★今日のベビメタ
本日11月9日は、2013年、Anime Festival Asia Singapore 2013@シンガポール、サンテック国際会議場に出演した日DEATH。
日曜日の朝に来日したトランプ大統領は、火曜日の朝日本を去っていった。
先週まで週末は必ずぐずついていたのに、滞在期間中、秋晴れの素晴らしい天気だった。そういえばトランプ大統領が演説している場面は、いつも晴れている。究極の晴れ男なのかもしれない。
滞在期間中、ただ一カ所、ものすごく腹が立ったことがあった。
それは、来日前に「Remember Pearl Harbor」とツイートしたことでも、横田基地に降り立ち、ボマージャケットを着てマッカーサーのように米兵に演説したことでも、天皇にお辞儀をしなかった場面でもない。
6日の安倍首相との共同記者会見で、記者の質問に答えた場面だ。
――産経新聞ニュースより引用――
記者:大統領は日本が北朝鮮のミサイルを撃ち落とさなかったことは残念だと発言したこともある。この問題は話されたのか。日本の防衛のためにどういった役割を果たすべきだと考えるか。
大統領:首相はさまざまな防衛装備を米国から購入することになるでしょう。そうすれば上空でミサイルを撃ち落とすことができるようになると思います。先日、サウジアラビアでも同じようなことが起こりました。誰にもダメージを与えることなく、迅速にミサイルを撃ち落とすことができます。ですから、日本が大量の防衛装備を買うことが好ましいと思っています。そうすべきです。
米国は世界最高の軍事装備を持っています。F35戦闘機は世界最高の戦闘機です。完全にステルス機能を持っています。また、さまざまなミサイルを米国は製造しています。多くの雇用が生まれますし、日本がもっと安全になります。他の国も多くの軍事装備を米国から買っています。
―――引用終わり―――
トランプ大統領は、訪日前、東南アジア首脳との会談の際、「自国のr上空をミサイルが通過しているのに、なぜ撃ち落とさないのか。武士の国なのに理解できない」などと発言していたらしい。(11月4日各紙)
今回の共同記者会見での発言は、それを踏まえてアメリカ人記者の質問に答えたもので、自分から用意して言い出したことではないが、これは、日本の首相が宗主国の大統領に武器を売りつけられている場面そのものではないか。
だから言わんこっちゃない。
日本が8月29日、9月15日の二度にわたって日本の領空上を横断した北朝鮮のミサイルを迎撃しなかったのは、弾道計算により日本の領土内に落下しないことがわかったこと、最高点が大気圏外に達する弾道のため当たらない確率が高かったこと、そして、何より「専守防衛」の縛りの中で、領土内に落ちないミサイルを迎撃したら、「先制攻撃」とみなされ、「戦争の引き金を引く」ことになる、とさんざん北朝鮮、朝日新聞、ミンシン党、キョウサン党から脅されていたからである。
ミサイルは津軽海峡の上を通って、襟裳岬の沖に落ちた。
太っちょのロケットマンは、日本の領土内に危険がなければ撃ち落とされることはないとタカをくくっていたのだ。日本国内に「お仲間」がいて、ちゃんと手枷足枷をはめてくれているからね。
だからぼくは、9月15日付の「余は如何にしてネトウヨとなりし乎(3)」で、当たっても当たらなくてもいいから迎撃すべきだと言ったのだ。
共同通信によると、総選挙で自民党が大勝した後の10月28日、北朝鮮の国営通信社、朝鮮中央通信は、北朝鮮の「朝鮮アジア太平洋平和委員会」の報道官が、以下のように安倍政権を非難する談話を発表したと伝えた。
「安倍政権は、先の衆院選で北朝鮮核脅威論や日本人拉致問題解決を大げさに騒ぎ立て、ヒステリックに反共和国(北朝鮮)対決騒動を起こした。安倍政権が核の脅威を強調したのは原爆被害を受けた日本社会の恐怖心理を刺激し、軍事大国化へと疾走するためだ。安倍政権は政治的野心を実現するために何事も辞さない邪悪で卑劣な連中だ。」
その一か月前、朝日新聞は、2017年9月30日の社説で、次のように書いていた。
「永田町では、北朝鮮がミサイルを発射するたびに「北風が吹いた」とささやかれる。国民の危機感が、内閣支持率の上昇につながるとの見方だ。危機をあおって敵味方の区別を強調し、強い指導者像を演出する。危機の政治利用は権力者の常套(じょうとう)手段である。安倍政権の5年間にもそうした傾向は見て取れるが、厳に慎むべきだ。北朝鮮との間で、戦争に突入する選択肢は論外だ。圧力強化にもおのずと限界がある。」
両者の主張はほぼ同じである。つまり安倍が悪い。北朝鮮を敵視するな。
両者に欠けていて、国民の誰もが知っている事実がある。
北朝鮮は、1970年代に横田めぐみさんら日本人を拉致し、1994年の米朝枠組み合意前後から25年間、三代に亘ってアメリカ、日本を含む国際社会との約束をすべて反故にし、核実験、ミサイル発射を強行し、9月3日の水爆実験直後には「日本の四つの島を海に沈める」と公然と言っているのだ。危機を一方的に高めているのは、安倍政権ではなく北朝鮮なのである。
もし、北朝鮮のミサイルを迎撃していたらどうなったか。本当に日本にミサイルを撃ってきただろうか。
そうなったら、今度は本当にイージス艦搭載のSM-3か、地上配備のPAC-3で撃ち落とす。これは明らかに北朝鮮による日本国への攻撃だから、ただちに日米安全保障条約が発動して、米軍は躊躇なく北朝鮮を爆撃しただろう。
それが読めるクレバーなロケットマンが日本にミサイル攻撃をしかけてくることはない。何もできない。誰も死ぬことなく、北朝鮮が張り子の虎であることがバレる。
そして、安倍首相にこう言ってほしかった。
わが国は唯一の被爆国であり、核武装することはない。日本国憲法の規定により、他国を侵略することはない。だが、同じく憲法の規定である「専守防衛」思想の体現として、わが国には自衛隊が存在し、領土、領海、領空に侵入してくる敵は、容赦なく撃退する。
日本には戦後70年間培った、家庭用炊飯器さえA.I.でコントロールするハイテクがある。鉄腕アトムやガンダムや波動砲や超電磁砲(レールガン)がある。アニメだけど。
そのユーモアと、ハイテク日本のリアルとが相まって、世界は震撼するだろう。「核兵器による抑止力」という人類共通の悪夢が無意味になるのだから。
北朝鮮や、朝日新聞や、野党が何を言おうが、そうすればよかった。
トランプ大統領が語ったように、アメリカおよび国際社会は、日本の迎撃を待っていたのだ。
だが、安倍首相はそうせず、解散総選挙を選んだ。
それには勝ったが、北朝鮮の脅威はなくならないし、朝日新聞やマスコミ、さらに自民党内の議員さえも、安倍内閣の支持率を落とそうとアレコレ画策している。
しかも、今回、あれほど親密さをアピールしたトランプ大統領に「死の商人」のようなことを言われてしまった。
日本はアメリカの兵器を大量に買いなさい。そうすることで、アメリカには雇用が生まれ、日本は安全になる。他の国もそうしている?
あちゃー。なんちゅうガサツさだろう。
すでに日本はアメリカから大量の兵器を購入している。
F35は一機157億円で、2012年度から導入が始まり、2018年度までに28機を購入する予定になっている。来年度分の6機については、安倍―トランプ関係のためかどうかわからないが、一機当たり11億円値引きして146億円となっている。整備用部品や技術者受け入れなどの関連経費も423億円から309億円に値引きされた。
今年8月には地上配備型ミサイル迎撃システム(イージス・アショア)を購入することも決まった。これは一基800億円。
だが、アメリカの戦闘機やレーダーやミサイルには、日本製の電子部品、ステルス塗料、ハイテク資材がたっぷり使われている。他の国の部品では精度が低くて使いものにならないからだ。
日本は、人工衛星や小惑星探査機を実用化しているから、ミサイル迎撃システムを開発する能力と技術を十分に持っている。だからホントは日本が独自開発するのがよい。
しかし日本はそうしてこなかった。
日本の再軍備を恐れ、戦力の保持と交戦権を否定する憲法を押しつけたのはアメリカである。戦後、戦闘機とミサイル関連の技術開発を抑制してきたのはアメリカである。
安倍晋三という政治家は、こうした戦後レジームの脱却と、憲法改正による自主防衛体制の構築を政治目標としてきた。
だが、このトランプの記者会見の不用意でガサツな発言で、シンゾー・アベは、明らかに「死の商人米帝トランプに仕える猿」に見えてしまった。これは安倍おろしに使われるだろう。
日米の親密な関係を全世界に示したこと、拉致被害者に直接面会したことなど、訪日のメリットが全部吹き飛んでしまった。
質問をしたアメリカ人記者が、そこまでの反応を引き出そうとしたのなら、たいしたものだ。
トランプさん。日本は、The Planet of Abeではないのだよ。
P.S.
8日各紙報道によると、韓国政府は、日本の後に訪韓したトランプ大統領の晩餐会に「元慰安婦」を同席させ、竹島周辺の海でとれたエビをメニューに入れたという。
これについては、ぼくがごちゃごちゃいうより、『日本の朝鮮統治を検証する1910-1945』(ジョージ・アキタ/ブランドン・パーマー著、草思社文庫ISBN978-4-7942-2259-6 C0122 \1100)を是非ご一読されたい。