PassCode Zenith Tour 2017参戦記(1) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日11月11日は、過去BABYMETAL関連で大きなイベントのなかった日DEATH。

 

昨夜、PassCodeのZenith Tour 2017初日@TSUTAYA O-WESTに行ってまいりました。

このブログでも何度か触れているが、PassCodeは、大阪出身の南菜生、高嶋楓、今田夢菜、大上陽奈子の4人組ラウド系アイドルグループ。

2013年に結成され、2015年に現メンバーとなり、2016年にメジャーデビュー1stシングル「MISS UNLIMITED」、今年4月メジャー2ndシングル「bite the bullet」、8月にメジャー1stアルバム「ZENITH」をリリースした。

楽曲およびプロデュースは、メンバーと同年代の平地孝次が手掛け、シンセ+メタルサウンドを基調とするエレクトロニコア、いわゆるピコリーモで、ライブは生バンドが演奏し、近未来をイメージしたコスチュームの4人が歌い踊る熱狂のステージとなる。

振付は、メジャーデビュー以降、MIKIKO主宰のダンスカンパニーELEVENPLAYに所属するKOHMENが担当。MIKIKO師流の「表現としての振付」になっており、めまぐるしく変わる楽曲のテンポに対応して、運動量の多い、非常にクオリティの高いダンス・パフォーマンスが展開される。

アイドルフェス等への出演も多く、他のアイドルに「怖がられている」(南菜生談)というが、今年3月には初海外ライブとなる「大港開唱 Megaport Festival」(台北)に出演、「bite the bullet」はiTunesホンジュラスにて総合1位を獲得したほか、タイ、台湾、シンガポールのiTunesロックチャートで上位にランクされるなど、海外でも注目されている。

今年はサマソニ大阪&幕張のSonic Stageのオープニングアクトを飾り、『ヘドバンVol.15』には6ページにわたってライブ観戦記が掲載された。

BABYMETAL以降、嬢メタルやガールズバンドとは異なる、ライブハウスを主戦場とする「ラウド系アイドル」が続々誕生しているが、ぼくはPassCodeが一頭地を抜けていると思っている。

CD音源やYouTube、DVD映像で初めて見たときは、ピコリーモ/EDMサウンド、オートチューンの効き過ぎたボーカルに女声グロウルと、「ウリャ、ホイ!」というアイドル色の強い合いの手など、フックが多すぎてゴチャゴチャしているように思えたのだが、8月20日サマソニ幕張のSonic Stageを見たとき、澄み切った生声、ダンスのシンクロ具合、そして4人のピュアネスと、過酷な練習を経てきた者にしか出せないオーラを感じて、ファンになった。

特に今田夢菜のグロウルは、日本人女性シンガーとしては稀有の才能であり、ギミックではなく、魂の底から湧いてくる表現となっていた。

南菜生のフロントマンとしての存在感と煽り、大上陽奈子の澄んだ歌声、高嶋楓のキレッキレのダンスの中に、今田夢菜の怨念のようなグロウルが響き渡ることで、このグループにしか出せない少女たちの切実な感情空間が現出する。

ところが、9月14日の公式サイトに、今田夢菜が「卵巣の嚢胞性腫瘤」により、11月10日のライブまで完全休養し、集中治療を行うとのお知らせが掲載された。

つまり、昨日のライブは、ぼくにとっては8月20日のサマソニ幕張以来であるが、今田夢菜にとっては、2か月間のブランクを経て、これから来年2月まで続くツアーの復帰第一戦だったのである。

TSUTAYA O WESTは渋谷のホテル街の真ん中にあるライブハウスで、キャパは600人。

会場に到着したのは18:30頃。

場内はPassCodeの黒Tシャツを着た、やや年齢層の高いファン(ハッカーさん)で満員だった。ドリンクブース前しか空きスペースがない。ほとんどステージが見えない。開放されていた二階席に行ってみると、舞台全体を見られるので、そこに陣取った。

19:09。定刻よりやや遅れて客電が落ちる。

シンセサイザーのイントロに続いて、4人がステージに登場する。

1.Maze of mind

「ZENITH」の1曲目からライブが始まる。ステージ前に殺到するファンを見た今田夢菜が、一瞬手で涙をぬぐう。南菜生がかすれた声で「来てくれてありがとう!盛り上がっていきますか!」と叫ぶ。客席からは「ウォー」という雄たけび。夢菜はいっぱいの笑顔で踊り、一発目のグロウルをかます。うん、大丈夫みたいだ。

すぐにドラムがリズムを出す。イントロを聞いて客席のギアが上がる。

2.Club Kids Never Die

である。大阪のクラブを主戦場としていた平地孝二の思いがこもったPassCodeのテーマ曲。久しぶりに4人そろって歌い踊る喜びがあふれているようで、客席は合いの手を入れつつ、早くもクラウドサーフィンの嵐となった。

3.Axis

4.Voice

「ZENITH」最終曲。やや抒情的な曲調で、大上陽奈子の澄み切った歌声と、南菜生、高嶋楓、今田夢菜のユニゾンが重なり重層的な世界を創る。だが、曲の中ほどで、上手でポジションをとる今田夢菜が時々マイクを握った手を下腹部にあてているような気がする。

5.ドリームメーカー

インディーズ時代の曲だが、Studio CoastのDVD映像に比べ、4人のダンスコンビネーションは洗練され、ひとつひとつの振りの「キメ」が鋭くなっている。今田夢菜は思いっきり笑顔を作って二階席にも手を振りながら踊っている。

曲が終わり、ここから南菜生によるMCが始まった。

今田夢菜が、南菜生に「そういえば2か月見てへんかったよな?」とツッコまれ、高嶋楓に「小さいから見えなかったんじゃない?」と言われ、苦笑しながらスッと下手に引っ込む。

「こういう休みながらのMCがPassCodeやけど、大丈夫?」と大阪弁で客席に問いかけ、「でも今日はSOLDOUTになりました。ありがとう。今日から3日連続でライブやけど、全部SOLDOUTで、来年はEASTでできるんやて」というと、客席は盛り上がる。O-EASTは、BABYMETALが2012年のLegend”I"や、2015年のApocrypha 黒ミサ・赤ミサ、OTFGKなどで使ったことがあり、収容人数はWESTの倍以上の1300人。

そこから、大上陽奈子が同室の南菜生が、体の上でブリッジをしてベッドから落ちる話をし、南菜生は、新曲は英語が多くて大変だとか、振付のKOHMENさんが客席後方にいて、振付を教えてくれているとか、南菜生は佐々木希風のメイクにトライしてみているとか、高嶋楓が、不在時に夢菜のパートを担当し、「ドリームメーカー」のモノマネができるとか、PassCodeはギャル男を目指しているが、ハッカーさんはオジサンばっかりだとか、このツアーでMCが上手くなるのが目標だとか、約10分間、ダラダラした会話が続く。

この間、舞台袖で今田夢菜が痛み止めの治療をし、体調を整えているのではないか。高嶋楓が下手にいったんハケて、夢菜の状況を確認したあと、ライブが再開された。

(つづく)

 

P.S.

11月11日(土)10:30~WOWOWライブチャンネルにて、サマソニ幕張2日目Sonic StageのPassCodeが一曲だけですが放映されます。BABYMETALは、27:00(12日午前3時)からです。

 

P.S.2

ご指摘を受けて、勘違いしていたO-WESTの収容人数、セトリの一部を修正しました。、