2016年総括(2) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

ライブアルバム「Live in Wembley」が届いた。当然セトリは同じだが、BDとはマスタリングが明らかに違う。BDは重低音がしっかりした腰のあるハイファイサウンドだったが、CDの方は中音に張りがあり、ギターやベースの音が前面に出てくる反面、ボーカルはややひっこんでいる感じ。楽器の分離がよく、Lの藤岡神とRの大村神のピッキングのニュアンスやブースターを踏むタイミングがよくわかるし、BOH神のうねりまくるベースラインも明確にわかる。バンドをやっている人には耳コピに最適な音源といえる。

とはいえ、車の中で、スピーカーがビリつく寸前の最大音量に設定し、BDの映像を頭に浮かべながら聴けば、SU-の息遣いすらわかる、まさにライブ会場にいる感じになる。「The One」から「ROR」を経て、「We’re going to back to Japan。But, remember we are always on your side. See you!」と言われた瞬間は、感動でうち震えた。やはりBABYMETALには飽きるということがない。

 

さて総括の続き。

5月4日、ワールドツアーがアメリカ・ニューヨークのPlaystation Theaterでスタートする。神バンドメンバーは藤岡神、大村神、BOH神、青山神で固定。セトリの曲順は変わったが、ほぼウェンブリーと同じ。ここで話題になったのが、「KARATE」でSU-が「How (‘s)your feeling,tonight?」からの「Woo…Woo…」とアドリブのハミングを入れ、観客にシンガロングを要求する新しい煽りが入ったこと。ペリスコで見ていた人たちが、「SU-がなんか変なことやってる!」と騒然となった。確かにハミングはまだ完成度が低く、慣れないことやってる感じだった。5日、ボストンも同じ。だが、徐々にハミングは板についてくる。7日のフィラデルフィアではメロディが落ち着き、最後に「Everybody Jump!」と叫ぶと観客がジャンプで盛り上がるようになった。

そしてぼくは、キツネのお面とともに、13時間かけて、成田空港からシカゴ経由で、ノースカロライナ州シャーロットへ向かった。シャーロットについたのが、同じ7日の午後7時ごろだったが、妹一家と再会してすぐ寝て、翌日、妹一家および友達一家と食事。ここでトランプの暴言に共鳴する人が多く、共和党支持者も困惑していることとか、政治やマスコミは人権派のインテリに牛耳られていて、大衆の感性とずれている、トランプが予備選を勝ち抜けば、勝つかもしれないといったことを聞かされた。その通りになったわけである。

午後、いよいよシャーロット郊外Concordのスピードウェイに向かう。

丘陵地帯の中に広大な駐車場が広がり、デカいアメリカ人メタルファンに交じって歩いていくと、ゲートが見えてくる。黒人はほとんどいない。最初に目に入ったのは幅10メートルほどの小さな野外ステージ。さらに奥へ歩いていくと、アリス・クーパーをヘッドライナーとするセカンドステージがあった。幅は15メートルくらい。やはり小さい。ここがBABYMETALのステージになる。前のバンドはそれなりに盛り上がっていたが、観客数は数百人単位。高校とはいわないが大学の文化祭みたい。こういう扱いなのね。Tシャツを買って着替えた後、あまりにも暑いので、ドセンに突撃する気にならず、ミキサーテントの裏側の日陰に避難すると、日本人の方がいた。

東京ドームで再会することになるTAKAさんである。フィラデルフィアから回ってきたという彼と少し話していると前のバンドが終わり、ステージ前に移動。出遅れたため最前列には行けず、センター通路柵10列目くらいの位置だった。今考えると、すごいラッキーだった。

青山神が登場してエクササイズを始めるころ、後ろを振り返ると、ステージ前のピットをはるかにはみ出し、メインステージへいく通路の方まで観客が広がっている!1万人はいたと思う。さらにBring Me The Horizonのメンバーが現れ、センターの通路で観客に手を振りながらミキサーテントに入って見学するようだ。CBS効果もあるのか、アメリカでもBABYMETALは大人気なのだ。

スクリーンはないので、紙芝居の音声が流れ、BMDが始まる。三人が登場。近い。

キツネのお面を頭にくくりつけていたので、MOAがこっちを見て笑ってくれたような気がした。あとは、参戦記のとおり。頭上をデカい男女がどんどん運ばれてくるので、頭をけりまくられ、ファンカムはブレブレになってしまった。「KARATE」の安定したSU-のハミングと「Everybody Jump!」にはシビれました。あっという間の30分間。

https://gaming.youtube.com/watch?v=mB7jptJm4Fs&list=PLuE5iG...

 

翌朝、またシャーロットの空港から13時間かけて成田へ。到着すると1日時間がすすんでいた。恐るべしデロリアン。

BABYMETALは10日、ワシントンDC郊外のSilver Springで単独ライブ後、デトロイトへ。ここでまたもや話題騒然の「ギミチョコ!!」での煽りが行われる。観客を「Push it back! And sit down!」と座らせて、YUIとMOAが紙製のチョコレートの張りぼて(とおりすがりさんにご指摘を受け、訂正します)を持ってきて、SU-の「1,2,3」で投げ、観客をジャンプさせるというあれですね。ぼくはこれを見て1945年の各地で見られた光景の再現だと思ったので、焼け跡派の老社長に話すと、「その通りだった」と言われた。でも、それはうがった見方で、実はフェスで、前のバンドがやったのを真似しただけだというご意見(とおりすがりさん)もある。どっちかなあ。

この煽りはシカゴの単独ライブと、ウィスコンシンの「Nothern Invation」でも繰り返されたが、その後は封印された。

ここでアメリカ東海岸ツアーは終了。BABYMETALは一時帰国することになる。

(つづく)