ソウルメタリカライブ反省編(1) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

1月14日は、2013年、FM802「REDNIQS」およびFM Osaka「Buzz Rock」に出演し、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」リリース記念ライブin 大阪(@アメリカ村FANJ twice、14:00、16:00の2回公演)が行われた日DEATH!

 

なぜ、METALLICAはウケたのに、BABYMETALは韓国でウケなかったのか。

少なくとも、ぼくにはステージ前スダンディングRのセンター以外では、あまり盛り上がったように見えなかった。言い換えれば、ブログの記事にBABYMETALソウル大勝利!とタイトルをつけられなかった理由を、アレコレ考えてみた。今回も問題発言になるかも。

まずは、ぼく自身の反省から。

前日深夜まで仕事があったとはいえ、当日6:00に家を出て成田9:00発の便に乗れば、12:00には仁川に着けた。自宅から成田まで1時間もかからないのに。9:00発便には三人も乗っていたようで、入国審査の列にいたという情報もある。早めに着けば、他の日本人の方とももっと多くの時間、交流できたはずで、渡航の遅れが、楽しみにしていた電車にも乗れず、スーパーにも行けず、韓国料理も食べられず、Tシャツも買えなかった、諸悪の根源だった。

また、終演後、ダ列から一緒だった日本人メイトさんとはぐれたあと、腰が痛くても、若い日本人グループに便乗して明洞へ行けばよかった。この根性なしが。

明洞に行けば、韓国人メイトさんとの交流もできたかもしれない。かなだらめたるさんのご意見はもっともで、近いうちにもう一度機会を作って韓国へ行き、韓国人メイトさんや、メタリカのライブだからということで参加した方の感想を詳しく聞きたいと思う。

次に、BABYMETAL側の反省点というか、こうすればよかったと思う点。

ディレクター気取りと思われるかもしれないが、演出家が演者に威張れるのは、観客の目で見るからである。つまり観客こそ、演出に文句をつけられる唯一の存在なのだ。

METALLICAは、2曲目、「Atlas、Rise!」のあと、フロントマンのジェームズ・ヘットフィールド(V、G)が「韓国の友だちにまた会えてうれしいよ。ずいぶん長いこと経っちまったけどな。今日は新しい曲の間に古い曲も入れていくよ」てなことを言って、カメラが盛り上がる観客席を映し、それを見て客席はぐわーっとヒートアップした。

BABYMETALも、かつては「BMD」からの「いいね!」の♪「Yo! Yo!」で、「O-East」とか「SSA」とか会場名をコールし、客席もレスポンスしていた。これでステージと客席がぐっと近くなった。

2曲目に来ることはほとんどないが、「ギミチョコ!!」も煽りの定番曲で、「Are you ready? C’mon、London!」とSU-が叫ぶと、客席は「ウォー!」となり、続いてMOAが「I can’t hear you!」、YUIが「Louder, louder!」と叫んで、客席と一体化するという流れがあった。

今回の2曲目は「CMIYC」。神バンドのテクを見せてメタルを強調したかったのだと思う。確かにLEDA神も、大村神も、手癖だけのカーク・ハメットやジェームズ・ヘットフィールドより断然うまい。だが、対バンというのはギタリスト勝負ではない。ドラム&ベースのうねり、フロントマンの煽り、バンドが客席といかに一体化するかが勝負なのだ。だからぼくは、本気でMETALLICAに勝つつもりなら、セトリから「CMIYC」を外せと言ったのだ。

KOBAMETALはバンドをやっていたというが、対バン経験がないのだろう。もう少し柔らかく言うなら、ショービジネスなのだから、まずは観客と心を合わせる必要があるということだ。

はっきり言って、ここでのSU-の煽り「I want to see a big circle!」は大失策だと思う。

韓国人は英語を理解できる。TOEFLやTOEICの国別得点で見ても、街での一般人への英語の通じ方を見ても、日本人よりできる。雪の降る深夜の夜道で立ち寄ったコンビニや、マクドナルドのバイト店員にも関係代名詞や現在完了を使った英語が通じた。日本ではちょっと無理だろう。

メタリカファンの韓国人は、BABYMETALの来し方を知らないし、思い入れや親近感もない。METALLICAを尊敬しているだけなのだ。

 

いきなり、「I want to see a big circle!」では、あまりにドS女王様で、メイトさんならいいが、反日的な国の一般メタルファンには、ギミックが通じず、“上から目線”と思われて、反感を買ってもしかたない。現場で見ていて、少なくともピット後方とスタンド座席では、好感や親近感は得られなかった。

ここは2曲目に一番有名な「ギミチョコ!!」をやって、客席が「あ、これなら知ってる」となったところで、ブレイクで「Hallow Seoul!」と挨拶するべきだったと思う。

そして、観客はメタリカファンなのだから、「We had been respected our Metal Master METALLICA since our low teen age. Today, we really appreciate to them having us as an opening act!」くらい言ってもよかった。「I love Korea!」までは言わなくてもいいけど。

そして、そのあと「Let’s get the party started with us! Sing after me, C・I・O Chocolate、Chocolate, Cho Cho Cho!Singin!」と丁寧に煽ればよかったと思う。欧米人にはCho Cho Choの発音は難しいが、韓国人は쪼(Cho)を日常的に使っている。

最初のフレーズで客席の音量が小さければMOAが「I can’t hear you!」といい、次にはYUIが「Louder Louder」と煽り、最後にはSU-が「Outstanding!」と言えば、ぐっと客席との距離が縮まったはずだ。

「メギツネ」でもまるで客席が通常のメイトであるかのように、説明抜きで「Here Comes the Fox God」と煽ったが、実は客席は「Fox Godって何?」だったはず。

とにかく初韓国だというのに、「Come on Seoul!(ないしKorea!)という挨拶もせず、METALLIKAへのリスペクトや、感謝の言葉も一切なかった。それで「KARATE」で「How do you feel tonight?」と言われても、観客席は「ベビメタやるじゃん」と内心思っていたとしても「???」となるわな。

日本人の得意技、相手の立場になって考えてみよう。

あまり好印象を抱いていない国、例えば北朝鮮から来日したカワイイ女の子たちのグループがいたとしよう。噂では、北朝鮮出身のくせに欧米でウケているという。その子たちがメタリカの前座として西武球場のステージに上がった。半信半疑で見ていると、のっけから凄い演奏で、「あれれ」と思っていると、2曲目に「こんにちは、日本のみなさん。私たちは日本が大好きです。今回はメタリカさんの前座で来ました。私たちは小さい時からメタリカさんを尊敬してきたんです。みなさんもそうでしょ!一緒に盛り上げましょう!」

と言って、凄いパフォーマンスを見せたら、「そっか、北朝鮮でも頑張ってメタリカを学んできたのか。北朝鮮は嫌いだけど、この子たちは偉い。いっちょ応援してやるか」となるでしょ。それをやらないから、盛り上がらなかったのですよ。

もったいなかった。このへん、Amuse Koreaがちゃんと情報を提供せず、仕事をしていなかったということでもある。(次回詳述)

次に、会場にいた韓国人の方々について。

東京ドームに来た韓国人メイトさんもいたのだから、韓国にもBABYMETALのファンベースはあるし、終演直後、FBやTwitterでも写真や動画が上がり、「いいね!」がたくさんついたという。ぼくも日本へ帰ってから、ハングルで베비메달(べ、ビ、メ、タル)で検索してみたら、BABYMETALを紹介してくれている個人HPも複数あったし、ツイッターにも写真付きでいっぱい上がっていた。

ドセンには韓国人メイトさんが大勢いたのだろう。「ダ」エリア後方には、あとから入場してきて、メギツネのジャンプから、曲終わりに「イエー!」と叫ぶようになった観客はいたが、ベビメタTを着ていなかったので、メイトさんじゃなかったと思う。だが彼のまわりがつられて動くということはなかったし、彼自身もKARATEのシンガロングはやらず、「Everybody Jump!」でも両手をあげるだけ。よく知らなかったけど初見で「凄い」と思ってくれたのだが、まわりに遠慮している感じだった。

さすがに「ROR」ではほとんどの客が立ち、よそ見せずにステージを見ていたから、みんなBABYMETALの演奏、歌唱、パフォーマンスに何らかの感銘を受けていたのは間違いない。

それでも大歓声は上げず、「よくやったな」という感じで拍手するだけ。

単独ライブなら客はメイトだけ。フェスでも、ドセン確保客以外は、出演アーティスト目当ての客がその時間に集まる。

それに対して、大物バンドの前座は、客に選択の余地はない。前座でもドセンにファンが集まって盛り上がり、後方ないし一般座席にBABYMETALに特別関心がなく、ただちょっと早めに来ただけの人たちが多いのは、レッチリと同じ。さすがにスタンディングピットに座布団は持ち込まないけど。

だから、無関心で無礼な客がいても、ふたことさんのコメントどおり、反日と結びつける必然性はない。だが、その場でBABYMETALを見て、「凄いじゃん」と思っても、なかなか素直に称賛できないというのは、やっぱり反日教育からくる社会的・心理的な「タガ」「枷」の影響ではないかと思う。レッチリ初日では、最後には全員大拍手・大喝采になったのだから。(つづく)