♰YOU ARE THE ONE. WE NEVER FORGET MIKIO FUJIOKA♰
★今日のベビメタ
本日1月17日は、過去BABYMETAL関連で大きなイベントのなかった日DEATH。
「昭和歌謡曲」で触れたように、今、1960年代後半~1980年代の大衆文化が新たな価値を持って、若年層に再評価されるという動きがあるようだ。
昨年京都で、「京都銭湯芸術の祭り Momotaro 2017」が開催された。市内のいくつかの銭湯がそれぞれ壁面アートやカルチャーイベントを行うというもの。
昭和30年代まで、内風呂のある家は少なかったし、昭和50年代後半くらいまではアパートの多い地域には必ず銭湯があった。ぼくの家でも、団地に引っ越すまで銭湯へ通っていたし、一人暮らしの学生時代も銭湯に通っていた。だが、日本が豊かになるとともに、賃貸アパートでもユニットバスが標準となり、銭湯へ行く必要があるのは、故あって風呂なしアパートに住む人だけになっている。
バブル期以降には「温泉ブーム」が到来し、旅行の一環としての鄙びた温泉や露天風呂が人気となったが、日常生活に根付いた銭湯の数は減り続け、一部はファミリーアトラクションとしての「スーパー銭湯」という業態に変わった。
しかし、ここへきて、昭和期のレトロな銭湯が、文化的な意味合いを帯びて見直されているのである。最近では、書店で、銭湯にあったケロリン湯桶や椅子が売られていたりもする。
昭和期の「純喫茶」がブームになっているのも同じ流れである。
かつて町には必ず個人営業の喫茶店があったが、90年代以降には、直営、FCによるコーヒーチェーン店が全国に広がった。
外資系のスターバックス(日本上陸1996年~)やタリーズ(1998年~)が「革命」のように言われるが、日本の企業によるブランド展開はそれより早い時期に始まっている。
喫茶店系では、コロラド(1960年創立)を前身とするドトールコーヒーが1980年から、ドトールから派生したエクセルシオールカフェは1999年から、喫茶店シャノアール(1965年創立)を前身とするヴェローチェが1986年から。珈琲館(1972年創立)は1991年に社名変更してFC展開を始め、現在はUCC上島珈琲の傘下に入っている。
飲料会社系では、上島珈琲とサントリーの共同出資によるカフェ・プロント(1988年~)、JR東日本によるベックスコーヒーショップ(1990年~)、ポッカサッポロを親会社とするカフェ・ド・クリエ(1994年~)などがある。
これらのコーヒーチェーンは清潔でシステマチックであり、味や素材へのこだわりやバリエーションが豊富で、セルフサービスのチェーン店は安価でもある。
しかし、今見直されている昭和の「純喫茶」は個人営業であり、店によってメニューも雰囲気も異なる。ただ、大方の様式は決まっており、テーブルで注文するとちゃんとウェイトレスやウェイターが運んできてくれる。雑誌や新聞が置いてあり、机の上には灰皿があり、ピラフやナポリタンスパゲティがメニューに載っている。
そのレトロな居心地を「良い」と感じるのは中高年だけかと思っていたが、ここへきてアート&カルチャー好きの女性を中心に人気が高まっているという。インスタグラムに純喫茶巡りをアップすることも流行しているらしい。まあ、ぼくの会社の近くにある純喫茶で、若い女性を見かけることはほとんどないのだが。
音楽で言えば、ネットを経由したストリーミングやサブスクリプションの時代にもかかわらず、LPやカセットテープという「昭和」メディアも再流行している。
アナログレコードの売上は10年連続で増加しており、2016年のパッケージ売り上げに占めるアナログの比率は、世界全体で10.5%、アメリカでは28%に達する。
ヒップホップアーティストが、自作のカセットのミックステープをプロモーションとして配布する動きに始まり、2016年には、無料配布されたアーティストの「アルバム」もグラミー賞の対象にすべきだという議論が起こった。ジャスティン・ビーバーなど著名なアーティストも、カセットをメディアとした作品を発表し、アメリカでは昨年のカセットの売上本数は12万本を超えたといわれる。
日本では、BABYMETALがいち早く「BABYMETAL」「METAL RESITANCE」のアナログLPをリリースしているし、でんぱ組.incやユニコーン、松田聖子などが、カセット媒体の楽曲を発表している。
かつて、昭和文化の標準だった銭湯、純喫茶、LP・カセットが見直されているという現状は、日本の社会にとって、何を意味しているのか。
(つづく)