Rock on the Range | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

―May the FOX GOD be with You―
★今日のベビメタ
本日5月21日は、過去BABYMETAL関連で大きなイベントのなかった日DEATH。

オハイオ州コロンバスは、2015年5月16日にCrew Stadiumで行われたRock on the Range 2015に出演し、2016年には,Schottenstein Centerで行われた、Alternative Press Music Award 2016に出演した「KARATE」を演奏し、メタルゴッド、ロブ・ハルフォード(Judas Priest)と共演して「Pain Killer」「Breaking the Law」の2曲を披露した。
今年のRock one the Rangeは、Mapfre Stadiumと名前が変わっているが、3年前のCrew Stadiumのことである。
今年のBABYMETALは、セカンドステージとなるZippo Encore Stageのヘッドライナー(トリ)を務めた。開演は現地時間午後7時(日本時間21日午前8時)で、Live X Liveによるプロショット映像が2時間後には全世界に配信された。
<セットリスト>
1.In the Name of
2.Distortion
3.TATOO(仮)
4.メギツネ
5.ギミチョコ!!
6.KARATE
7.Road of Resitance
ギター(下手Leda、上手ISAO)、ベース(BOH)、ドラムス(青山秀樹)
午後7時開演とはいえ、サマータイムのためまだ明るい。
天候は曇りのようだ。
ステージは、サブとはいえ今回のツアーで一番大きく、ステージの端から端までは約10メートル、舞台前面から客席の最前柵の間は約4メートルほども離れている。
客席後方のPAステーションからの映像を見ると、ステージに向けて観客が密集しており、客はその後ろにも入れるから、舞台上から見た映像では、地平線までぎっしり人で埋まっている感じになる。ゆうに2万人は集まっていただろう。
前のバンドが終わり、野外ステージらしくバックドロップが張られるが、そのデザインは日蝕である。
両サイドのスクリーンでDark Sideの物語が語られ、「Now is the time for Metal Resistance with BABYMETAL」とアナウンスされると大歓声が涌く。
エントランスソングである「In the Name of」が終わり、キーンというハウリング音から、ドラムとDjentなギターリフが響くと、またも歓声が涌く。観客はちゃんとBABYMETALの新曲を知っているようだ。
「Distortion」を明るい光のもとで見ると、4人がいかにキレッキレのダンスをしているのかよくわかる。特に歌っているSU-も後ろにいるMOAのキレが凄い!
ブレイクの拍手のところで、SU-は「Rock on the range!Get ready to clap with us!Scream and shout!」と叫び、観客に「♪Wow Wow Wow Wow」「♪Wow Wow Wow Wow」とシンガロングさせる。新しい演出で、野外フェスに合っている。
3曲目はSU-ソロの「TATOO(仮)」。プロショットだけあって、画像も音もクリア。特にベース音のうねりがよくわかるので、よりブルージーでアーシーな楽曲に聴こえる。SU-のピッチと声域は驚異的で、決していなたい感じにしないで、鋭く歌詞の意味を表現している。


4曲目の「メギツネ」と5曲目の「ギミチョコ!!」は、ザ・BABYMETALという曲だが、去年までの3人組でなく、4人になったフォーメーションの力強さを感じさせ、観客を熱狂させた。
さすがアメリカの野外フェスだけあって、尋常じゃない数のクラウドサーフが流れてくる。
WODからのモッシュ、サークルモッシュよりも、アメリカ字人はクラウドサーフの方を好むようだ。ぼくもCarolina Rebellionで経験したが、「お前が!」というほどの巨漢、グラマーが次から次へと頭上を通り、頭を蹴られる。だがまあ、クラウドサーフは、バンドの演奏に観客が気持ちよくなった証なので、やめろとはいえない。
6曲目の「KARATE」は、Only OneのBABYMETAL道を行くメンバーの決意がほとばしる曲で、これもSU-がMOAを助け起こし、4人が肩を組んで前進するところや、最後のキツネポーズに万感の思いが込められていた。
とはいえ、野外フェスなので、一見さんの観客も当然多くいたはずだ。「メギツネ」「ギミチョコ!!」「KARATE」は、BABYMETALの代名詞なので、YUIが不在のDark Sideでも、4人のパフォーマンスが凄ければ「メタルダンスユニット」としてのBABYMETALに大満足したと思う。わずか2週間のツアーだったが、各楽曲の練度は相当上がっていた。これなら数万人のフェスのトリでも大丈夫だ。
7曲目「Road of Resistance」戦国SEが流れると、さすがに「WOD!WOD!」の声がかかる。
イントロとともに登場した4人の手には日蝕旗。
今回は、「紅月-アカツキ-」が演奏されず、Live Xの映像ではSU-とMOAだけを映す場面が多かったが、やはり今のベビメタは4人組ととらえるべきであり、4人が揃って同じポーズ、タイミングで高速・ダイナミックのダンスを繰り広げるところが魅力である。
「♪1234!」のMOAの掛け声がよく響く。そこからの4人のシンクロ・ダンスは圧巻。「心は一つ!」という、今回のツアーを象徴するシーンが引きの画なのがもったいないくらいである。
「♪Wow Wow Wow Wow…」のシンガロングの際、SU-とMOAはステージの下手、上手へ行って客席と一体化しようとするが、いかんせん、客席最前列まで約4メートル。ところによっては6メートルくらい離れている。遠い!
だったら、観客席の奥からでも見えるステージ上、両サイドステージを使ってもよかったかもしれない。
「♪今日が明日を創るんだ、そうぼくらの未来On the way!」のあとのSU-の叫びは「Rock on the Range!」
曲終わりのSU-の雄たけびは、「Get ready to your Fox Hands U---p!」と初めての言い回しだった。
そして、「See You!」を言わずに、中央から両サイドダンサー、MOA、SU-の順に消えていく。
スクリーンには単独ライブと同じ「紙芝居」が映り、ツアースケジュールが示され「The New Era will continue and advance to the next stage」というナレーションのあと、待望のベビーメタルロゴが大写しになった。野外でもちゃんとその「意図」や「感動」は伝わってくる。
今のBABYMETALは、赤いチュチュを着ていたころのBABYMETALではない。傷つき、Dark Sideを歩んでいても、最新のメタルトレンドであるDjentを取り入れた新曲「Distortion」をひっさげ、BABYMETALは戦っている。
基本的には単独ライブのダイジェストという感じ。白昼見る新コスチュームは、戦隊ショーに見えなくもないが、ここまで完成度の高い演奏、歌唱、ダンスを通してみると、これが赤チュチュ、黒銀の鎧風ジャケットの進化形だということはわかる。ツインテールの代わりにヘッドギア。Slipknotだって、コスチューム(というか仮装)ありきなのだから、これがBABYMETALなのだといって胸を張ればよい。
いずれにせよ、これで2018年USツアーは今日で終了。

総括めいた感想は明日書く。

 

関西地方では、今日、太陽に虹がかかり、日蝕のように見える不思議な現象が目撃された。知人が撮影した今日の太陽。

まるでBABYMETALのUSツアー無事終了を祝うかのような。