ソウルメタリカライブ反省編(2) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

1月15日は、2016年、2nd アルバムのタイトルが「Metal Resistance」と発表され、全国のメイトが「そりゃそうだろうな」と妙に納得した日DEATH!

 

昨日、ソウルメタリカライブ反省編(1)に大勢のコメントをいただき、ありがとうございます。

まず、今回BABYMETALソウル大勝利!とならなかったのは、「ダ」区域下手柵前あたりにいたぼくの主観だということを確認しておきますね。ツイッターでは、最前中央にいた方が、「凄いライブだった」「初見の韓国人ファンもウケていた」と証言されています。

東京ドーム同様、席によって見え方や評価が変わるということですね。

それから、メタリカとの対バンという見方ですが、1970年代に日本人ジャズ・バンドとしてヨーロッパを転戦した山下洋輔トリオの坂田明(AS)が、移動中の囲碁に負けて悔しまぎれに発した名言「勝負は勝ち負けではない」があるように、アーティストには、観客にいかにウケるかということと、音楽性・芸術性という2つの評価軸があると思います。BABYMETALは、MOAがいうように「70億人を笑顔にしたい」というアーティストですから、韓国でライブをやるという状況での評価軸は、いかにウケたかにあると思うのです。

メタリカは間違いなくウケていた。それに対してBABYMETALはどうなの?というのがぼくの考察です。もちろん、これもまたぼくの作った土俵です。「韓国ではBABYMETALの凄さ、つまり音楽性・芸術性を見せてくればよい、ウケなくてもいいのだ」という評価の仕方もありうるとは思います。

あと、ソウルの反省は今日で終わり。月曜からは、大阪、神戸、横浜、さいたまと転戦するガンズアンドローゼズのオープニングアクトに気持ちを切り替えていきたいと思います。

 

さて。そのうえで、今回はより過激な物言いになってしまう。ソウルで観客がいまいち盛り上がら/れなかった最大の原因は所属事務所アミューズにあると思う。

株式会社アミューズは東証一部上場企業である。そして連結子会社として、ソウル江南区に「Amuse Korea Inc.」がある。この会社のサイトに行ってみると、アミューズのアーティストの韓国でのTV放送やライブ公演の告知がリリースされている。BABYMETALのメタリカサポートアクトに関しても、メタリカの公式サイトのリツイートや、ライブの感想ツイッターがいっぱい載っている。

日本のアミューズ本社HPのトップページ1月11日アップデートのニュースリリースでは、三宅裕司や松井愛莉のことはフィーチャーされているのに、BABYMETALのMETALLICAソウルサポートアクトのことは一言も書いてない。

ちなみに所属アーティストの「は行」BABYMETALの項は、2015年12月の横アリの説明で終わっている。The ONEサイトがあるからということだろうが、一部上場企業として、稼ぎ頭のアーティストにこれはない。だったらThe OneにリンクするURLに書き換えればよいではないか。アーティスト担当者ごとの広報管理に関する社内体制はどうなっているのか。

大里会長は韓国好きとか言って攻撃する嫌韓派メイトさんがいるが、少なくともアミューズ本社では、BABYMETALが韓国でMETALLICAのSpecial Guestとしてライブすることを全くバックアップしていなかった。

AKB48などのアイドルや、有名日本人アーティストが韓国で単独ライブするときは、プロモーションとして韓国メディアに露出する。BABYMETALも、ドイツやイギリス、アメリカでは、話題のグループとしてTVや雑誌のインタビューがあった。

チームベビメタのメディア利用については、しばしば議論されている。広告費を払うタイアップならやらないという方針はひとつの見識で、すでに確固たるファンベースのある日本ならそれでもいいだろう。

欧米でメディアに登場するのは、海外エージェントが汚れ仕事をやってくれるからで、チームベビメタはそれに乗っかっているだけだ。

だが、今回は海外なのに、韓国ではTV露出や雑誌インタビューはなかったようだ。Amuse Koreaは、他の所属アーティストと同じく、サイトで告知しただけだ。

The ONE公式サイトも同様にMETALLICAソウル公演のリンクを張り、当日になってツイッターを上げただけだ。つまり、通常扱いだった。

前座だし、基本タイアップはやらないし、韓国だからといって特に力を入れる必要はない、と考えたのだと思う。だが、こういう国、時期だからこそ、公演成功のために、メディア露出は必須だったのではないか。

色々な思惑があるのかもしれないが、アウェーでも、前座でも、出演する以上は、総力でアーティストがやりやすい環境を整えてやるのが、プロデューサー、プロモーションの力ではないか。

物販についてもそうだ。BABYMETALはアミューズのトップアーティストである。ウェンブリーでは物販記録を更新した。可能性は低いが、メタリカ側から契約上の制限(メタリカより目立っちゃダメとか)があったのかも知れない。そう思わせるほど、貧弱な対応だった。

The Oneサイトではライブの数日前に「今回のベビメタTは4種類。お楽しみに」というアナウンスがなされた。Amuse Koreaのサイトには、テント4張りと4種類のTシャツが並ぶ写真が掲載されている。なぜかそれはハングルで前日1月10日付となっているのだが。

当日18:00にぼくが見たのはテント1張で、ベビTは売り切れていた。しかも同時に「売れ残り」をアスマートで販売するというツイッターが流れ、暴動寸前になったので、18:38ごろ江南から数箱持ち込まれ、入場列に並ばずに物販前に頑張っていた人には売ったらしい。

何が本当なのか、いまだにわからないのだが、チケットを持っていない人でも買えることと、販売時刻もアナウンスされなかったことは、不手際の極みとしかいえない。

つまり、Amuse Koreaは、BABYMETALのファンが物販に殺到することを想定していなかったということだ。また、そういう事態になることを、アミューズ本社から、あるいはチームベビメタから事前に聞いていなかったということだ。

つまり、どの会社にもある社内の連絡体制の不備で、お客様に多大なご迷惑をおかけしました、というやつだ。

サービス業の鉄則は、「顧客には礼儀正しく、しつこいくらいに丁寧に」「顧客満足第一」である。そのためのリサーチや情報ロジスティックが肝要である。

今回、アミューズはAmuse Koreaがありながら、それをしなかった。

前座だろうが、韓国でやると決めた以上、Tシャツを千枚単位で売り、「Metal Resistance」「Live at Wembley」も手売りし、来場者全員The ONEにするという意気込みが、アミューズ本社もしくはチームベビメタにあったら、もっと徹底して「作戦」を練ったはずだ。

SU-に「Hallow Seoul!」も言わせず、説明なしに、いきなり「I want to see a big circle pit!」とドS女王様ぶりを強調させた演出の失敗は、事前に「どうすればアウェーでも盛り上がるか」という情報をAmuse Koreaと打ち合わせして収集し、検討しなかったKOBAMETALの責任だ。

 

メタリカの公式サイトでは、メールアドレスとパスワードの設定だけで、簡単にファンベースの「5th member of METALLIKA」(5人目のメタリカ)に加入できる。ぼくも37万人のひとり。ライブでのMeet & Greet、つまり楽屋で記念撮影して、握手して、サインが貰える抽選に参加できるからだ。9日にはちゃんと外れメールが来たよ。その代り、サインインしないと、見られないアメリカでのライブ特典がついてくる。無料で。

メタリカが35年間メタル界の王座に君臨しているのは、メンバーの節制もあるが、こういうしっかりしたマネージメントの賜物だろう。

BABYMETALには、こんなサービスはない。それどころか、年明けになっても、年間ライブスケジュールが発表されない。The ONEは何の説明もなく1,000円値上げの4,500円だ。アルバムが2枚買える。よほどの凄い単独ライブスケジュールが発表されない限り、The Oneの登録者は目減りするのではないか。

韓国METALLICAサポートアクトで、韓国人メタルファンが熱狂できなかったのは、反日という韓国の政治的・社会的圧力に打ち勝つだけのプロモーション側の熱気がなく、BABYMETALに関するポジティブな情報を浸透させなかったから、つまり事前の盛り上げを怠ったからだ。

BABYMETALは韓国に行くべきじゃなかったという人もいる。ぼくはそうは思わない。超アウェーのこの時期に行ってよかった。学ぶべきことがよくわかった。

日本でも海外でも、ファンは「ベビメタロス」とかいって、どこまでも耐えている。

それどころか、Loudwireのファン投票では、X-Japanファンに打ち勝って、メタル部門の5冠を達成した。おめでとうございます。>BABYMETAL & RedditのFoxさんたち。

それをいいことに、韓国でも「ウェンブリーをSold Outして、東京ドーム満杯にした世界のBABYMETAL、知ってて当然だよな」「知らなくても凄いもの見せてやるよ」的なノリだったとすれば、ナメていたということだろう。

ぼくも含めて、韓国へ行ったメイトは、寒い寒い国の、「日本人が固まっていたら襲われる」とかいう嫌韓情報に肝を冷やし、直前に大使すら引き上げるという極限のアウェーでも、「とにかく盛り上げるぞ!」という思い込みだけで応援しに行ったのだ。

そして、このブログに書き込んでくださる多くのコメントを読んでいて、ぼくは、体の奥底から熱いものが何度もこみ上げてきたDEATH。

日本にいたメイトの方々も、みんなBABYMETALの韓国ライブのことを心配し、日常生活を送りながらも、心のどこかで気にかけ、応援してくれていたのです。

その熱気が、運営側に伝わっていないのは悲しい。

だが、KOBAMETALよ、後悔することはない。YUI、MOAも歌っているではないか。

♪「反省してもいい、後悔してはダメ~。」