスポール=ハムバッカ―の太くつややかな音でブルージイなフレーズを弾くというところに特徴がある。

メタルはメタルでも、メタリカ流の重くて速くて暗いメタルではなく、明るいロックンロールテイストのリフ&ソロ。

曲によってはアコースティックでリリカルなもの、ドラマティックな構成を持つものもあるが、これもレッドツェッペリンの「天国への階段」のLAメタル版といえなくもない。

ガンズが世界中でウケたのは、アクセルの際立ったフロントマンぶりと歌詞の過激さもあるが、何よりも明るい曲調とスラッシュの“味”のあるフレージングが「カッコいい!」となったからであろう。

ちなみに、今回のガンズ公演では、ギブソンの下位ブランドであるエピフォンが、チケット購入者から抽選で、エピフォン・レスポール・スラッシュモデルが当たるキャンペーンをやっている。

 

いよいよガンズ・アンド・ローゼスNot in This Lifetimeワールドツアー日本公演初日、大阪・京セラドーム大阪、Special Guest BABYMETALが明後日に迫ってきました。

ここで、ぼくから参加される皆さんにご提案です。

「BMD」が終わったとき、みんなで「せーの!」で「おかえり!BABYMETAL!」と叫びませんか?

東京ドーム「Black Night」以来、12月のレッチリUK、1月11日のメタリカ韓国と、極寒の海外を転戦してきたBABYMETAL。

久しぶりの日本に登場するSU-、YUI、MOAの三人を、温かく迎えてあげたいのです。

タイミングは、「BMD」が終わって、ドラムがドコドンと終って、SEが「ピー」となっているとき。

京セラドームは、コンサートモードでフルなら5万人が入ります。ぼくはS席なので、大声をあげても届かないかもしれませんが、VIPの最前にいる方々なら、ステージに聴こえると思います。

みんなで、「せーの!」「おかえり!BABYMETAL!!!」

海外を転戦し、ようやく故郷である日本に帰ってきたSU-、YUI、MOAと、ベビメタロスを耐え抜いたぼくら。君たちがいて、ぼくがいる。万感の思いを届けようじゃあーりませんか!(大阪だけにCopyright©チャーリー浜)