絶対可憐チルドレン再び | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

YOU ARE THE ONE. WE NEVER FORGET MIKIO FUJIOKA

★今日のベビメタ

本日1月21日は、2017年、Guns N’ RosesのSupport Actとして、大阪・京セラドームに出演した日DEATH。

 

今年に入ってから、「auビデオパス‏」 の見放題プラン(月額562円)に「絶対可憐チルドレン」(全51話)がラインナップされたことを機に、ツイッターに、可憐Girl’s のSUZUKAが、BABYMETALのSU-METALだったことを初めて知って驚いた、といったアニメファンの方々によるコメントが書き込まれ、逆にメイト界隈で話題になっている。

―引用-

@ 絶対可憐チルドレンのOP歌ってた子が今はBABYMETALのボーカルだと知って驚愕してる

@ 絶対可憐チルドレンのOPを歌ってた子が今のBABYMETALってマジ!?

@ 絶対可憐チルドレンのOPの可憐Girl’sの1人が今はBABYMETALの中元すず香ちゃんだったとゆー事実。驚き。

@ 絶対可憐チルドレンのオープニング歌ってた1人がbabymetalにいるの今知った

@ 絶対可憐チルドレンのオープニング歌ってた子の一人がBABYMETALのメンバーだったの

@ 「絶対可憐チルドレンのOP歌ってた子がBABYMETALのボーカル」ってここ最近知った情報の中でいちばん衝撃がでかい

―引用終わり-

てな感じ。

確かにauビデオパス@au_videopassアカウントのツイートには、「大人気エスパーマンガがアニメ化された #絶対可憐チルドレン(全51話)が、#ビデオパス の見放題に一気に登場!#BABYMETAL のSU-METALも、メンバーの一員だった「可憐Girl’s」が歌うオープニング曲も要チェック♪」 とあり、10年前に終了した「絶対可憐チルドレン」(2008年4月~2009年3月、テレビ東京系で放映)の魅力を、BABYMETALから推していくという作りになっている。アニメファンの方はこれで初めて可憐Girl’sとベビメタの関連性を知ったということなのだろう。

ベビオタであるぼくは、「絶対可憐チルドレン」というお題だけで、一晩語り明かせる自信がある。

武藤彩未と家族が親戚づきあいをしていて、可憐Girl’sに憧れていた当時小2の水野由結は、家族が入院していた病院の待合室で「Over the Future」をかけてもらい、その歌詞を生きる糧にしていたこと。その水野由結が見に行った“任務完了”ライブに、アミューズのサラリーマンプロデューサーで、メタル狂だった小林啓氏が来ていて中元すず香の歌声にほれ込み、「メタル少女歌劇団」を構想するきっかけになったこと。

武藤彩未と中元すず香は、2010年に「成長期限定ユニット」として結成されたさくら学院に加入し、武藤彩未が“生徒会長”となったこと。島ゆいかはさくら学院には加入しなかったが、現在は女優業のほか、さくら学院メンバーだった飯田来麗とユニットを組んでスピカの夜として活動していること。

中元すず香は、「冒険者たち」出演時にはまだ黒子があったが、中学生になり、さくら学院加入後は黒子が消え、歌唱力に磨きがかかり、2代目の生徒会長になったこと。

菊地最愛も「絶対可憐チルドレン」のファンで、振り付けを完コピした水野由結に習い、二人一緒に「Over the Future」を歌い踊ってさくら学院に「転入」したこと。だから、「絶対可憐チルドレン」が、BABYMETALの三人を結びつけたこと。

そして小林啓改めKOBAMETALによって、重音部が結成され、中元すず香がSU-MEALに、水野由結がYUIMETALに、菊地最愛がMOAMETALになったこと。

BABYMETALのロゴの翼は「My Wings」から来ていること。

Legend“D”でのメタル版「Over the Future Rising Force Ver.」の後半、三人になったとき、SUZUKAのポジション(Left)をYUIが担って「夢が叶った」こと。

2016年以降のベビメタのライブで「Amore-蒼星-」の前にSU-の背中にCGで翼が生えるのは、「絶対可憐チルドレン」で、三人の力を一つにする「サイキック・フォース・オブ・アブソリューション」のオマージュだと思われること。

そして今でもタワレコのBABYMETALコーナーには可憐Girl’sのCDが置かれていて、ベビオタには「絶対可憐チルドレン」の重要性が認識されていること、等々。

だが、一般のアニメファンには、現在まで少年サンデーに連載が続いているのに、小学生編だけで終わった「絶対可憐チルドレン」の中学生編、高校生編がどうなるかは頭のどこかにあったにしても、“任務完了”後の可憐Girl’sのメンバー、AYAMI、YUIKA、SUZUKAがどうなったかまでは追跡されていなかったのだろう。

考えてみれば、いくらそのアニメが好きでも、人気声優ならともかく、放映終了後、主題歌を歌ったグループのその後までは知らないのが普通だ。

へヴィメタルで世界進出した逆輸入アイドルとして一時話題になったBABYMETALとかいうマニアックなグループのリードボーカルが、あの「絶対可憐チルドレン」のテーマ曲を歌っていた可憐Girl’sの最年少メンバーと結びつかなかったとしても無理はない。

当時、アニメの設定どおり10歳だったSUZUKAは、昨年とうとう20歳になり、先月、広島で盛大な成人記念ライブ「Legend-S-洗礼の儀」をやった。日本全国、世界各国から1万4000人が集まった。そして日本のメディアでは報道されないが、そのライブの模様が、海外の雑誌で特集記事になるほど、中元すず香は世界的なアーティストになった。

権利関係によるものか、「絶対可憐チルドレン」は、放映終了後10年経って、ようやく有料ながら全話がオンデマンドで視聴できるようになった。

そして、今、この作品には、世界的アーティストであるBABYMETALのリードボーカルがかつて主題歌を歌っていて、第40話「蕾見山荘!突入せよ!」では、本人役で声優としても出演していたという新たな意味が付け加わった。

ネット動画は、視聴者が共有できるアーカイブであり、時空を超えて、過去の作品に新しい価値を与える機能がある。

リアルタイムの放映期間には、無料とはいえ、毎週日曜日の朝10時に、テレビにかじりついて見ていなければならなかった。それが全51話を562円で一気に見られるというのは、DVDをレンタルすることを考えれば、とんでもなく安い。もちろんauビデオパスは、「絶対可憐チルドレン」だけでなく、他の映画、アニメ、ドキュメンタリー作品も見放題である。

BABYMETALから入って「絶対可憐チルドレン」を見てみるという方がいてもいいし、「絶対可憐チルドレン」からBABYMETALを知ったという方がいてもいい。

どちらにしても、サブカルチャー好きなら、「絶対可憐チルドレン」とBABYMETALは、ちゃんと見ておいた方がいい。

「絶対可憐チルドレン」は、現在まで少年サンデーに連載が続く人気コミックであり、アニメとしては「リボンの騎士」(1967年~1968年)、「キューティーハニー」(1973年~1974年)、「ラ・セーヌの星」(1975年)、「風の谷のナウシカ」(1984年)、「美少女戦士セーラームーン」(1992年~1997年)、「プリキュア」シリーズ(2004年~)に連なる、由緒正しき日本独自のサブカルチャー、戦闘美少女アニメである。

BABYMETALは「アイドル」という日本のもうひとつのサブカルチャーに、欧米のサブカルチャーであるへヴィメタル音楽を融合したものだが、そのコスチュームや設定には、戦闘美少女アニメや巫女さんのイメージを色濃く受け継ぎ、“世界征服”というファンタジーを、現実化してしまった。

「絶対可憐チルドレン」とBABYMETALは、文化史的にもちゃんとつながっているのだ。

当時10歳だったSUZUKA=中元すず香=SU-METALが、この10年で世界的アーティストに成長したという日本のサブカルチャー史に残る奇跡を、リアルタイムで見られるぼくらはなんと幸せなことだろう。