白キツネ祭り@大阪Zepp Osaka Bayside参戦記(2) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日9月1日は、過去BABYMETAL関連で大きなイベントのなかった日DEATH。

 

16:30ごろ、ゾンビ☆ヒロさん、ゾンビさんのお知り合いのTさん、Sinさん、ミノさんとともに、ハードロックカフェを出てZepp前へ戻る。Sin-Metalさんのワゴンが駐めてある駐車場に戻る道すがら、JR線の日陰になった歩道、駐車場内など、いたるところで観客が白塗りをしている。ご近所迷惑となるため白塗りスペースが厳しく制限されていた東京とはえらい違いである。さすが大阪、懐が深い。

そういえば、Zepp Osaka Baysideの隣にあるLa’ Gentという小さなホテルも寛容だった。

周辺にコンビニもない中、黒いTシャツを着た大勢のメイトさんがロビーに出入りし、トイレを貸りたり、自販機で飲み物を買ったりすることを許してくださっていた。東京なら「他のお客さんに迷惑だから敷地内立ち入り禁止」となるところ、La’ Gentのロビーは炎天下のオアシスだった。感謝。

Sinさん、ミノさんと一緒に白塗りを開始する。エアコンが効いた車内でのお化粧はとても快適。目や眉のあたりの黒い線はどうしてもぶっつけ本番になってしまったが、なんとかかんとか三人とも30分ほどでコープスペイント完成。

17:30。入場待機列はチケット記載の番号順なので、会場前でSinさん、ミノさんと別れ、201~400の列に並ぶ。

ぼくは327番。普段はピット後方で全体を見られる位置に陣取るのだが、今回はドセンを狙ってみることにする。

17:50。呼び出しが始まる。最初は1番2番という2人刻み。次に10番から15番までの5人刻み。次に10人刻み。列が動き出すと、「金属探知機で手荷物検査するので、ポケットの中のものをビニル袋に入れてください」「チケット、身分証明書、ドリンク代500円を用意してください」とアナウンスしながら、50人刻みになり、18:00過ぎにはぼくの番がやってきた。ビニル袋は小さく、中身が見える。金属探知機チェックは、ハンドチェッカー方式。これなら刃物類、危険物を持ち込むことは不可能である。

チケットと身分証明書の名前確認、ドリンクコイン交換が済むと、即座に入場。下手奥の扉へと急ぐ。そして最前列ブロックへ。もう最前柵前は埋まっているが、4列目くらいの下手お立ち台の左側を確保。

周辺は若い人が多く、ここからセンターに向かってまだ隙間がある。「隙間があると圧縮でかえって危ないですよ」と言ってみるが、みんな携帯をいじっていて、なかなか詰まっていかない。振り返って二階席を見ると、アイドル風の女子がラップトップを膝に置いて座っている。しばらくすると、関係者と思しき親子連れや、耳が大きい別の女子も入って来た。

18:50。紗幕の向こうで、ベース、ドラム、上手ギターの音がする。観客席からはウォーという歓声。この瞬間、下手側から強烈な圧縮が始まる。周辺の隙間が埋まり、いつの間にかSU-とYUIのお立ち台の間、3列目まで進んだ。ぼくの左隣の2列目には、TenTen城を紹介してくれたウメさんもいる。もう身動きは取れない。

「紙芝居」が始まる。あれ?「BMD」じゃなくて「IDZ」のイントロピアノだ。

これが、7月のZepp Diver City赤キツネ祭でSaku-Metalさんがつぶやいていた「IDZ始まり?」の正体だった。

録音録画ができないので、記憶に頼るほかないが、「メタル魂は弱い者を救う」、「助け合い、協力し合ってメタルで世界をひとつにしよう」、「We are The One」(ぼくらは一つ)、「No more Ignore, Forever」(無関心をやめよう)といったSU-の英語によるナレーション

前日、大阪銀キツネ祭の8月29日、北朝鮮は、日本列島を飛び越え、襟裳岬東方の太平洋上に落下する弾道ミサイルを発射した。

もちろん、「紙芝居」のメッセージはこれとは関係なく、モッシュで弱い人を助け合っていいライブにしようというだけの意図かもしれないが、やはり、世界的アーティストであるBABYMETALがこう言うと、鋭いメッセージ性があるように思われた。

ぜひ、MVなりで公開してほしいものである。いつか北朝鮮でライブができる日は来るのだろうか?

そんなことを考えているうち、「BMD」が始まる。白い紗幕の向こうに三人の影が映る。

イントロが終わった瞬間、紗幕が落ち、三人と神バンドが見えた。

さらなる圧縮。あとから聞くと1000番台後半だったゾンビ☆ヒロさんたちも、下手最前ブロックの5列目くらいにいて、センター方向に流れたそうだ。ぼくはといえば、下手お立ち台前からセンター寄りまで押された。だが前へはいけない。依然3列目。前の方の頭が大きいので、さっきより見えにくく、ベビメタ体操はできない。これから1時間右手一本を挙げ、周りの方と密着した肉布団状態で過ごす決意を固める。

1番が終わり、下手お立ち台にYUIちゃんが立つ。近い。ニコニコして観客に視線を送っている。うわあ!この超絶的な可愛さはなんだ?

林立する手、揺れる頭に遮られて、舞台奥にいるSU-、上手に回ったMOAは見えない。

だが、ギターソロから「DEATH!DEATH!」となるシークエンスでは、お立ち台に立つSU-やMOAも見えた。「BABY!METAL!DEATH!」で曲が終わった瞬間、大歓声。

だが、もう周りの人も含めて全身水を浴びたほどの汗でびちょびちょ。客席から天井を見上げると、ここは銭湯か!というぐらい湯気が立っている。もちろん挙げた右手以外動かせない。隣の方の肘打ちが、あばらに当たらないことを祈るしかない。一度息ができなくなったことがあるのだ。

「♪どんどんっどどん!」というドラム音。迷うことなく「META!」と叫ぶ。「META!メタ太郎」である。

スーパーマンポーズで、舞台を前後に移動する三人が目の前にいる。この位置からだと奥に行った時の方が、お姿がよく見える。

確かに以前、もともと子どもにも楽しめるメタルソングとして書かれた「メタ太郎」を銀キツネでやらないで、白キツネでやるのはなぜか?と疑問を呈したこともあるが、現場にいると子ども向けというより、シンガロング待ちの曲になっている。一番のサビから「♪Woo Woo Woo Wo Wo Woo Woo Woo」と全員大合唱。「♪ぶっとばせーメタ太郎!」も忘れない。

二番のあとのシンガロングは、東京ドームと違って、今回は三番に入るところで転調するCD音源通りの進行。

ぼくは正確に合いの手を入れつつ、身動きが取れないので、敬礼ポーズも右手一本で対応した。

曲が終わり、大歓声が起こる中、「ゴーン…コツコツコツ…」というSE。

「青山さーん誕生日おめでとう!」という声が飛ぶ。青山神のドラムが始まり、藤岡神、BOH神、大村神が舞台前面にせり出してくる。神バンドのインプロヴィゼーションである。

目の前で見る藤岡神の左手の動きと、右手のアームをつかんだままのスウィープピッキングにくぎ付けとなる。今回ギターヘッドのところに、白地に阪神?みたいなデザインのプレゼント用のピックが2枚挟まっているのを見た。実際に使っているのは、いつもの黄色い半透明なジャズⅢ。ソロが終わると案の定、ニコニコ顔でデザインピックを1枚観客席に投げた。

上手大村神は、速弾きの後「六甲おろし」を織り込んだ。さすが大神。よく見えなかったけど。センターお立ち台にBOH神が立つ。今日のBOH神は大会場に比べてややクールに見えたが、やはり超絶のスラッピングを見せてくれた。青山神のドラミングは「叩きまくるぞ!」というツイート通り、音がデカい。今回は、途中立ちあがらず、タイトで手数の多いソロを見せてくれた。

「ハイ、ハイ、ハイ」と三人が入ってくる。ここで後頭部にガーン!というショックが。

クラウド・サーファーが頭上を送られてきたのである。今回はモッシュ、ダイブの禁止が繰り返しアナウンスされていたのに、結局ライブ中10人以上のサーファーが送られてきた。最前ブロックなので、大きく持ち上げステージ前の警備員に手渡さねばならない。

しかし。全く身動きが取れない状態で、「CMIYC」でやれることはただひとつ。「ハイ!」と「ノン!」の区別をはっきり叫ぶことだけだ。

曲が終わり暗転。壮大なオーケストラのイントロが流れる。「Amore-蒼星-」である。早くも感情があふれ、思わず「SU-ちゃーん!」と叫んでしまった。

合いの手を入れる曲ではないので、ただぶっ速いイントロに合わせて手を動かすのみ。センターでスポットライトを一身に浴びて歌い踊るSU-がよく見える。本当に歌が上手いし、マントなしでもその気迫、目配りなど、これぞスター!のオーラに魅入られずにはいられない。

しかし、藤岡、大村両神のツイン・タッピング・リフからのピッキングハーモニクスの入れ方といい、BOH神のソロパートといい、このスピードメタルで1音たりともミスがないのは、まさに神の領域DEATH。

またも暗転後、三三七拍子のバスドラの音。「GJ!」である。

観客は、ここぞとばかりに「ホイ!ホイ!ホイ!」と合いの手を入れる。続いて、「Wall of Death!」「Let’s Go!」「One More Time!」という熱く、正確な合いの手の入れ方は、YUIとMOAが、Blackという言葉がもっとも似合わない希代のメタルアイドルであることを如実に示している。

可愛さ爆発のBBMのあと、青い照明がステージを照らす中、闇を切り裂くような不穏な

ギターのメロディ。それが何度か繰り返された後、フェードインから舞台に仁王立ちする三人が明るく照らされた。「シンコペーション」。超カッコいいよ。

藤岡神のギターは、サーモンピンクのシグネチャーモデルから昔の黒いE-ⅡHorizonFR7に代わっている。

生披露が少ないため、セカンドアルバムではもっとも合いの手難易度の高い曲でもある。

「♪好き、キライ、好き、キライ、好き!」「♪好き、キライ、好き、キライ!」はまだ行けるが、そのあとの「♪回る!」「♪めぐる!」は言えてない人が多い。しかも曲のあまりのカッコよさにまたもサーファーが送られてくる。ぼくはもう酸素不足が明らかで、濁った水でパクパクする鯉のように、できるだけ背伸びして上空の酸素を摂り入れる。とりあえず最後の「♪飛んで行け!」まで、きっちりやった。曲終わりに最前列の方がひとり「出ます」といって後ろに下がっていく。その顔は蒼白だ。ぼくはここで、その人のいたスペースに肩を入れ、2列目まで進む。さらに両脇、後方からの圧迫がキツクなるがあとは根性しかない。

「さくらさくら」のメロディが流れる。目前に見る狛キツネポーズのYUI、MOA。

5大キツネ祭りの締めくくり、この夏最後の「メギツネ」である。

三人は「ソレ!ソレ!ソレ!ソレソレソレソレ!」とかっこよく踊るが、周りとの密着でジャンプすらできない。ふくらはぎがつりそうになりつつ、背伸びで対応。2番の「ソレソレソレ」では三人が上手、下手へ見事にシンクロしつつ平行移動する。そこで最前列も上手、下手へと移動する。なんのことはない朝の電車の中だと思えばいい。そう思えば、数十年、毎朝揺られてきたオジサンは、近距離通学しかしてない学生さんより強いぞ。2列目に進んだことでなんか楽しくなってきた。脳内物質が分泌されライブ・ハイがやってきている。

ここでSU-の煽り。また英語に戻っている。

「White Fox!We are so happy to be here!」「ウォー!」

「On the count of Three, let’s jump up with Fox God. Are you ready?」「イェー!」

「Are—You—Ready--!?」「イェー!」

「1,2,1,2,3 Jump!」この言い方はこの夏、超カッコよくなってきている。

ジャンプは「One More!」が入り2クール。

曲が終わり、またも酸欠状態に陥り、銭湯に落ちた池の鯉と化す。空調はガンガン効いているのだろうが、密着肉布団状態なので、体感温度は当然37度を超えている。酸欠とライブ・ハイが交互にやってくるデンジャーゾーンだ。

照明は赤から青へ。「ギミチョコ!!」である。

何度聞いてもこの曲はレディガガが評したとおり、Killerである。

ぼくはなんといってもYUI、MOAの頭指さし変てこダンスが大好きなのだが、ここまで間近に見たのは初めて。

ギターソロの間にMOAが下手お立ち台に来た。ニコニコしながら拍手をしている。客席に視線を送るMOAと目が合った。ベビメタロゴをおでこに印したぼくを見て笑ってくれたように思ったのだ。2年前のCarolina Rebellionで、キツネ面をかぶっていた時と同じだ。もっとも終演後、化粧をおとしてミノさん、ゾンビさん、練馬にお住いのTさんと話していたとき、上手最前列にいらしたTさんもMOAと目線が合ったとおっしゃっていた。さすが、ライブ観ちゃうと推しになっちゃう菊地プロ。左頬の黒子まではっきり見えた。美しく成長した姿がまぶしい。

4月のレッチリツアーでは、この曲がフィニッシュだった。だが、ここは日本の単独ライブこれで終わるはずもない。

ピアノのイントロが流れる。「♪ルルルー、ルルルー」に合わせて客席は手拍子と大合唱。

ぼくは右手一本なので、手拍子はできないが。

ああ、なんかこの展開、さっきハードロックカフェで見たぞ。どうやら店長さんは、白キツネ祭りのセトリ順にMVを並べてくれてたようだ。心憎い。

とはいえ、オフィシャルMVだったので、ギターを抱えた幼いYUI、MOAのイメージと、目の前の大きく美しく成長した三人のイメージがうまく重ならない。ああ、時の流れは早いですね。だが、イントロが始まり、下手のYUIがクラウチングスタート姿勢に入った瞬間、日本武道館、ソニスフィア、そして先週のサマソニと、すべての「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のシーンが走馬灯のように(という言葉を使うと死んじゃったみたいに聞こえるが、それでもこのほかに形容する言葉が見つからない)、浮かんできた。

SU-の「♪アー」で狭い舞台を駆け回るYUI、MOA。ぼくの下におろした左手、そして上げ続ける右手が連動して、藤岡神といっしょにギターを弾いている。涙がこぼれそうになるが「♪Nothing! Say Nothing! 見つけちゃいやー!イエスタデー!バイバイ!」と続く合いの手を懸命に入れる。

そしてダメジャンプ!もちろん肉布団に挟まれ、ジャンプはできないし、Xポーズもできない。だが「♪ダメ!ダメ!」と叫び続ける。

曲終わり、ドラムロールはない。三人が舞台をはけ、合戦場のSEが流れる。

そのとき、最前列に居た方が限界を訴え、後ろに下がる。そこには下手側にいた3列目くらいの方が進んでいく。

三人がベビメタフラッグを持ち、下手から再登場。三人の目には燃えるような炎が宿っている。やっぱりカッコいいわBABYMETAL。

SU-が客席をかき分けるポーズをする。上手側最前ブロックでは、「Wall of Death!」の声が巻き起こり、小さいけれどWODができたようで、上手からぼくのいるあたりまで圧縮がかかる。

ええい、最後だ。「♪1,2,3,4」の掛け声で押し返そうとするが、さすがに無理で、周りはすぐに背伸びジャンプに切り替わり、「DEATH!」「♪東の空に」の合いの手を叫ぶ。

そして「♪Woo Woo Woo Wo! Woo Woo Woo Wo!」のシンガロング。サマソニ同様、短いけれどバンドがストップするバージョン。で、シンガロングの最後に、SU-がマイクを離して「あ・り・が・と・う」と言ったのを、ぼくは確かに聞いた。その瞬間、ついに涙腺が崩壊した。有り難いのはこちらである。

ぼくは君たちのおかげで、今こうしてここに生きているのだ。

3年前、家庭も、仕事も失い、どん底にあったぼくは、生きる気力さえ失っていた。欧米の大舞台に挑戦するBABYMETALのファンカムを見て、「なんじゃこりゃー!?」と思い、引きこもりのベッドから立ち上がった。

中高生だったころから、ギターと同じように脚本や小説を書いていた。仕事では教育や入試制度に関する文章で食ってきた。もともとぼくは書く人だったと思って、BABYMETALを広めるためにこのブログを始め、仕事の上でも、キャリアをスタートしたころの老社長が立ち上げた新しい会社に入り、厚遇をいただき、忙しく仕事をさせてもらっている。

「♪命が続く限り、決して背をむけたりはしない」

これが仕事においても、どうしようもないダメ人生への向き合い方においても、57歳になったぼくの生きる糧である。ありがとうBABYMETAL。

明日から新学期、大きな仕事がいよいよ始まる。ぼくは、心の中で「♪かかってこいやあ!!!」と叫んだ。

今日初めてお会いしたゾンビ☆ヒロさん、ミノさん、Tさん、Mishu-METALさん、ウメさん、名前を聞きそびれたゾンビさんのお知り合いの方々、ハンガリーから来た二人組、香港から来た女の子、それからお世話になったSin-Metalさん、すべてのメイトの方々が、BABYMETALに心動かされ、曲を聴き、ライブに参加することによってなにがしかのパワーをもらっているのだと思う。

「♪君が信じるなら進め、答えはここにある」

人生には、いいことも悪いことも、色々なことが起こる。だが、それをのり越え、次のステップへの扉を開けるのは常に自分であり、「ここ」から始めるしかない。希望は必ずある。

どんなことがあっても打ちひしがれることはない。抗え!Resistanceしろ!ぼくらにはBABYMETALがある。

お立ち台に立つ三人。「We are?」「BABYMETAL!」と叫ぶのは、文字通り、ここに集った全員がBABYMETALだからだ。

「Get your Fox Hands U---P」で、全観客がキツネサインを掲げ、大歓声に包まれる中、三人はいつものように「See You!」と去っていった。

(つづく)

 

P.S

昨日、8月31日、私立恵比寿中学の廣田あいかが、来年1月3日をもって「転校」するという本人生出演の動画配信がありました。「卒業」ではなく「転校」というところが永遠の中学生エビ中らしいですね。先日の日テレ「NEWSZERO」で、松野莉奈の逝去という事態を受けて「考え方が180度変わった。自分のやりたいことをやろうと思った」と発言していました。これについては、少し時間をかけて考えてみたいと思います。