2017年のBABYMETAL(1) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日12月13日は、2015年、World Tour 2015 in Japan The Final Chapter of Trilogy@横浜アリーナ(2日目)が行われ、2016年4月1日Fox Dayに2nd アルバムがリリースされ、World Tour 2016終了後、東京ドームで公演を行うことが発表された日DEATH。

 

メタル季刊誌『ヘドバン』Vol.16には、「2017年のBABYMETALを振り返る」として、1月の韓国ソウルのMETALLICAオープニングアクトに始まり、Guns N’ Roses、RHCP、KORNのアメリカ帯同ツアーを経て、5大キツネ祭り、サマソニから、10月の巨大キツネ祭り@大阪城ホールまでの阿刀“DA”大志氏による総括と、「巨大キツネ祭りin Japan編」として、荒金良介氏によるさいたまスーパーアリーナ2日目、林幸生氏による大阪城ホール2日目の、それぞれ渾身のライブレポートが掲載されている。やはりプロの文章は読みごたえがありますね。

思えば、韓国ソウルでメタリカのアジアツアーの“Special Guest”として出演すると発表されたのが2016年12月8日。ぼくはすぐにMETALLICAのサイトにアクセスしてチケットを取り、航空券とホテルを手配したが、ネット上では賛否両論で、騒然としていたなあ。

そんなわけで、ぼくなりに2017年のBABYMETALのアクトをまとめてみることにする。

 

●1月

<1月11日>METALLICA Hard Wired Tour初日@韓国ソウル高尺Sky Dome

ライブ1週間前に、慰安婦像や日韓合意を巡って、日本政府が大使と領事を引き上げるという最悪の政治的状況となった。

ぼくは仕事の関係で、当日朝のフライトだった。1週間くらい勉強してハングルは読めるようになり、トイレはどこですかくらいは言えるようになったが、読めても書いてある単語の意味がわからない。質問しても答えが聞き取れない。不安だらけのボッチ参戦だった。

それでも仁川空港から高尺方面行きのバスがあることはわかったので、それに乗ったらホテルのすぐ近くまで着いた。だがもう午後4時過ぎ。急いで着替え、タクシーでSky Domeへ。物販のことはもう書かないが、地下駐車場のチケットに印刷されていたハングルのブロックの列に並び、入場列が動き出したのは、開演時間を過ぎてからだった。しかもアリーナに半分も客が入っていないのに、ドームに入った時にはもう「BABYMETAL DEATH」が始まっていた。

アリーナ最前列に居た方はお気づきにならなかったかもしれないが、アリーナ後方の地元客は、本番はMETALLICAであり、BABYMETALは前座だから真剣に見なくてもいいという雰囲気で、持ち込んだ座布団や寝袋に座って携帯をいじっている方もいた。

ステージを見ると、BOH神に髪が生えている!と思ったら、仮バンドのレコーディングのため、BOH神に変わって滝田イサム氏=長髪神がベースを担当、両ギターはLEDA神と大村神だった。

「BMD」で出てきたのに、すぐ次の「CMIYC」で引っ込むというセトリもちょっとヘンで、超絶技巧の神バンドソロでも、観客はなかなかヒートアップせず、苦しい立ち上がり。2曲目に「いいね!」や「ギミチョコ!!」を持ってきて「ハロー、ソウル!」というような地元客に対する挨拶をすればいいのに、その余裕がなかった。メインのMETALLICAは、1曲目でジェームスがだみ声で「Seoul!」と一言。一気に観客の心をつかんだのに。

雰囲気が変わったのは3曲目の「メギツネ」。「♪ソレソレソレソレ!」というリズムは、韓国の伝統打楽器「サムルノリ」にも通じるところがあるのか、クールに見ていた韓国人オーディエンスも盛り上がり、続く「ギミチョコ!!」は、さすがに前座の時間に来るほどの観客は知っているらしく、そこから「KARATE」「Road of Resistance」と畳みかけると、最後には大歓声、大拍手となった。だが、ここでもSU-はレッチリUKツアーのときのような、「次はお待ちかね、メタリカです!」的な紹介もせず、「See You!」とあっさり去っていった。

METALLICAのライブは素晴らしかった。

会場を出ると、雪。タクシーの乗り方を教えてくれた若い韓国人カップル、コンビニの店員のお兄さんは英語がうまくて、とても優しかった。

ぼくは今でも、このライブが2014年の海外進出以降、BABYMETALにとって、最も厳しいアウェイの舞台だったと思う。いくら音楽性でねじ伏せる自信があっても、「ここに来られて嬉しい!」「来てくれてありがとう」という気持ちを声に出さないと、観客には受け入れられない。その反省は、4月のレッチリ帯同US東海岸フロリダツアーで生かされることになる。

<1月21日>Guns N’ Roses Japan Tour初日@京セラドーム大阪

やはり仕事の都合で当日の朝、新幹線で大阪へ向かった。ところが新大阪駅でチケットを落としてしまい右往左往。30分後、アナウンスがあり、改札口に届いたという。日本は、いや大阪は素晴らしい。届けてくれた方、本当にありがとうございました。

環状線に乗って一旦ホテルで荷解きをしてから会場へ。

11時30分くらい。すでに長い列が地下駐車場まで続いている。物販開始15分、ぼくの直前で全サイズSOLD OUT。ソウルに続いて2連敗。前座だからということなのか、ベビメタが異常なのか、チケットチェックやアイテム制限が無いから、要するに転売屋さんが朝から並んで買い占めちゃう。グッズの需要に供給が追いつかない問題は、5大キツネ祭りのマスクやサマソニTシャツまで続いたが、巨大キツネ祭りからはグッズの種類も増え、在庫もあり、開場時間に来ても買えるようになり、「洗礼の儀」では、THE ONEならアスマートでも買えるということになった。

2017年はこういう運営側の改善も大いにあった年である。

さて、物販が買えなかったぼくだが、京セラドームの中の飲食店で腹ごしらえをしていると、リハの音が聞こえてくる。その中で、神バンドソロに聴こえるけど、いつもとリズムが違うことに気づいた。

いざライブが始まってみると、疑問が氷解。「BDM」の次、「あわだまフィーバー」のイントロが始まったと思ったら、そこから青山神のドラムに合わせて神バンドソロが始まり、そのリズムのまま三人が「ハイ!ハイ!」と入ってきてもう一度イントロが入って、SU-の「♪秘密の箱―あけてみたらー」という歌に入るという、通称「あわだまかくれんぼ」が初披露されたのだった。

この日のセトリは、「BMD」「神ソロ~あわだま」「メギツネ」「ギミチョコ!!」「KARATE」「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の6曲。

ガンズのライブもまた素晴らしかった。最後の最後にやってくれた「Paradise City」には、紆余曲折のバンドの歴史、世界中を旅したあげく、今また初期メンバーと過ごした街を懐かしんでいるような「青い鳥物語」を感じて、涙が止まらなかった。

<1月23日>Guns N’ Roses Japan Tour2日目@神戸ワールド記念ホール

早朝に起きて神戸へ行けば、あるいはTシャツが買えたかもしれない。しかし、そこまでグッズには執着しないので、素直に新幹線に乗って帰った。

巨大な京セラドームに比べると、神戸ワールド記念ホールはややこじんまりとして、ステージとの距離が近かったようだ。舞台装置はかなり大掛かりだが、基本的には京セラドームと同じ。スタッフは大変だっただろうなあ。

セットリストは、前日と少しだけ違い、2曲目が「ドキモ」に、3曲目が聞きなれた「神ソロ~CMIYC」となり、フィニッシュが「ギミチョコ!!」になっている。「ギミチョコ!!」終わりは、2016年末のレッチリUKツアー2日目から始まり、2017年のレッチリUSツアー、KORNツアーでも踏襲される。ただし、レッチリUKでの「ギミチョコ!!」は2015年までのように「C!I!O!(チェケラ)チョコレート、チョコレート、チョチョチョ、Say!」という煽りではなく、2016年上半期アメリカのみで行われた、観客に「Give me!Give me!」と言わせる進駐軍煽りでもなく、「Give me myチョコレート、チョコレート、チョチョチョ、Say!」という、欧米人にも言いやすいC&Rに変化した。そして4月以降は、煽りがなく、CD音源通り「♪やばい超々ハード、超いっぱいがんばったんDEATH」とフィニッシュに入るパターンとなった。

BABYMETALのフィニッシュ曲は、2014年までは「イジメ」、2015年からは「ROR」、横アリ以降は「See You!」のない「THE ONE」フィニッシュの3パターンがあったが、大物バンドのOAでは「ギミチョコ!!」をフィニッシュにするパターンができたのである。

では、観客とのC&Rをする曲はどうするか、神バンドソロ曲をどうするかなど、1月の段階では短いセトリの試行錯誤していたのだということがわかる。

<1月25日>Guns N’ Roses Japan Tour3日目@横浜アリーナ

YUIちゃんの地元、懐かしい横アリ。

グッズがすぐに売り切れちゃう情報が広まり、前夜、早朝からベビメタの物販に長い行列ができるのが恒例化してしまった。ガンズのライブであって、ベビメタの単独ではない。2017年に入ってから、ベビメタは一切テレビに出ていない。にもかかわらずこの人気。もちろんチケットチェックをせず、転売屋を排除できない物販のありかたに問題があるわけだが、主催興業ではないので、どうしようもなかったのかもしれない。

セトリは、神戸と同じだった。

<1月29日>Guns N’ Roses Japan Tour5日目@さいたまスーパーアリーナ

この時点では、同じ年に同じ場所でBABYMETALが単独ライブ=巨大キツネ祭りをやるということは想像もできなかった。というより、発表されていたのは4月いっぱいかけて、またもレッチリUSツアーに前座として出演するというスケジュールのみで、2017年=Metal Resistance第6章は、BABYMETAL単独のWorld Tourではなく、大物バンドとの「修行」だけであり、それはそれで意味があるのだ、という納得のしかたをしていたのだ。

ガンズのJapan Tour4日目は、Man With A Missionが務めた。これも今となっては感慨深い。あの夏の、SU-が「ついに、ついにここまで来ました!」と叫んだ感動のサマソニのBABYMETALのひとつ前がマンウィズだったでしょ。

1月の時点で、サマソニのラインナップは決まっていたのだろうか。巨大キツネ祭りのプランはできていたのだろうか。

おそらく、そこまでは決まっていない。決まっていれば、満を持して4月1日に発表されたはずだ。

だが、Fox Dayまでに五月雨式に発表されたのは、これまで販売された映像作品を映画館で一挙上映する『フィルムフェスツアー』の開催、6月からのKORNツアーへの帯同とそれに先立つ6月16日ハリウッドの初単独ライブSpecial Headline Showだけだった。

5大キツネ祭りの開催が発表されたのは4月2日。巨大キツネ祭り開催はずっと後の5月29日、サマソニメインステージ出演の発表は6月19日になってからだった。

だから1月時点では、ガンズがJapan Tourの最後の2日間の会場にSSAを選び、サポートアクトとしてBABYMETALと並んでマンウィズを選んだ意味は、KOBAMETALもわかっていなかったはずなのだ。

ところがどっこいOnly The Fox God Knows、キツネ様はSSAとマンウィズを、数か月後のBABYMETAL物語のシナリオにしっかりと組み込んでいたのである。

サマソニのメインステージに立ったBABYMETALのひとつ前はマンウィズだった。

そして…何かに操られているかのように、たまたまSSAが抑えられた巨大キツネ祭り2日目の9月27日に、広島での「洗礼の儀」開催が公表されたわけだが、その日は、46年前に広島県立体育館でレッドツェッペリンがチャリティコンサートを行った、まさにその日だったのである。

改めて鳥肌が立つような思いがする一方、どんな困難な状況に見えても、キツネ様は人知を超えて、ちゃんと先を見通しておられるということに、もう、理性を超えて、無限の信頼が湧いてくる。

広島でのYUIMETALの病欠にも、きっと大きな意味があるのだ。

SU-、YUI、MOAはそういうキツネ様の不思議な力を何度も見てきているのだろう。だからキツネ様を信じられる。

それがBABYMETALの強さなのである。

(つづく)