2016年総括(3) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

昨日は、老社長宅のプライベート忘年会で演奏。招かれていた中国人の高名なプロの笛演奏家と、日本の童謡とアメイジング・グレイスで即席コラボ。

そのあとのぼくのセトリ(というかBGM)は、1.虹の彼方へ、2.上を向いて歩こう、3.ラブミーテンダー、4.故郷、5.見上げてごらん夜の星を、6.T.ボーン.シャッフル、7.Happy Christmas

テレキャスターで弾く、C.アトキンス風インストソロで、全然メタルじゃないです。

終演後、台湾人のプロモーターさんに、「来月11日に韓国へ行くんです」と言うと、「ライブですか?」と言われ、「ハイ、BABYMETALの」と答えると、「えっ、バックバンドのメンバーなんですか?」と聞かれた。イヤイヤ。そんなわけないが、素直にうれし恥ずかしい。

先週、大掃除を済ませたので、今日はおせち料理を作りながら、これを書いております。

 

6月2日、スイス・プラッテルンでヨーロッパツアーが始まった。スイスでの新機軸はBBMの曲として「Sis. Anger」が初披露されたことと、「メギツネ」での煽りが始まったことである。RIJやRSRで大観衆が熱狂した「Here comes the Fox God. On the count of three, let’s jump up with Fox God. Are you ready? A---re y---ou ready!? Ok, I, 2, あ1,2,3 jump!」というやつである。また、ドイツ語圏で、「メタ太郎」の振付がナチスを思わせるので逮捕されるかもしれない、という危惧がネット上で飛び交った。もちろんそんなことはなかったのであるが、欅坂46はハローウィンイベントの制服で、ユダヤ人団体からクレームを受けたのだから、世界を舞台とするBABYMETALは鈍感であってはならないだろう。

このころのフィニッシュは、ウェンブリーと同じ「The One」から「ROR」という流れ。

ぼくはこれが好きだなあ。

6月3日は昨年も出たウィーンのRock in Viennaフェス、6月5日は、初上陸となるオランダ・ナインメーヘンのフェス、FORTAROCK。55分間という長い時間で、ほぼヘッドライナー扱い。ここでは「CMIYC」で、SU-が「I want to see a big circle pit?」といって、ぎゅうぎゅう詰めのピットの観客が、ぐるぐる回るという新しい煽りが始まった。

6月7日は、ケルン。2014年MOAMETAL聖誕祭で「ヘドバンギャー!!!」を歌った町。会場も同じだったが、観客の“密度”が違い、MOAの第二の故郷として「われらがBABYMETALが再びやってきた」という歓迎ぶりがうれしかった。

翌日8日はシュトゥットガルト。ドイツでは必ず「メタ太郎」が入り、「The One」でフィニッシュ。やはり、バイキングメタルやシンフォニックメタルを意識していたのだろう。

6月9日、大きな喜びが訪れる。「Kerrang!」認定の「Best Live Band」にBABYMETALが選出されたのである。メタル界において世界最高のライブバンドである、と認められたのである。その興奮が冷めやらぬまま、翌日6月10日はイギリス、レスターシャー州ドニントンパークのDOWNLOADフェス。直前に激しい雷雨となり、開演が大幅に遅れたにも関わらず、会場を埋め尽くした観客は辛抱強く待ち続け、ライブは大熱狂に包まれた。濡れたステージ上の三人が、数万人の観客の前に立つ写真を見て、涙がこぼれた。BABYMETALは凄い。本当に世界一のバンドになったんだと思った。

さらに翌日は、フランス・パリのDOWNLOADフェス。またしても機材トラブルで開演が遅れ、観客の反応はUKほどではなかったが、やりきった感が大きかった。

6月半ば、夏のThe One限定、白塗り限定のWhite Massの開催が発表された。ぼくもさっそく東京の会場2日間に応募したが、またしても落選。各地で、2日間とも当選した人がいるのに、2日とも落選という不運。ちゃんと分散してくれといいたい。

7月12日、シアトルからアメリカ西海岸ツアーが始まる。開演はDOWNLOADに引き続き30分遅れる。主催者の会場の問題だろう。14日のサンフランシスコ、15日のロサンゼルスと開演はスムーズになって行き、チームベビメタとしての“らしさ”も進化する。

17日はシカゴのOpen Airフェス。シカゴは行ったことがあるのだが、黒人の比率が高く、ブルース色が強い街。シカゴを代表するフェス、ロラパルーザは、オルタナ、ヒップホップ、ジャズなども出る。今年の3日目はレッチリがトリだった。Open Airはメタルフェスで、マリリン・マンソン、スリップノット、KORNなどがヘッドライナー。BABYMETALは日曜日の午後、セカンドステージの扱いだったが、開演のころには数万人を集め、スタジアム内のメインステージを食ったかに見えた。しかし、メインステージが始まるころ、観客は移動しはじめ、開演時より終演時の方が観客が少なくなったという情報もあった。

だが、その翌日、“ボーナス”のように思っていたAPミュージックアワードで、BABYMETALは、ライブを担当。見事な「KARATE」生演奏に続いて、「メタルゴッドとキツネ様。この出会いは偶然ではない」という「紙芝居」。ロブ・ハルフォードと「Painkiller」「Breaking the Law」で共演。この模様はアマゾンミュージックで全世界に配信され、衝撃を与え、「Rolling Stone」誌は、トップ記事に取り上げた。

それからわずか一週間後の7月24日。帰国したBABYMETALは、凱旋公演として日本4大夏フェスのひとつFUJI ROCKに出演。事前に危惧されていた通り、会場には観客が詰め掛け、入場制限に。にも関わらず、小川を渡って会場に侵入するファンが途切れず、BABYMETALを軽く見た主催者の姿勢が問われた。SU-の発言によると、ここでレッチリがBABYMETALを見て、年末のサポートアクトを依頼したらしい。

8月6日のRock in Japan。ドローンの画像で見ると、観客は松林の後ろにまで広がり、3万人を超えていた。世界で認められたBest Live Bandであり、東京ドームを控えたBABYMETALはもはや、日本一集客力のあるアーティストとなった。

ところが、8日、9日は、大阪・難波で白ミサ。初日に「シンコペーション」が初披露される。これは東京ドームで全曲やるつもりだなとの意図が伝わる。9日には藤岡神に代わって久しぶりにLEDA神降臨。話題盛りだくさんの白ミサだったが、会場から白塗りの異様な観客が出てくるのを見て、おばちゃんが「アラアラ、悪魔がこんなに…」と叫んでいたというのが笑えた。

12日は、北海道、Rising Sun Rockフェス。広大な北海道の大地に、砂ぼこりが舞い、「CMIYC」や「メギツネ」で大熱狂する観客が印象的だった。

17日、18日はZepp東京での白ミサ。大阪では問題にならなかったが、テロ対策が叫ばれる中、白塗りはどうなんだ、とか、素性がわからない奴が暴れて喧嘩になったとか、もろもろの問題点が浮き彫りになった。ただ、楽しかっただろうなあ。

21日は、大阪・舞洲のSummer Sonic。ステージは屋内のSonic Stageで、入場制限が危惧されたが、猛暑の中、屋内は大正解だったようだ。ここでもLEDA神が降臨し、2014年ソニスフィア以来のLEDA、藤岡のコンビが見られた。

24日、25日は名古屋・Zepp名古屋での白ミサ。ここでひとつの伝説が生まれる。落選して会場に入れなかったメイトさんが、外の壁に耳をつけて聴いていたところ、防音壁でバンドの音は聴こえないのに、SU-の歌声だけはハッキリ聴こえるというのだ。録音されたものがYouTubeにアップされている。

さあ夏休み終了。

煽りの進化、Best Live Bandとしての「外タレ」化、これまでのライブで「Tales of the Destinies」以外セカンドアルバム全曲が披露され、LEDA神も復帰。いよいよ「ワールドツアーファイナル、東京ドームが迫ってきた。

(つづく)